2016年5月以降、液晶テレビの売れ筋が30型台から40型台へと移り、大型化が進行している。これに伴い、4K対応も徐々に拡大中だ。市場全体に占める4K対応の台数構成比率は、16年11月現在で約3割。40型以上の大型に限れば6割にも達し、存在感は日増しに高まっている。この背景には、割安感が強まったこと、そして製品数が増えたことが大きい。16年に発売された全製品に占める4K対応の台数比率は、現時点で49.2%と、ほぼ半数を占めるまでに拡大している。

201612221627_3.gif

 40型以上に限定した大型テレビ全体と、4K対応テレビのそれぞれで、台数伸び率(前年同月比)を比較してみた(図1)。まず前者では、5月一時的に前年を下回ったがそれ以降は回復し、2ケタ増で推移している。一方、後者では、16年1月以降、160-250%と連続して高い伸び率を維持する。こうした動きは、液晶テレビ全体にも波及し、40型以上の大型テレビが占める割合は5割近くまで増大。これに連動して、4K対応の比率も上昇し、16年11月現在では3割を超えて存在感を高めている。今後も大型化と4K対応は同時進行していく見通しだ。
 
201612221627_4.gif

 図2左では、4K対応モデルを展開するメーカーの台数シェアの推移を示した。ここからも分かるように、16年前半はシャープとソニーが首位争いを展開したが、6月には「DX600シリーズ」と「DX750シリーズ」の40型台の製品によってパナソニックが躍進、29.8%を獲得してトップシェアについた。その後、パナソニックの勢いは鈍り、再びシャープとソニーが首位争いが続く展開となっていたが、11月はハイスペックを謳う49インチの「DX850」の販売増で、パナソニックが再び首位返り咲きとなった。

 一方、今年発売された液晶テレビの製品数は、現時点で118製品だった。このうち、58製品が4K対応で、その割合は49.2%とほぼ半数を占めるまでに拡大している(図2右)。これを大手4社別にみていくと、ソニーの比率は76.5%と他の3社に比べて最も高く、実に17製品中13製品が4K対応だった。次いで比率が高かったのが東芝の53.8%で、4K対応は13製品中7製品を占めた。一方、パナソニックとシャープは、それぞれ40.0%(35製品中14製品)、33.3%(24製品中8製品)にとどまる。大型に軸足を置くソニーや東芝に対して、小型の「プライベート・ビエラ」を展開しているパナソニック、小型から大型まで幅広いラインアップを取り揃えるシャープと、各社の戦略の違いがあらわれる結果となった。

 現在、4K放送は衛星放送やインターネット上のコンテンツしかない状態にもかかわらず、4K対応テレビの製品数は増加傾向にある。これはメーカーが大型化、4K対応を推し進めていることが影響しているため。BCNが16年7月に実施したデータ放送利用者を対象にしたアンケート調査によると、今後テレビを購入する際、「画面サイズ」や「画質を重視する」との回答が6割を超えたのに対して、「4K対応を重視する」はわずか2割台にとどまった。こうした点から、今後、メーカーに求められるのは、4Kにこだわらず、中小型領域でも画質のよい製品を望む消費者の声を、いかにくみ取っていくかだろう。