名刺管理ソフト「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」がデスクの片付けに大活躍

レビュー

2013/12/19 19:23

 新年を迎えるにあたって、オフィスのデスクを今年のうちにきれいにしたい。そのとき、一番整理が大変なのが名刺だろう。年間数百枚もいただく名刺を、後で探しやすくしておくことを考えながら名刺フォルダなどに入れるのは大変。そんな名刺の山を簡単に管理できるのが、名刺管理ソフトだ。

「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」

「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」で名刺を一括管理

 いただいた名刺は後で探しやすいよう、社名や氏名順にまとめておきたい。しかし、名刺は日々増えていくので、管理するのが大変だ。フォルダに一度入れても、ページが足りなくなって、また取り出して再整理……などということも珍しくない。そうして苦労して分類した名刺も、探すとなると意外と手間取るものだ。そこで活躍するのが、名刺管理ソフト。

 メディアドライブの「やさしく名刺ファイリング」シリーズは、名刺管理ソフトの定番ソフト。1995年10月に発売したロングセラータイトルで、大手メーカーの競合製品が販売を終了するなかでも開発を続け、毎年より使いやすいようバージョンアップを重ねてきた。メディアドライブは、家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」の名刺管理ソフトのジャンルで、2012年10月から販売本数シェア50%以上を獲得し、1位をキープし続けている。

 年の瀬の「名刺棚卸し」を兼ねて、11月に発売されたばかりの「やさしく名刺ファイリング」シリーズの最新版「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」の実力を試した。
 

ポイントは文字認識率



 「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」は、スキャナや複合機のスキャナ機能などから名刺画像を取り込み、名刺に記載された社名、氏名、住所などを文字認識(OCR)してテキストデータ化し、検索しやすいように管理する。スキャナが付属したパッケージもあって、購入したその日から名刺の取込みや管理ができる。
 

付属のスキャナで名刺を読み込める

付属のスキャナで名刺を読み込める

 名利管理ソフトの機能で最も重要なのが、OCR(光学式文字認識)の精度だ。名刺に記載されている文字をテキストデータ化するので、この精度が低いと正しく文字が認識されず、間違って登録されてしまうこともある。そうなると、検索もできなくなる。もちろん、OCR後に手動でチェック・修正はできるが、何百枚もある名刺を一枚ずつ確認していくのは骨が折れる作業だ。

 活字/手書き対応のOCRソフトを販売するメディアドライブの「やさしく名刺ファイリング」シリーズは、OCRの精度の高さには定評がある。最新版はOCR精度をさらに高めた日本語認識エンジンを搭載。社名や氏名などの検出方法を改善し、各フィールドへの振分け精度をアップし、名刺デザインによって社名や氏名の配置が異なる場合でも、正しい項目に自動で振り分ける。また、斜体文字の認識精度を高め、デザイン名刺も問題なく読み取ることができる。

 それでは斜体文字の認識精度はどのくらい変わったのだろうか。斜体文字の名刺を作成し、前バージョンの「やさしく名刺ファイリング PRO v.12.0」と新バージョンの「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」で比べた。「v.12.0」では英字や漢字で多少エラーが出た。一方「v.13.0」では修正の必要がまったくないほどしっかり認識できた。
 

左が「やさしく名刺ファイリング PRO v.12.0」の認識結果、右が「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」の認識結果

左が「やさしく名刺ファイリング PRO v.12.0」の認識結果、右が「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」の認識結果
 

名刺のデータベースを活用し、効率よいビジネスへ



 もちろん、名刺管理ソフトは名刺を取り込んで終わりではない。いただいた名刺を活用するのにも「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」が活躍する。例えば、大量の名刺の束から1枚の名刺を探し出すのは大変だが、名刺ソフトで管理していれば、社名や氏名からソートをかけて手早く検索できる。また「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」は更新日順に並び替えることができるので、最近会った人にお礼のメールを送るなどの営業活動に役に立つだろう。

 名刺のデータベースは、「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」をインストールしたPCのローカルディスクだけではなく、ファイルサーバーやNASに保存することができる。データベースは、ソフトをインストールしたPCであれば閲覧・編集ができるので、チームでデータベースを共有する場合や、担当変更に伴いデータを引き渡すときなどに便利だ。

 外出が多い営業スタッフにおすすめしたいのが、スマートフォン/タブレットの連携機能だ。専用アプリとして、スマートフォンには「やさしく名刺ファイリング Mobile LE」を、iPadには「やさしく名刺ファイリング HD LE」をインストールして、PCに保存してあるデータベースをWi-Fi経由で同期して持ち出すことができる。 
 

3種類のスマートデバイスで活用できる

3種類のスマートデバイスで活用できる

 転送する前に、スマートフォンに転送したい名刺データ(レコード)を、データベースの「WiFi同期」フォルダにコピー/移動しておく。スマートフォンに転送されるのは、フォルダ内のデータだけ。すべての名刺データをスマートフォンに転送すると、スマートフォンの容量がいっぱいになってしまうので、これを防ぐのだ。

 上部タグの「スマートフォン」ボタンから「同期対象スマートフォン」を設定し、IPアドレスを入力してスマートフォンと同期する。IPアドレスは、スマートフォン用アプリ「やさしく名刺ファイリング Mobile LE」の「設定/機能」で確認することができる。

 また、有料のビューアアプリ「やさしく名刺ファイリング HD」には、複数の名刺データの住所位値を地図に表示することもできる。初めて顧客先を訪問するなど、訪問ルートを確認したいときに活用したい。 
 

住所位値にピンを立て、訪問ルートをチェック

住所位値にピンを立て、訪問ルートをチェック
 

名刺のデータベースを年賀状作成に活用しよう



 もう一つ、年末に便利な機能を紹介しよう。それが、ハガキソフトとの連携だ。年間を通してお世話になったお得意先に年賀状を送るとき、これまでは名刺管理ソフトのデータベースを一度Excelなどに書き出し、それをハガキソフトに取り込んでいた。

 「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」は、定番のハガキソフト「筆まめ」との連携機能を備え、名刺のデータベースを「筆まめ住所録ファイル」へ直接書き出すことができる。タグから「筆まめ」を選択し、書き出す名刺データ(レコード)にチェックを入れる。これで保存する出力先(住所録)を選べば、簡単に出力ができる。年賀状をつくるには、「筆まめ」を起動して、住所録から名刺のデータを呼び出すだけだ。 
 

名刺のデータベースを「筆まめ」に転送

名刺のデータベースを「筆まめ」に転送

 年賀状を送った後も、「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」役に立つ。ハガキ認識エンジンで、市販の筆ソフトなどで使われる毛筆フォントを認識するから、届いた年賀状の差出人情報も管理できるのだ。
 

ドキュメントスキャナを使って大量の名刺を短時間で処理



 営業グループなどチームで大量の名刺を管理するならドキュメントスキャナと組み合わせるといい。PFUの「ScanSnap iX500」、ブラザーの「ADS-2500W」、キヤノンの「DR-C125」と連携するので大量の名刺をまとめてスキャンしたいときにスキャン時間を短縮でき、便利だ。 
 

営業グループでの活用にはドキュメントスキャナがオススメ

営業グループでの活用にはドキュメントスキャナがオススメ

 大量の名刺を整理できるだけではなく、営業の次のアプローチにも活用できる「やさしく名刺ファイリング PRO v.13.0」。ぜひ使いこなして、仕事の効率を高めてほしい。(BCN・山下彰子)


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