2026.10.15 12:00
スマホ・PCAIはクラウド+エッジのハイブリッド時代へ[道越一郎のカットエッジ・特別編]
AIの進化は凄まじい。特に今年に入ってからの成長スピードには目を見張るものがある。去年までとは「別人」のように賢くなり、日常やビジネスのあらゆる場面でなくてはならない存在になってきた。私もその恩恵を大いに受けている一人だ。数多くのトラブル解決をAIに助けてもらい、業務上最も苦痛だった作業からも解放されつつある。愛用しているPCもAI PC。Qualcommの「Snapdragon X Plus」搭載のエントリーモデルだ。現在はクラウドベースのAI利用がほとんどだが、PC側のエッジAIが活躍する場面も増えてきた。そこで、クラウドAIとエッジAIそれぞれの活用例をご紹介しつつ、それぞれのAIが連携する「ハイブリッドAI」の必要性や将来像についても考えてみたい。
するとGeminiは、いくつかの可能性を示してきた。その中に、ドイツ語のユーザーグループで「通信できないSIMが入っていたことによる、接続エラーの無限ループで、バッテリーの異常消耗を招く」という報告が含まれていた。確かWi-FiのみでSIMは入れずに使っていたはずだけど……。そう思いながらSIMトレーを開けると、見覚えのあるSIMが入っていた。eSIM非対応のスマホでeSIMを使えるようにする、特殊なSIMだった。そこですべてがつながった。このSIMを使わなくなって1年ほど。サーバー側で何らかの設定が変更され、通信できなくなったのだろう。試しにSIMを取り外すと、バッテリーの異常消耗はぴたりと止んだ。ビンゴだ。
一晩で2割もバッテリーが減るのは特殊なSIMが原因だった
特定のスマホ+特殊なSIM+月日の経過という、いくつもの特別な事情が重なって起きた不具合。しかも、もう何年も前に販売終了したスマホだ。Webで検索すれば原因らしきものにたどり着くかもしれない。しかし、そもそもドイツ語のソースなら、ドイツ語が読めない私にはたどり着けない。スマホのマニュアルには、そんな特殊な不具合が記載されているはずもない。サポートを頼るにも、スマホメーカーなのか、SIMの販売元なのか……。そんな複雑に絡み合った状況を解決に導けるのがAIの力だ。Geminiが一発で答えを出したわけではない。チャットで何往復かしながら、ようやくたどり着いた答えだ。とはいえ、Geminiの助けがなければ、街の修理屋に「騙しやがったな」と、怒鳴り込んでいたに違いない。AI様々だ。
COMPUTEX TAIPEI 2026のオープニングスピーチで、Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOが登壇。
英語のスピーチの録音データと、式次第、投影されたスライドのPDFをGemini 3.1 Proに渡して処理した。
まず、英語で文字起こしした上で同時に日本語に翻訳。
原稿執筆に使える日本語の文字起こしの完成だ。AIの進歩はすさまじい
ところが、直近のGemini 3.1 Proでは、かなり使えるレベルに達していた。音声ファイルを30分ごとに小分けするなど、ちょっとした工夫は必要だが、とりあえず、文字起こしの時間を激減させることには成功した。うまくいったポイントは二つ。一つは「ケバ取り」だ。特にインタビューなどでは必須の作業。「あー」とか「えーと」とか、意味のない「フィラー」と呼ばれる言葉を、適度に取り除くことを指す。全部なくすとニュアンスが消えてしまうのでさじ加減は難しい。しかし、明らかに不要なフィラーを削除するだけで、文字起こしのレベルが格段に上がり、「使える文字起こし」になる。
もう一つは「コンテキスト」だ。AIに音声データだけを渡すのではなく、周辺情報、つまりコンテキストを十分与える。例えばイベントでのスピーチなら式次第、登壇者のプロフィールやゲストの名簿、スピーチで使われたスライドデータ、当日配られた参考資料まで一緒に渡す。すると、出力の精度が格段に上がり「使える文字起こし」になる。そりゃそうだ。大まかな内容は既にAIが知っている状態。精度が上がるに決まっている。音声ファイル、スライドファイル、写真、式次第などの関連資料を駆使して行うマルチモーダルな文字起こしが、精度向上のカギだったのだ。こうした芸当ができるようになったのも、近年のAIの爆発的な進歩があったからこそだ。
