2014年に発売したASUSのSIMフリースマホ「ZenFone 5」から4年。数度のモデルチェンジを経て、「ZenFone」シリーズがついに始まりの「5」に回帰した。最初の「ZenFone 5」はディスプレイサイズの5インチに由来していたが、今回は次世代機のナンバリングとしての「5」。最大の特徴である“AI”がどのような体験をもたらすのか、5月15日に開催された発表会と体験会をもとにレポートする。

「ZenFone 5」のAIがもたらす新しい体験とは?

画面拡大も「ZenFone 4」と変わらぬサイズ感

 「ZenFone 5」の画面サイズは6.2インチ。数字だけみるとかなり大型化しているが、フロント上部のカメラ部分を切り抜いたノッチデザインを採用することで、画面占有率は90%を達成。5.5インチだった前機種「ZenFone 4」とほとんど変わらないサイズ感だ。

 ちなみに好き嫌いが分かれるノッチは設定の変更で隠すことも可能。ノッチの両側が黒く表示され、狭いベゼルのような見た目に切り替わる。ゲームや動画など、動作するコンテンツの環境に合わせて、自動で最適化することもできるという。
 
ノッチ隠しの工夫も
ノッチ隠しの工夫も

 きょう体は軽量なアルミニウムボディで、背面は「ZenFone」おなじみの同心円のデザインをガラスが覆っている。カラーはシャイニーブラックとスペースシルバーの2色。ブラックは沈み込みすぎず、シルバーは光沢が抑えられており、どちらも落ちついた色味に仕上がっている。
 
「ZenFone 5」の背面。カラーはシャイニーブラックとスペースシルバーの2色

あらゆる動作にAIの貢献 万人にメリットがあるスマホに

 肝心のAIは単独の機能に働くのではなく、スマホのあらゆるパフォーマンスの底上げに貢献する。最も分かりやすいのが「AIカメラ」だ。レンズが捉えたシーンと被写体を16のパターンで識別して、それぞれに最適化した画づくりをしてくれる。

 例えば、お菓子を撮影すると「フード」と認識。試しに昨年秋に発売した「ZenFone Selfie」と比較してみると、「5」はより鮮明に色を表現し、「おいしそう」という印象を引き出しているように感じた。
 
「ZenFone Selfie(左)」と「ZenFone 5(右)」の写真比較

 「ピープル」「グリーン」「テキスト」などのパターンも試したが、どれもレンズを向けてから瞬時にシーンを認識することができた。
 
被写体によって瞬時に最適なパターンを認識

 展示されている実機は初期設定だったので試せなかったが、AIが補正した画像を比較して好みを伝えることで、よりユーザーに最適化される機能も搭載する。また、個人的に便利だと感じたのは「逆光」の自動認識。くっきりと浮き上がらせたい被写体に的を絞る能力が非常に高く、撮影時のポジションを気にすることが減りそうだ。
 
逆光を認識して被写体をくっきりと浮かび上がらせる機能も

 重要なユーザビリティであるバッテリについてもメリットがある。スマホのリチウムイオン電池は100%を超えて充電しているとバッテリに負担をかけるという弱点があるが、これをAIによって解決。時間を設定しておけば、その時間に合わせてバッテリをフル充電するよう調節することで、過充電を防ぎ、バッテリ寿命を伸ばしてくれる。

 このほか、ディスプレイ表示では周囲の環境に合わせた輝度の最適化や視線を認識することによる画面スリープの防止、着信では呼び出し音量の自動調整など、細かい部分まで配慮が行き届いている。
 
操作していなくても人の目線がディスプレイに向いていれば画面がスリープしない

 ここ数年のスマホの高機能化は人によっては宝の持ち腐れになることも多かったが、「ZenFone 5」のAIはさまざまな基本動作に働きかけるので、そのメリットは万人が享受できるものになっている。競合もAIチップを搭載したハイエンドスマホを先行して販売しているが、ASUSの売りは税別5万2800円という価格。ミドルクラスで最先端のテクノロジーに手が届くのは魅力的だ。(BCN・大蔵 大輔)