パソコン市場、19年・20年を振り返る

アナリストPOSデータ分析

2021/01/24 12:30

 2019年-2020年のパソコン(ノートPCデスクトップPC)の販売動向について、家電量販店ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で振り返ってみる。


 19年のトピックとして挙げられるのは、消費増税とWindows 7のサポート終了(EOS)に伴う駆け込み需要の発生だ。19年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられる前月の9月1週から販売台数が増加し、同月4週の台数指数は「97.5」を記録。消費増税後は反動減により「25.1」まで落ち込むも、年末商戦中の12月2週に台数指数は「83.7」まで盛り返した。

 翌20年は1月14日のWindows 7 EOSを前に買い替え需要が発生し、年初から台数指数は「156.5」と高水準でのスタートを切った。その後、新型コロナウイルスの感染拡大により、社会人は在宅勤務、学生はオンライン授業などが広まったことで、パソコンの需要が高まった。そのためWindows 7  EOS後の反動減はさほど見られず4月3週には「74.6」、その後5月以降もほぼ横ばいで推移。年末商戦は19年ほどではないものの、需要の高まりが発現している。

 21年は需要を押し上げる大きな要素は今のところ見当たらない。しかし、Arm版Windowsが動くPCやM1チップ搭載のMacが需要をどれ程喚起するのか。また、GIGAスクール構想によりパソコンに触れる子どもたちが増加することで、パソコン需要を刺激する可能性もある。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。



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  • ・パソコン(ノートPC+デスクトップPC) 販売台数指数推移(週次)
  • ・ノートPC メーカー別販売台数シェア推移、デスクトップPC メーカー別販売台数シェア推移
  • ・ノートPC 機種別ランキング、デスクトップPC 機種別ランキング

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