現在、フロンティアモデルと呼ばれる最先端のAIは、人間の「天才」を超えているとすら言われている。奴らは、世の中にあるありとあらゆるデータを学習し尽くし、知識レベルでは人間をはるかに超えているわけだ。しかし、全知全能の神ではない。例えば、世界一の大天才が新入社員として加わったからといって、すぐにプロジェクトリーダーを任せることはできない。まずは研修だ。会社の事業のあらましから、経営方針、細かいルールや現在進行中のプロジェクトの詳細などなど……。ネットには存在しないが、知識として頭に入れなければならないことは山ほどある。つまりその会社の「コンテキスト」を与えて、初めて大天才の能力が発揮されるわけだ。
これからのAIに必要なのは天才のクラウドと秀才のエッジを組み合わせたハイブリッドAIだ
コンテキストの大半を握る秀才のエッジAIが、必要に応じて天才のクラウドAIと連携することで、AIの機能を最大限引き出すことができる。クラウドかエッジかの二者択一ではなく、クラウドAIとエッジAIのそれぞれの役割を分けることがポイントだ。重要なのは、すべてをエッジで閉じるという発想ではない。手元で持つべき情報と、クラウドに渡して処理させる情報を分ける発想だ。こうした、クラウドとエッジを組み合わせた「ハイブリッドAI」は、まだまだこれから。しかし、着実に広がっていくだろう。
AIノートPCの販売台数構成比。
過半を占める月もあり、値は上下しながらも拡大基調だ
ハードの普及に伴ってNPUの機能を最大限に引き出せるソフトも、徐々に登場し始めている。例えば、Blackmagic Designの動画編集ソフト「DaVinci Resolve Studio」。NPUの機能を最大限に引き出せるソフトの代表格だ。とても重い動画編集の裏で、オブジェクト追跡・分離を行う「Magic Mask」処理などをNPUが担当。負荷を分散させることができる。また、音楽編集ソフトの「Audacity」でもボーカルやドラムの抽出でNPUが大活躍する。
実は私もこの1年ほど、QualcommのSnapdragon X Plusを搭載したノートPCを愛用している。Qualcomm Hexagon NPUを内蔵し、AI性能としては最大で45TOPS。1秒間に45兆回もの演算能力がある。Microsoftが定める「Copilot+ PC」の要件では、40TOPS以上のNPUが求められており、私のPCもこの要件を満たしている。
大規模なクラウドAIとは比べるべくもないが、このマシンでもNPUを駆使して「ローカルLLM」を動かすことは可能だ。AIプラットフォームはMintplex Labsの「AnythingLLM」を使った。AIモデルはMetaの「Llama 3.2 3B」。Copilot+ PC向けに最適化し、AnythingLLM経由で動かせるようにした特別バージョンを使用した。AIの規模を示すパラメーター数は3.21B、つまり32.1億。モデルの容量は2.49GBだ。大規模言語モデル(LLM=Large Language Model)というより「軽量級のスモール言語モデル(SLM=Small Language Model)」といったほうがいいかもしれない。小型モデルなので、なんとかこのPCでも動作するわけだ。AIからの回答出力も、パラパラと文字が出てくるようなスピード感。大昔の「パソコン通信」を彷彿とさせるものがある。
エッジAIに「地球温暖化の解決策」を訊いてみた。文字の表示速度は目で追える程度。
小型モデルのため「温室気象皇子」などの謎の文言も混ざっているが、
おおむね回答としては成立している。NPUはほぼ100%稼働しつつ、CPUはごくわずかしか動いていない
インターネットにつながないスタンドアロン状態で、AIが様々な問いに答える様子は面白い。ある種、感動的ですらある。当然、動作時のNPUは100%近いフル回転状態だ。もともと、QualcommのSnapdragon搭載PCは、バッテリーが「持つ」。CPUがほとんど動作しないアイドル時を含めた優れた電力効率を特長としているからだ。一方AI処理には多くの電力を必要とする……。NPUの出番だ。多くの電力を必要とするAI処理を、省電力設計のAI専用NPUに逃すことで、AIを回しつつも、CPU本来の稼働状態とバッテリーの持ちを維持することができる。これから突入する、クラウド+エッジのハイブリッドAI時代では、常に裏でAIが稼働しユーザーの要望に応えるような利用シーンも十分想定できる。エッジの省電力性能は極めて重要だ。AIを使ったらノートPCが10分しかもたなかった……では話にならない。これからのAI PC選択の最も大きなポイントは、実はこの省電力性能なのかもしれない。
