データ通信端末市場は2か月連続で販売台数伸び率(前年同月比)がプラスで推移、台数指数でも回復傾向を示していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。メーカー別台数シェアではHuawei Technologiesが首位であることに変わりはないが、NECプラットフォームズやソフトバンクが追い上げていることが、活況につながる要因となっている。ただ、引き続き、SIMフリー端末によって市場が飛躍する可能性を秘めているものの、不安要素も抱えている。

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 2016年2月に「実質0円販売」の規制が強化され、スマートフォンの販売は一時的に冷え込んだが、関連するデータ通信端末市場は、それ以前から縮小傾向にあった。14年3月の販売台数を「100.0」とした台数指数でみると、規制強化の前から右肩下がりで推移、16年2月には「39.5」まで落ち込んだ(図1)。その後、状況はさらに悪化し、同年11月には台数指数が「29.3」と、ここ3年間で最も低い値となった。また、台数伸び率をみても15年4-5月はプラスとなったが、その後、2年にわたり前年割れで推移、市場は厳しい状況から脱することはなかった。ところが、17年2-3月では2か月連続して伸び率はようやくプラスに転じ、明るい兆しがみえ始めている。
 
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 需要が好転した要因を探ったところ、NECプラットフォームズの「Speed Wi-Fi NEXT WX03」と、ソフトバンク「Airターミナル3」が躍進、市場を下支えしつつあることが分かった。前者はWiMAX対応のモバイルWi-Fiルータ、後者は据え置きで宅内用のWi-Fi環境を構築する端末だ。そこでメーカー別の販売台数シェアを算出してみると、Huawei Technologiesの首位に変わりはないが、この2社が徐々にシェアを伸ばしているのが分かる(図2)。NECプラットフォームズは若干の右肩上がりで推移しているが、ソフトバンクは16年11月に市場参入したにもかかわらず、わずか半年余りのうちにシェアを急速に押し上げ、17年3月は19.6%と3番手につけている。新規参入によって市場が活気づいたと言ってよいだろう。

 スマートフォンではSIMフリー端末が2割近くを占めているが、テータ通信端末市場では17年3月時点では5.6%に過ぎず、SIMフリーの拡大は遅々としている。16年6月からほぼ半年にわたって構成比が2ケタに達していた時期もあるが、今一つ浸透していないのが実情で、今後はSIMフリーのデータ通信端末が市場動向を左右するだろう。しかし、スマートフォンのテザリング機能の搭載率がほぼ100%となってきたことから、データ通信端末市場の拡大を阻害する要因の一つと言ってよい。こうした製品との差異化を見出すことができなければ、市場好転は一時的なものとなり、再び前年割れに転ずる可能性もある。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。