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パナソニックの「IoTオーブンレンジ」、スマホファーストでレンジとの付き合い方が変わった

 「オーブンレンジのボタンを押せばいいだけなのに、なんでわざわざスマートフォンのアプリを立ち上げてから操作しなきゃいけないんだろう」――。パナソニックが9月に発売したIoT対応オーブンレンジ「ビストロ NE-UBS5A」を使う機会があり、使う前まではそう思っていたのだが、いざ使ってみるとスマホファーストの使い勝手のよさに納得。これまでの「ボタンを押すだけ」だったオーブンレンジとの付き合い方が変わった。

パナソニックのIoT対応オーブンレンジ「ビストロ NE-UBS5A」

アプリからオーブンレンジを使うと何が変わるのか

 パナソニックのIoT対応オーブンレンジ「ビストロ NE-UBS5A」は、スマートフォン(スマホ)のアプリ「キッチンポケット」から操作することを基本の使い方とする製品だ。その特徴は、操作部のフルドット液晶の表示部とダイヤル/START・SELECTボタン、CANCELボタンの三つだけという究極にシンプルなデザインにも表れている。

 一見すると、通常のオーブンレンジの方が、スマホやアプリがない分、ボタンを押すだけの操作で簡単なように思えるが、スマホファーストで使ってみるとその使いやすさにはまってしまうほどだった。製品の細かい仕様・スペックや接続方法などは他のレビュー記事を参考にしてもらうとして、ここでははまってしまった理由を紹介しながら、NE-UBS5Aの革新性の本質に迫ってみよう。
 
本体にメニュー表示が一切ないシンプルなデザイン

 そもそも考えてみると、ボタンを押すだけでレンジが操れる人は、最初からつくる料理が決められる人だろう。あるいは、記者のようにマグカップのコーヒーを温めるぐらいにしか使わない人。このタイプの人にはレンジの単機能で十分で、オーブン機能なんてもったいない。

 記者のようにつくるメニューが決められないと、レシピアプリやSNSであれこれ探しはじめる。その中でつくってみたいレシピを見つけても、それが4人分だった場合、2人や3人に計算しなおして食材を入れなくてはいけない。よくあるのが、つくる途中で食材の量を間違えて、出来上がったときの味が薄かったり、濃かったりして失敗してしまうケースだ。

 しかし、独自アプリ「キッチンポケット」にあらかじめNE-UBS5Aを登録しておけば、つくりたいメニューを選んで人数をプルダウンで絞り込むと、その人数に合わせた材料の量がアプリで表示される。レシピの下には作り方が画像入りで紹介されているので、それに従って材料を用意する。

 もっとも簡単なレシピは、耐熱ボウルに材料を入れて軽くラップをかぶせて庫内に入れるメニュー。あとはキッチンポケットにある「Bistroに送信」ボタンを押して、本体の受信を確認したらSTARTボタンを押すだけである。
 
スマホアプリの「キッチンポケット」からつくりたいレシピを選ぶ
 
受信完了を確認してSTARTボタンを押す

 送信ボタンを押せば、ちゃんと人数分に応じた最適な調理プログラムがNE-UBS5Aに送られるため、手動のダイヤルでメニューや時間、人数などを調整する必要がない。ここがキッチンポケットを使ってみてもっとも画期的な発見だった。1人、2人、3人、4人のいずれでも、示された食材を用意して送信するだけで、自分がつくったとは思えない仕上がりの料理がつくれてしまうのだ。

自分では絶対につくれなかった料理がつくれるように

 NE-UBS5A用にキッチンポケットに登録されているレシピの数は、まだ必ずしも多いとは言えない。しかし、それでも自分では絶対につくれないであろう料理がNE-UBS5Aだとつくれてしまう。フライパンすら必要ない。さっそく小学生の息子に自慢するためつくってみたところ、どれも「むちゃくちゃおいしい」とよろこんで食べてくれた。
 