そしてAIは、これまで「分からない」が壁になって前に進めなかったPC初心者にとっても、力強い相棒になる。普通の言葉で問いかければ、PCの複雑な操作やトラブルを、24時間いつでも一緒になって解決してくれるだろう。またAIは、企業にとってもなくてはならない存在になりつつある。これまで社内で延々と蓄積してきた独自の知恵やノウハウを、AIを通じて共有・統合すれば、自社の強みに磨きがかかる。そしてAIは、大規模で複雑なプロジェクトであっても、少ない人数で手がける勇気と力を与えてくれるはずだ。(BCN・道越一郎)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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検索ではたどり着けない――文脈を理解するAIが問題解決へ導く
まず、AIで助かった例をご紹介しよう。ある日、急にスマートフォン(スマホ)のバッテリー寿命が短くなった。満充電して一晩経つと2割も減っている。古いスマホだが、サブ機として必要だったのでバッテリー交換に出した。街の修理屋だ。修理を終えて3回ほど充放電を繰り返しても症状は同じ。一瞬騙されたかと思ったが、ふと思いついた。AIに訊いてみよう。最近愛用しているGeminiならわかるかもしれない。機種名と症状、バッテリー交換を済ませたことも伝える。さらに、日本語以外にも英語、韓国語、中国語、ドイツ語のソースを幅広く探索して、原因を調べるように依頼した。するとGeminiは、いくつかの可能性を示してきた。その中に、ドイツ語のユーザーグループで「通信できないSIMが入っていたことによる、接続エラーの無限ループで、バッテリーの異常消耗を招く」という報告が含まれていた。確かWi-FiのみでSIMは入れずに使っていたはずだけど……。そう思いながらSIMトレーを開けると、見覚えのあるSIMが入っていた。eSIM非対応のスマホでeSIMを使えるようにする、特殊なSIMだった。そこですべてがつながった。このSIMを使わなくなって1年ほど。サーバー側で何らかの設定が変更され、通信できなくなったのだろう。試しにSIMを取り外すと、バッテリーの異常消耗はぴたりと止んだ。ビンゴだ。
特定のスマホ+特殊なSIM+月日の経過という、いくつもの特別な事情が重なって起きた不具合。しかも、もう何年も前に販売終了したスマホだ。Webで検索すれば原因らしきものにたどり着くかもしれない。しかし、そもそもドイツ語のソースなら、ドイツ語が読めない私にはたどり着けない。スマホのマニュアルには、そんな特殊な不具合が記載されているはずもない。サポートを頼るにも、スマホメーカーなのか、SIMの販売元なのか……。そんな複雑に絡み合った状況を解決に導けるのがAIの力だ。Geminiが一発で答えを出したわけではない。チャットで何往復かしながら、ようやくたどり着いた答えだ。とはいえ、Geminiの助けがなければ、街の修理屋に「騙しやがったな」と、怒鳴り込んでいたに違いない。AI様々だ。
「文字起こしの苦行」から解放された二つの理由
もう一つ、AIによる恩恵の話をしたい。文字起こしだ。長いこと編集をしたり原稿を書いたりする仕事をしていると、スピーチやインタビューを原稿にまとめるタスクが頻繁に発生する。正確を期すため必ず録音し、文字起こししながら原稿をまとめていくのが通常の手順だ。しかし、この文字起こしが苦痛極まりない。これを何とかしたかった。しかし何を試しても全然ダメ。できそうなんだが、全くできない。2000年代初頭、IBMの「ViaVoice」に始まって、某社の文字起こし専用レコーダーも初期のChatGPTも試した。いい線は行くのだが、実用には程遠い。Google Pixelは一見良かった。しかし、いざ原稿執筆に使おうとすると、やっぱり全然ダメだ。決定的な間違いは相変わらず散見され、その修正に時間を取られる。すると、結局自分で文字起こしして原稿を書くより時間がかかる……そうした本末転倒の状態になってしまった。
