パーソナルメディア、漢字の活字字体の典拠「康煕字典」の初版「内府本」をiPadで

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2011/07/08 15:34

 パーソナルメディアは、漢字の活字字体の典拠とされている中国の漢字字典「康煕字典(こうきじてん)」の初版「内府本」を、iPad用の電子書籍として、アップルの運営する「App Store」で7月7日に発売した。価格は4800円。

iPad版「康煕字典 内府本」

 「康煕字典」は、中国で作られた漢字の字典で、康煕55年(1726年)に完成した。清朝内務府が発行したこの初版本は「内府本」と呼ばれるが、日本には数冊しか存在せず、文字や古文書の研究者でも原本を見ることは困難だという。また、書籍の「康煕字典」は現在は国内では出版されておらず、中国関連の専門書店や古書店などでしか入手できなかった。

 パーソナルメディアは、東京大学東洋文化研究所が所蔵する「内府本」の一つ「御製康煕字典」を、オリジナルの装丁のまま、クリアな画像イメージで再現。比較的低価格で手軽に利用できる電子書籍として商品化した。

 同社は、2010年12月にシリーズ第一弾として、江戸時代に日本で翻刻された「康煕字典 安永本(あんえいぼん)」を電子書籍で発売している。

 第二弾となる「康煕字典 内府本」は、「内府本」全ページを収録するとともに、「目次・部首一覧」から各巻の該当ページに直接ジャンプするリンク機能を備える。また、「康煕字典」の全収録文字をPC用のフォントとして書き起こした「収録文字一覧」が付属する。

 「内府本」では、皇帝の名前と同じ漢字を書くのをはばかって字の一部が欠けた文字を用いる「欠画」など、「安永本」との差異も確認することができる。

・「康煕字典 内府本」をダウンロード