2011年3月の携帯電話ランキング、3か月ぶりトップ交代、「Xperia arc」が1位に

特集

2011/04/13 21:12

 3か月ぶりにトップが入れ替わり、1位から8位までスマートフォンが並んだ2011年3月の携帯電話ランキング。前評判の高かった3月15日発売の「MEDIAS」と3月24日発売の「Xperia arc」、同じドコモのAndroid搭載スマートフォン同士の対決の結果は、「Xperia arc」の圧勝。「GALAXY S」の連続1位記録にストップをかけ、1位に輝いた。

上位はスマートフォンが独占 入れ替わりでトップ10圏外に消えた機種も



 量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、SIMフリー端末を含む携帯電話全体の3月の販売台数1位は、NTTドコモのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia arc SO-01C」だった。トップ交代は、昨年11月以来、3か月ぶり。

2011年3月 携帯電話
販売台数ランキング<全キャリア合算>
順位 キャリア メーカー 品名 型番 販売台数
シェア(%)
発売年月
1 NTTドコモ ソニー・エリクソン
・モバイルコミュニケーションズ
Xperia arc SO-01C 8.3 2011/03
2 SoftBank アップル iPhone 4 16GB iPhone 4 16GB 5.8 2010/06
3 NTTドコモ NECカシオモバイルコミュニケーションズ MEDIAS N-04C 5.7 2011/03
4 SoftBank アップル iPhone 4 32GB iPhone 4 32GB 4.5 2010/06
5 NTTドコモ SAMSUNG(サムスン電子) GALAXY S SC-02B 4.1 2010/10
6 au シャープ IS05 IS05 3.7 2011/03
7 NTTドコモ 富士通東芝モバイル
コミュニケーションズ
REGZA Phone T-01C T-01C 3.6 2010/12
8 au 富士通東芝モバイル
コミュニケーションズ
REGZA Phone IS04 IS04 2.8 2011/02
9 au 京セラ 簡単ケータイ K005 K005 2.2 2010/06
10 au ソニー・エリクソン
・モバイルコミュニケーションズ
URBANO MOND SOY04 2.2 2010/10
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2011年3月 月次<最大パネル>

 1位から8位まで、すべてスマートフォンが並び、従来型の携帯電話のトップは、auの「簡単ケータイ K005」だった。2位は前月4位だった「iPhone 4」の16GBモデルで、3位には、初のNECカシオモバイルコミュニケーションズ製スマートフォン「MEDIAS N-04C」が入った。一方、昨年12月から3か月連続1位だった「GALAXY S SC-02B」は5位、前月2位だった「REGZA Phone T-01C」は7位へと大きくダウン。「LYNX 3D」「IS03」は、ついにトップ10圏外に消えた。

 「Xperia arc SO-01C」は、2010年4月に発売のAndroid搭載スマートフォン「Xperia SO-01B」の後継機。今年1月に米ラスベガスでソニー・エリクソンが発表し、日本では引き続きNTTドコモから発売されている。OSは、最新のAndroid 2.3を搭載し、画面サイズは「Xperia」の4.0から4.2インチに大型化。デザイン面では、新たにスリムでエレガントなアークフォルムを採用し、より洗練された印象だ。

Xperia arc SO-01C
(左からメインカラーのSakura Pink、Midnight Blue、Misty Silver)

 ただ、メモリ容量別にカウントしている「iPhone 4」の16GBモデルと32GBモデルの販売台数を合算すると、「Xperia arc」の8.3%に対し、「iPhone 4」は10.3%となり、実質的には「iPhone 4」「Xperia arc」「MEDIAS」の順だった。

iPhone 4、MEDIAS N-04C(左からMEDIAS Black、MEDIAS White)

 それでも、「Xperia arc」が発売直後に爆発的に売れたのは事実。携帯電話全体と、「MEDIAS」「Xperia arc」「iPhone 4 16GBモデル+32GBモデル」の3月14日から4月10日までの毎日の販売台数の変化を追うと、「MEDIAS」「Xperia arc」はともに発売日が最も販売台数が多く、その後は携帯電話全体と同じように、土日・祝日になると上昇し、平日になると下がるというパターンで推移している。「iPhone 4」もほぼ同じ傾向だが、駆け込み需要があったのか、年度末の3月31日は、その前後の平日より多かった。


