2026.10.19 17:00

生活

ロータリーを積んだEVという選択! 1年乗ってわかった「MX-30 Rotary-EV」のちょうどよさ

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 マツダのお家芸ともいえるロータリーエンジン。それを発電用として搭載したのが「MX-30 Rotary-EV」だ。約1年間使ってみて、最初に感じたのはロータリーエンジンの凄さ……ではなかった。むしろ気になったのは、「自宅に200V充電が欲しい」ということだ(テックジャーナリスト・木村ヒデノリ)。

気になったのは「充電環境がほしい」 MX-30 Rotary-EVに乗り続けてわかったこと

充電環境がない 見えてきたのは「街乗りはEV、遠出はロータリー」 しかし…

 実は筆者宅には200Vの充電環境がない。しかし、充電環境がなくとも、電気がなくなればロータリーで発電できるため、1年間使うこと自体に大きな問題はなかった。とはいうものの、今は「200V充電環境はあった方がいい」とはっきり言える。
 
やっぱり充電環境はあったほうがいい

 理由は短距離移動だ。近所への買い物や子どもの送り迎えなど、短い距離をロータリーによる発電に頼って走ると燃費はあまり良くない。だからこそ、街中では充電した電気だけで走りたい。

 自宅に200V充電を用意し、電気料金の安い深夜帯に充電しておけば、日常のランニングコストはかなり抑えられる。近距離でわざわざロータリーを回す必要もない。

 一方で、200V充電のない環境で使ったからこそ「普段はできるだけ電気だけで走る」ことが、このクルマには合っていると感じるようにもなった。

ロータリーを積んでいても、基本はEV

 「Rotary-EV」という名前から、ロータリーエンジンでタイヤを駆動するクルマを想像するかもしれない。しかしMX-30 Rotary-EVはモーターで走り、ロータリーエンジンは発電を担当する。

 そのため、アクセルを踏んだときの滑らかな加速や静かな走りはEVそのもの。筆者は以前、バッテリーEVの「MX-30 EV」も試しているが、それと比べても大きな違和感はなかった。
 
 
街乗りはEVだけで十分、静粛性が快適

 走るのはモーター。電気が足りなくなったらロータリーで発電する。つまり、エンジンを積んでいても基本的なキャラクターはEVだ。だから筆者は、このクルマを「エンジンとモーターのいいとこ取り」というより、「ロータリーを積んだEV」と考える方がしっくりくる。

 そして、この考え方をするとMX-30 Rotary-EVの使い方も見えてくる。遠出ではロータリーがちょうどいい一方、ある程度まとまった距離を走ると、ロータリーエンジンの印象は変わる。

 筆者の使い方では、短距離を繰り返すよりも長距離を走った方が、ロータリー使用時の燃費はそこそこ良い。そして何より大きいのが、航続距離を気にしなくていいことだ。
 
 
遠出ではロータリーエンジンの安心感が生きる
 

 以前MX-30 EVを試したときは、遠出するなら途中の充電スポットを考える必要があった。目的地まで行けるのか、途中でどこに寄るのか。特に家族で出かけると予定通りにならないことも多く、「次はどこで充電するか」を考えながら走るのは意外とストレスになる。

 Rotary-EVなら、バッテリーの電気が減ってもロータリーで発電できる。ガソリンが減れば給油すればいい。

 つまり、街中ではEVの経済性を生かし、遠出ではロータリーによる安心感を使える。この役割分担ができるのが、MX-30 Rotary-EVの面白いところだ。

観音開きは格好いい。でも子どもが2人以上だと……

 そして、MX-30を語るうえで外せないのが、観音開きの「フリースタイルドア」だ。
 
 
MX-30のインテリア。独特のフリースタイルドアも大きな特徴だ

 この独特なスタイルは、1年経った今でもかなり気に入っている。街中にSUVがあふれている現在でもMX-30はひと目でそれと分かり、インテリアを含めて独特の雰囲気がある。

 効率や利便性だけを考えれば、もっと合理的なクルマはいくらでもある。しかし毎日のように目にして、触れて、運転するものだからこそ、「このデザインが好き」という感覚もクルマ選びでは大切だと思う。

 ただ、子どもが2人以上いて毎日のように後席を使うとなると、スライドドアを備えたファミリーカーの方が圧倒的に楽だ。特に狭い駐車場ではそう感じる。

 逆に、後席を頻繁に使わない夫婦などであれば、この個性的なデザインを楽しむメリットの方が大きいだろう。

200V充電+ロータリーが筆者の考える「正解」

 重ねてになるが、1年間乗った結果、もし今からMX-30 Rotary-EVに最適な環境をつくるなら、筆者は自宅に200V充電を用意したい。

 街乗りは深夜に充電した電気で走る。これなら日常のランニングコストをかなり抑えられる。そして、休日に遠出するときは、電気を使い切っても気にしない。そこから先はロータリーに任せればいい。

 どちらか一方ですべてを賄おうとしないことが、MX-30 Rotary-EVをうまく使うコツなのだと思う。これがタイトルにある「ちょうどよさ」の正体だ。

1年乗ってわかったRotary-EVの「ちょうどよさ」

 MX-30 Rotary-EVは、ロータリーによる発電に頼って短距離ばかり走ると燃費が気になる。一方で、EVだけでは気になる遠出の航続距離をロータリーがカバーしてくれる。ならば、それぞれが得意なところだけを使えばいい。
 
街乗りと遠出でEVとロータリーを使い分けるのがちょうどいい

 日常の移動はEVとしてランニングコストを抑えながら、遠出ではロータリーのおかげで充電スポットを気にせず走れる。しかも長距離なら、筆者の実感としてロータリー使用時の燃費もそこそこ良い。

 そして、ロータリーがあるから、普段は安心してEVとして使える。EVの経済性と、ガソリンを給油すれば走り続けられる安心感。その二つを生活に合わせて使い分けられるところに、1年間乗ってわかる「MX-30 Rotary-EV」のちょうどよさがあった。
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