英語のスピーチの録音データと、式次第、投影されたスライドのPDFをGemini 3.1 Proに渡して処理した。
まず、英語で文字起こしした上で同時に日本語に翻訳。
原稿執筆に使える日本語の文字起こしの完成だ。AIの進歩はすさまじい
ところが、直近のGemini 3.1 Proでは、かなり使えるレベルに達していた。音声ファイルを30分ごとに小分けするなど、ちょっとした工夫は必要だが、とりあえず、文字起こしの時間を激減させることには成功した。うまくいったポイントは二つ。一つは「ケバ取り」だ。特にインタビューなどでは必須の作業。「あー」とか「えーと」とか、意味のない「フィラー」と呼ばれる言葉を、適度に取り除くことを指す。全部なくすとニュアンスが消えてしまうのでさじ加減は難しい。しかし、明らかに不要なフィラーを削除するだけで、文字起こしのレベルが格段に上がり、「使える文字起こし」になる。
もう一つは「コンテキスト」だ。AIに音声データだけを渡すのではなく、周辺情報、つまりコンテキストを十分与える。例えばイベントでのスピーチなら式次第、登壇者のプロフィールやゲストの名簿、スピーチで使われたスライドデータ、当日配られた参考資料まで一緒に渡す。すると、出力の精度が格段に上がり「使える文字起こし」になる。そりゃそうだ。大まかな内容は既にAIが知っている状態。精度が上がるに決まっている。音声ファイル、スライドファイル、写真、式次第などの関連資料を駆使して行うマルチモーダルな文字起こしが、精度向上のカギだったのだ。こうした芸当ができるようになったのも、近年のAIの爆発的な進歩があったからこそだ。
現在、フロンティアモデルと呼ばれる最先端のAIは、人間の「天才」を超えているとすら言われている。奴らは、世の中にあるありとあらゆるデータを学習し尽くし、知識レベルでは人間をはるかに超えているわけだ。しかし、全知全能の神ではない。例えば、世界一の大天才が新入社員として加わったからといって、すぐにプロジェクトリーダーを任せることはできない。まずは研修だ。会社の事業のあらましから、経営方針、細かいルールや現在進行中のプロジェクトの詳細などなど……。ネットには存在しないが、知識として頭に入れなければならないことは山ほどある。つまりその会社の「コンテキスト」を与えて、初めて大天才の能力が発揮されるわけだ。
その情報をAIに渡すべきか否か……。コンテキストの矛盾を解決するエッジAI
しかし、避けて通れないのがセキュリティーとプライバシーの問題。コンテキストをAIにクラウドAIに渡せば渡すほど、精度は高まる。一方で、機密情報までクラウドAIに渡すのは危険だ。機密情報を「学習」して、どこか別のところで吐き出さないという保証はない。この相反する状態を解決するのがエッジAIだ。インターネットに接続せず、手元のコンピューターですべて完結する独立したAIのことだ。無料で使えるモデルを選べば使用料も発生しない。その代わり賢さも、せいぜい秀才止まり。一方、現在一般的に使われている天才レベルのAIはクラウドAI。巨大なデータセンターにその本体があり、莫大な電力と水を消費しながら、人々の要望に応え続けている。もちろん相応の対価も発生する。コンテキストの大半を握る秀才のエッジAIが、必要に応じて天才のクラウドAIと連携することで、AIの機能を最大限引き出すことができる。クラウドかエッジかの二者択一ではなく、クラウドAIとエッジAIのそれぞれの役割を分けることがポイントだ。重要なのは、すべてをエッジで閉じるという発想ではない。手元で持つべき情報と、クラウドに渡して処理させる情報を分ける発想だ。こうした、クラウドとエッジを組み合わせた「ハイブリッドAI」は、まだまだこれから。しかし、着実に広がっていくだろう。
過半を占める月もあり、値は上下しながらも拡大基調だ
すでに4割に迫るAI PCでローカルLLMを走らせる