耐熱ボウルに食材を入れてアプリで送信するだけで、
絶対に自分ではつくれない「鶏肉のバスク風」がつくれた

 これまでにつくったレシピは「鶏肉のバスク風」「鶏の塩焼き」「鶏のから揚げ」「焼きとり」「ナポリタン」「フォカッチャ」などなど。ぶっちゃけ、鶏の塩焼きはここだけの話、鶏肉を四つに切って、火の通りをよくするためにフォークを刺して塩をすり込み、後述するグリル皿に並べるだけ。それだけなのに、皮がパリパリで肉の中がジューシーな本格料理に仕上がる。
 
「鶏の塩焼き」は超簡単ですごくおいしい

在宅勤務中のランチでも大活躍

 特に、スパゲティはフライパンでもつくれるが、NE-UBS5Aなら耐熱ボウルに材料を順番に入れて、スマホでレシピを送信してSTRATボタンを押すだけ。鍋でパスタをゆでる手間すらいらない。出来上がったら、ボウルの中をまぜて皿に移す。運転中はキッチンにたたずむ必要もなく、他の作業ができる。食後の洗い物も耐熱ボウルと皿、フォークの三つだけなので、在宅勤務のランチメニューにぴったりで、かなりの頻度で使わせていただいた。
 
在宅勤務中のランチメニューでよくつくったスパゲティ。
慣れてくると入れる材料をアレンジすればいろいろ楽しめる

 最後に、パナソニックがオーブンレンジでスマホファーストを採用したもう一つの大きな狙いを紹介しておこう。それが自分の仕様に合わせて、後付けで必要な機能をアップデートできる「マイスペック」という考え方だ。

「フルスペック」から「マイスペック」へ

 これまでの家電製品はいい機能の製品を買おうとすると、「全部入り」のフルスペック製品を買わなければいけない。そのため「結局一度も使わなかった機能がある」という経験のある人も少なくないだろう。

 スマホファーストであるNE-UBS5Aは、最初に角皿(オーブン皿)は同梱しているが、グリル皿(NE-UG1)やスチームポット(NE-US1)は別売アタッチメントとなる。必要なレシピに応じて後からグレードアップできるので、価格がフルスペック製品よりも低く抑えられる。

 マイスペックというコンセプトは、IoT対応「ライス&クッカー SR-UNX101」でも同じ。キッチンポケットで炊飯メニューを選んで送信できるので、例えば「無洗米炊き」の要・不要など個人のニーズに応じた使い方ができる。炊き方は25通りあるが、そのうち3通りの炊飯コースを登録できる。

 また、休日にごはんを炊いて冷凍保存しておいて、平日はSR-UNX101で煮物などを調理するといった使い方も、キッチンポケットから簡単にできる。
 
IoT対応「ライス&クッカー SR-UNX101」も「マイスペック」のコンセプトは同じ

 話をNE-UBS5Aに戻すと、キッチンポケットに次々に新しいレシピが追加されていく様子も、アップデートが実感できて面白かった。さらにキッチンポケット内から「EATPICK」というコミュニティに参加すれば、同じ機種を使うユーザー同士でレシピや仕上がり画像を見ることができ、それを真似しながらつくることもできる。
 
自宅で出来立ての焼き鳥が楽しめるなんてぜいたく

 EATPICKのレシピに「送信」機能はないが、季節ごとの旬なメニューやその家庭ならではのオリジナルメニューが紹介されたりしている。使い方に慣れてきたら手動のオーブンやレンジ機能で調理することにチャレンジしてみてもいいだろう。

 NE-UBS5Aを使ってみて、レンチンだけだった「オーブンレンジ」との付き合い方が変わった。スマホファーストにしたことで、自分では絶対につくれない料理が簡単につくれるようになったり、調理の時短につながったりしたことで、おうち時間も豊かなものにアップデートしたような気がした。(BCN・細田 立圭志)