スマートフォン(以下スマホ)の画面を新品同様に保ち、落としたときの衝撃やのぞき見防止などに役立つ保護シート。BCNが以前行ったアンケート調査では、スマホユーザーの約8割が利用し、スマホと同時に購入する人が少なくない。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」でこの保護シートの動きをみると、平均単価が約2年半で最大1.6倍に達している。単価上昇要因を追った。

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 2014年前半、スマホ保護シートの平均単価は800円前後を推移していたが、以降上昇し、16年9月には1311円と過去最高値を記録した(図1)。ここ数年、顕著なのは9月で、8月に比べて100円ほど単価が上昇している。この時期は毎年、iPhoneの新製品が発売され、保護シートメーカーもそれに合わせて、新機種用をリリースしていることが単価アップの要因といえる。

 また、9月に一度上昇する単価は、その後1年間はほぼ横ばいで推移、翌年の9月に再び単価がアップを繰り返すパターンを示し、年々、右肩上がりとなっているのが特徴的だ。iPhone用の製品が平均単価を押し上げた影響で、市場全体の単価が上昇。耐衝撃性や操作性などの機能面も向上した製品が多くなったことも背景にあると推測できる。単価の上昇にかかわらず、需要が安定していることから、保護シートの必要性が高いことが伺える。
 
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 前述したように、保護シートの売れ行きはスマホの影響を大きく受けており、販売数量の構成比を見ても似た傾向を示していた(図2,3)。しかし、ここ数年はスマホに比べ、iPhone対応の保護シートが構成比が拡大している。14年2月時点、スマホ全体に占めるiPhoneの比率は61.6%であったのに対し、保護シートのiPhone対応比率は50.8%で約10ポイント、スマホのほうが構成比は高い。しかし、3年後の17年2月には逆転し、保護シートのほうが7ポイント以上も上回っている。

 製品のラインアップをみると、3年前に比べ、iPhone対応の販売製品数が大幅に増加している。iPhone用保護シートの販売構成比が高まっている大きな理由は、Androidなどの他機種の保護シート利用率が落ちているというよりも、iPhoneでの利用率が上がっているためだと考えられる。

 日本国内ではスマホ所有者の約半数がiPhoneユーザーであるため、今年も新たなiPhoneが発売されることで、保護シートのみならず、さまざまなスマホ周辺市場に与える影響は大きい。iPhoneユーザーをターゲットとしている、似通った製品が多くなるなかで、どのような差異化をはかれるかが、周辺機器メーカー各社が販売数を伸ばすポイントになりそうだ。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。