エッジAIといえば、AI処理をつかさどるNPU(Neural Processing Unit)を備えたCPUを搭載するPCの販売は拡大している。AppleのMチップ搭載のPC、近年注目されているQualcommやIntel、AMDのNPU付きCPUを積むAI PCだ。家電量販店・オンラインショップの実売データを収集する「BCNランキング」の集計では、2026年7月現在でノートPC販売台数の39.2%にも上る。ハードの普及に伴ってNPUの機能を最大限に引き出せるソフトも、徐々に登場し始めている。例えば、Blackmagic Designの動画編集ソフト「DaVinci Resolve Studio」。NPUの機能を最大限に引き出せるソフトの代表格だ。とても重い動画編集の裏で、オブジェクト追跡・分離を行う「Magic Mask」処理などをNPUが担当。負荷を分散させることができる。また、音楽編集ソフトの「Audacity」でもボーカルやドラムの抽出でNPUが大活躍する。
実は私もこの1年ほど、QualcommのSnapdragon X Plusを搭載したノートPCを愛用している。Qualcomm Hexagon NPUを内蔵し、AI性能としては最大で45TOPS。1秒間に45兆回もの演算能力がある。Microsoftが定める「Copilot+ PC」の要件では、40TOPS以上のNPUが求められており、私のPCもこの要件を満たしている。
大規模なクラウドAIとは比べるべくもないが、このマシンでもNPUを駆使して「ローカルLLM」を動かすことは可能だ。AIプラットフォームはMintplex Labsの「AnythingLLM」を使った。AIモデルはMetaの「Llama 3.2 3B」。Copilot+ PC向けに最適化し、AnythingLLM経由で動かせるようにした特別バージョンを使用した。AIの規模を示すパラメーター数は3.21B、つまり32.1億。モデルの容量は2.49GBだ。大規模言語モデル(LLM=Large Language Model)というより「軽量級のスモール言語モデル(SLM=Small Language Model)」といったほうがいいかもしれない。小型モデルなので、なんとかこのPCでも動作するわけだ。AIからの回答出力も、パラパラと文字が出てくるようなスピード感。大昔の「パソコン通信」を彷彿とさせるものがある。
小型モデルのため「温室気象皇子」などの謎の文言も混ざっているが、
おおむね回答としては成立している。NPUはほぼ100%稼働しつつ、CPUはごくわずかしか動いていない
インターネットにつながないスタンドアロン状態で、AIが様々な問いに答える様子は面白い。ある種、感動的ですらある。当然、動作時のNPUは100%近いフル回転状態だ。もともと、QualcommのSnapdragon搭載PCは、バッテリーが「持つ」。CPUがほとんど動作しないアイドル時を含めた優れた電力効率を特長としているからだ。一方AI処理には多くの電力を必要とする……。NPUの出番だ。多くの電力を必要とするAI処理を、省電力設計のAI専用NPUに逃すことで、AIを回しつつも、CPU本来の稼働状態とバッテリーの持ちを維持することができる。これから突入する、クラウド+エッジのハイブリッドAI時代では、常に裏でAIが稼働しユーザーの要望に応えるような利用シーンも十分想定できる。エッジの省電力性能は極めて重要だ。AIを使ったらノートPCが10分しかもたなかった……では話にならない。これからのAI PC選択の最も大きなポイントは、実はこの省電力性能なのかもしれない。
そしてAIは、これまで「分からない」が壁になって前に進めなかったPC初心者にとっても、力強い相棒になる。普通の言葉で問いかければ、PCの複雑な操作やトラブルを、24時間いつでも一緒になって解決してくれるだろう。またAIは、企業にとってもなくてはならない存在になりつつある。これまで社内で延々と蓄積してきた独自の知恵やノウハウを、AIを通じて共有・統合すれば、自社の強みに磨きがかかる。そしてAIは、大規模で複雑なプロジェクトであっても、少ない人数で手がける勇気と力を与えてくれるはずだ。(BCN・道越一郎)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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