ソニー、世界最薄の4Kテレビ、省スペース用の5.1chホームシアターも

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2015/09/07 19:06

 ソニーは、4K対応液晶テレビ「4K ブラビア」から世界最薄の約4.9mmの液晶パネルを採用した「X9000C」シリーズを10月24日に発売する。画面サイズのラインアップは65V型と55V型の2機種。価格はオープンで、実勢価格(税抜)は「65X9000C」が55万円前後、「55X9000C」が35万円前後の見込み。


パネルの厚さがわずか約4.9mmの「X9000C」シリーズ

 「X9000C」シリーズは、今年1月にラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES2015」で発表され、すでに欧米市場では販売をスタートしている。性能はベーシックモデル「X8500C」シリーズと同等で、4K高画質プロセッサ「X1」や音質向上技術「DSEE」など、画質と音質を底上げする機能はもちろん、Android OSも搭載している。 

 最大の特徴は、4K対応テレビとして世界最薄の約4.9mmの液晶パネルを採用していること。「4K ブラビア」の魅力である基本性能の高さを備えながら、新たにプロダクトデザインという観点から映像の没入感向上にアプローチした。 

 「X9000C」シリーズは、台座やラックにスタンドで設置する一般的な“据置き”スタイルのほかに、省スペースで大画面を満喫できる“壁かけ”スタイルを提案している。一般的な液晶テレビだと、壁にかけたときに、本体と壁の間に隙間が生じ、それによってできる影が映像への没入を阻害していたが、「X9000C」シリーズは超薄型パネルと特殊な壁かけ金具でその問題を解決。ぴったりと壁に張りつく“壁ピタデザイン”を採用し、一体感のある設置を実現した。 
 


(左)特殊な壁かけ金具(右)壁から約4cmの壁ピタデザイン

 “据置き”スタイルでも、映像の没入感が増すようスタンドを工夫している。本体との間にわずかに隙間を設け、画面部分が浮き上がっているように見えるデザインに仕上げた。 
 


(左)正面から見た「C9000」シリーズ(右)スタンドと画面の間にわずかな隙間を設けた

 チューナーは地上デジタル×2、BS・110度CSデジタル×2、スカパープレミアムサービス(4K)×1。「モーションフローXR240」を搭載し、1秒間に240コマ相当(4倍速相当)の倍速駆動に対応する。四つのスピーカーを搭載し、実用最大出力は30W。 

 ホームシアターシステムの新製品は、省スペースで5.1chサラウンドを楽しめる「HT-RT5」。一般的な5.1chシステムだと、スピーカーとサブウーファーが合わせて7機器程度必要なのに対し、「HT-RT5」はバースピーカー/サブウーファー/リアスピーカー×2という少ない構成で広がりのある音を実現する。それぞれの電源を確保すれば、すべてがワイヤレスでつながるため、コードの煩わしさを大幅に解消することができる。 
 


5.1chホームシアターシステム「HT-RT5」

 ソニーはこれまで本格的なサラウンド環境を構築できるマルチスピーカータイプや、設置が手軽なバータイプ、台座タイプのスピーカーをラインアップしてきた。「HT-RT5」は“本格的なサラウンド”と“手軽さ”を両立。潜在的なニーズの掘り起こしを狙う新しいポジションに位置づけている。 

 自宅でサラウンド環境を構築するときにハードルになるのは、スピーカーの設置位置。所定の場所に置けず、理想の音場を実現できないということがあったが、「HT-RT5」は実際の設置状況を捉え、理想的な状態に仮想的に再配置する「スピーカーリロケーション」を採用している。自動音場補正機能「D.C.A.C.DX」(Digital Cinema Auto Calibration Deluxe)で、間取りや家具など障害物を認識し、柔軟にサラウンド効果の高い視聴環境を実現する。 
 


(左)各スピーカーから音が広がるイメージ(右)自動音場補正機能「D.C.A.C.DX」の実行画面

 ホームシアターで音楽をより楽しむために、複数の対応機器を連動する「SongPal Link」を機能に追加した。例えば、リビングに設置した「HT-RT5」とほかの部屋にあるスピーカーを同期してPCやスマートフォンの音楽を再生することができる。独自の高音質コーデックLDACやワンタッチ接続のNFCにも対応し、ワイヤレスでの音楽視聴にも最適だ。 
 


NFCによるワンタッチ接続に対応

 「サッカーモード」や「デジタルミュージックアリーナモード」など、コンテンツに最適なサウンドモードに自動で切り替える「ClearAudio+」には、5.1chスピーカーに、背後の音を表現するサラウンドバックと高さ方向の表現を追加するフロントハイの4chを仮想的に追加する「シネマスタジオ9.1chモード」を追加。5.1chより贅沢な音響環境を構築することも可能だ。 

 4Kパススルー伝送だけでなく、最新の著作権保護規格HDCP2.2に対応。著作権保護された4Kプレミアムコンテンツも、本体をチューナーやテレビとケーブル1本で接続するだけで視聴できる。実用最大出力はフロントが70W+70W、センターが70W、サラウンドが50W+50W、サブウーファーが140Wの計450W。価格はオープンで、実勢価格(税抜)は8万円前後の見込み。10月17日に発売する。