電気シェーバーで世界No.1のシェアを誇るフィリップスだが、国内市場ではシェアがまだ低い。背景には「往復式」が圧倒する日本特有の市場環境がある。「回転式」を掲げて市場開拓に意欲を燃やすフィリップスのシェーバー事業の戦略を探る。


フィリップスエレクトロニクスジャパンのコンシューマーライフスタイル事業部の
藤井崇雅マーケティングマネージャー

「回転式」のメリットを3つに絞る


 電気シェーバーの国内市場は、年間約500億円と言われている。このうち、8割がパナソニックやブラウンなどが占めている。フィリップスが切り刃を回転さて髭を剃る「回転式」なのに対し、ライバルは切り刃が横に振動する「往復式」という違いがある。世界では、「回転式」が主流なのに対し、日本人は「往復式」に慣れ親しんでいるためだ。 

 だが、フィリップスエレクトロニクスジャパンの藤井崇雅マーケティングマネージャーは、「フィリップスのシェーバーを実際に使ってみて体感した人の85%が『購入したい』と回答している」と、市場攻略の糸口は体感にあると見ている。 
 


フィリップスの回転式シェーバー。左から9000、7000、5000シリーズ

 「往復式」が占めるマーケットに対し、「回転式」のメリットを分かりやすく、繰り返し説明していく必要がある。同社では「トリプルZeroシェーブ」というコンセプトで、メリットを3つに絞って訴求している。 

 まずは密着度の違いだ。回転式は3つのシェーバーヘッドが自在に動くので肌の曲面にフィットする。直線的な往復式シェーバーよりも、肌の密着度が高い。その分、深剃りできるというわけだ。 

 フィリップスでは、凹凸面に対して、「回転式」は押し圧が小さくても接地面積が広いことを実験データを使いながら視覚的にも分かりやすく説明している。 
 


「回転式」は押し圧が小さくても肌への接地面積が広い

 次は、肌への負担の少なさだ。前述の実験データで示された押し圧の小ささは、肌へのストレスが少ないことを意味する。力強く押さなくても髭が剃れるので、肌荒れや出血の心配が少ない。 

 「敏感肌の男性が増えている。7000シリーズはヘッド部のリングを微細な球状からなるガラスビーズで特殊加工して、滑らかな肌当たりを実現した」と、藤井マネージャーは説明する。 
 


敏感肌のユーザー向けの7000シリーズで、ヘッド部のリングをガラスビーズで特殊加工して
肌当たりをよくした「スキンコンフォートリング」

 最後に、密着度が高く、接地面積が広いということは、ワンストロークで剃れる髭が多いということ。つまり、時短につながる。忙しい朝の面倒なシェービングは、できるだけ短時間で仕上げられるに越したことはない。 
 

体感に自信があるから「全額返金保証」キャンペーン


 3つのメリットでより多くの人に「回転式」の良さを知ってもらい、体感してもらうために、フィリップスは家電量販店などの店頭で、思い切ったキャンペーンを実施している。30日間満足保証キャンペーンがそれだ。 

 フィリップスの9000シリーズ、7000シリーズ、5000シリーズを購入した後、3週間試してみても満足できなかったら、全額を返金するという満足保証キャンペーンだ。 

 キャンペーン期間は1月31日までで、満足できなかったら店頭にあるリーフレットに必要事項を記入してレシートを添付して製品と保証書と一緒に送れば全額が返金される。 

 フィリップスの自信の表れともとれる思い切ったキャンペーンで、「往復式」が大半を占める日本ならではの特異な市場を開拓する。
(BCNランキング 細田立圭志)