タブレット端末市場が他市場に与えた影響

アナリストPOSデータ分析

2018/06/09 12:00

 長い間、タブレット端末市場は縮小を続けていたが、2018年を境に前年並みを維持する水準へと転じた。表面上は市況好転の兆しと見えなくもないが、むしろ、底を打ちはじめたことが背景にあるとみるべきだろう。このタブレット端末市場は、周辺機器の一つであるスタイラスペン市場に影響を与えつつある。その大きな要因は第6世代iPadの発売が契機であることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングで分かった。


 ここ10か月のタブレット端末市場の販売台数伸び率(前年同月比)をみると、ほぼ前年並みの水準を維持している(図1)。しかし、上位5メーカーの台数伸び率でプラスを維持しているのは、アップルとHuawei Technologies(以下、Huaweiと表記)の2社のみ。2社以外のASUS、NEC、レノボ・ジャパンは軒並み2ケタ減から半減といった深刻な状況となっている。18年3月まで2ケタ増で推移していたHuaweiも、徐々に勢いがそがれている状態だ。一方、アップルは17年12月から2ケタ増を維持している。これは第5世代iPad(17年3月発売)と第6世代iPad(18年3月発売)が大きく貢献したためで、とくに第6世代iPadが廉価になったこと、Apple Pencilに対応したことが影響していると考えられる。
 

 そこで、第6世代iPadの発売によるApple Pencilの動向を探るため、スタイラスペン市場における上位メーカーの販売台数シェアを週次で集計してみた(図2)。18年1月からエレコムは2位のアップルに10ポイント差をつけ、独走状態を維持していた。しかし、18年3月31日の第6世代iPad発売と連動して、4月1週にアップルのシェアは急伸、首位を独走するようになった。今まで、高額なiPad Proにしか対応していなかったApple Pencilであったが、対応機種が増えたことにより需要が増加。スタイラスペン市場でも、アップルのシェア増となっていることが一目瞭然だ。

 現在、デジタル家電の市場は以前のように活況ではないことは明白。タブレット端末とスタイラスペンのように、本体だけでなく周辺機器市場も巻き込みつつ、活性化するとともに、相乗効果も見込めるだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。