 「MEDIAS」「Xperia arc」について、それぞれの発売日に限ってシェアを集計すると、「MEDIAS」は32.4%、「Xperia arc」は57.0%を占めた。携帯電話全体の販売台数も跳ね上っており、新製品の発売が市場に与える影響の大きさがうかがえる。

 続けて、主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイル(SoftBank)それぞれの2011年3月の月間トップ10を紹介しよう。

2011年3月 携帯電話
キャリア別 販売台数ランキング<NTTドコモ>
順位 メーカー 品名 型番 ディスプレイサイズ(インチ) メインカメラの有効画素数(万画素) 発売年月
1 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ Xperia arc SO-01C 4.2 810 2011/03
2 NECカシオモバイルコミュニケーションズ MEDIAS N-04C 4.0 510 2011/03
3 SAMSUNG GALAXY S SC-02B 4.0 500 2010/10
4 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ REGZA Phone T-01C T-01C 4.0 1220 2010/12
5 パナソニック モバイルコミュニケーションズ P-07B P-07B 2.9 510 2010/09
6 シャープ LYNX 3D SH-03C 3.8 960 2010/12
7 富士通 F-01C F-01C 3.4 1320 2010/11
8 富士通 らくらくホン ベーシックII F-07A 2.4 200 2009/04
9 富士通 らくらくホン7 F-09B 3.0 810 2010/07
10 富士通 F-05C F-05C 3.0 510 2011/02


2011年3月 携帯電話
キャリア別 販売台数ランキング<au>
順位 メーカー 品名 型番 ディスプレイサイズ(インチ) メインカメラの有効画素数(万画素) 発売年月
1 シャープ IS05 IS05 3.4 805 2011/03
2 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ REGZA Phone IS04 IS04 4.0 1220 2011/02
3 京セラ 簡単ケータイ K005 K005 3.0 331 2010/06
4 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ URBANO MOND SOY04 3.2 812 2010/10
5 シャープ IS03 IS03 3.5 957 2010/11
6 シャープ SH009 SH009 3.2 800 2010/10
7 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ T005 T005 3.0 808 2010/10
8 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ BRAVIA Phone S005 S005 3.2 808 2010/10
9 シャープ SH011 SH011 3.2 957 2011/01
10 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ Cyber-shotケータイ S006 S006 3.3 1620 2011/01


2011年3月 携帯電話
キャリア別 販売台数ランキング<SoftBank>
順位 メーカー 品名 型番 ディスプレイサイズ(インチ) メインカメラの有効画素数(万画素) 発売年月
1 アップル iPhone 4 16GB iPhone 4 16GB 3.5 500 2010/06
2 アップル iPhone 4 32GB iPhone 4 32GB 3.5 500 2010/06
3 シャープ PANTONE 3 001SH 2.9 320 2010/11
4 パナソニック モバイルコミュニケーションズ COLOR LIFE 2 002P 2.9 320 2011/02
5 HTC HTC Desire HD 001HT 4.3 800 2010/11
6 シャープ GALAPAGOS 003SH 3.8 960 2010/12
7 シャープ GALAPAGOS 005SH 005SH 3.8 800 2011/02
8 シャープ mirumo2 944SH 3.2 800 2010/06
9 パナソニック モバイルコミュニケーションズ COLOR LIFE 840P 840P 3.2 810 2009/12
9 シャープ THE PREMIUM7 WATERPROOF 004SH 3.4 960 2011/01
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2011年3月 月次<最大パネル>

 NTTドコモとソフトバンクモバイルは、トップ10には従来型の携帯電話とスマートフォンが5機種ずつ入っている。ドコモの従来型の携帯電話は、5位の「P-07B」以外、すべて富士通製。「らくらくホン」シリーズに加え、昨年11月発売の「F-01C」が7位に、2月発売の「クルクルキー」を搭載した「F-05C」が10位に入っている。auは、1位・2位こそスマートフォンだが、今年1月発売の「Cyber-shotケータイ S006」など、従来型の携帯電話が7機種と、多くを占めた。

 3月の携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は47.1%。前月から2.8ポイント増えたものの、50%超えには至らなかった。週次集計では、「Xperia arc」が発売になった3月第3週(2011年3月21日-27日)に52.9%を記録し、初めて5割を突破。翌3月第4週(3月28日-4月3日)も5割を超えたが、4月第1週(4月4日-4月10日)には43.8%と、もとの水準に戻っている。


 こうした動きをみる限り、スマートフォンの人気は、端末の人気に大きく依存するといえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。