「見たら消す」という人にぴったりの録画対応テレビ。「BCNランキング」によれば、2010年9月以降、薄型テレビの販売台数のうち約3割前後が録画対応テレビになっている。このうち、外付けHDDを接続して録画するタイプは45%前後で、録画テレビのなかでも最も人気が高い。現在、外付けHDDは大幅に価格が下がっているので、高価なブルーレイディスク(BD)レコーダーに比べると手軽に地上デジタル放送を録画できる。その実力を検証しよう。

2TBの「TS2TSJ35T」をレグザ「32RE1」に接続、簡単操作で大量録画



 録画対応テレビに接続する外付けHDDは、テレビメーカー純正の製品やPC周辺メーカーが動作保証している製品であれば使用できる。しかし、実際のところPC用の外付けHDDであれば、どのメーカーの製品でも基本的に動作することが多い。そこで、今回は、PC以外での動作保証はしていないが、ファンレスで動作音がほとんどしないほか、省エネ性能を備え、コストパフォーマンスが高いトランセンドジャパンの「StoreJet 35T」シリーズのUSB2.0接続大容量2.0TBの「TS2TSJ35T」と、東芝の液晶テレビREGZA(レグザ)32V型「32RE1」を組み合わせて、テレビ番組の録画を試した。

トランセンドジャパンの外付けHDD「StoreJet 35T」シリーズ「TS2TSJ35T」。
スタンド不要の直立デザインで、すっきり設置できる

 東芝のレグザ「32RE1」は、USB2.0接続の外付けHDD端子を備え、外付けHDDに録画ができるモデル。地上デジタル放送の番組は、ハイビジョンのまま録画できる。録画時間の目安は、転送レートが17Mbps前後のTSモードで2TBのHDDに録画した場合、約251時間となる。

東芝のレグザ32V型「32RE1」

 HDDを初めてテレビに接続するときには、初期化と登録作業が必要だ。なお、地デジのコンテンツ保護のため、外付けHDDに録画した番組は暗号化されるので、録画番組が入ったHDDをPCや他のテレビにつないでも再生できない。再生できるのは、登録したテレビだけとなる。

USBケーブルで「TS2TSJ35T」とレグザ「32RE1」を接続。自動的に認識して初期化の確認が表示される

 外付けHDD「TS2TSJ35T」をつなぐと、すぐに「新しいUSBハードディスクを検出しました」と表示された。画面の指示に従い、初期化と登録を行っただけで作業は終了。録画ができるようになった。

登録名が表示される。そのままでいいなら「いいえ」、変更する場合は「はい」を選択

録画機器をHDDに変更する

「録画先」がUSB接続のHDDになっていることがわかる

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 予約録画した時間が近づくと画面にメッセージが表示され、時間になると録画が始まる。セットアップから運用まで、ほとんど手間がかからず、デジタル機器が苦手な人でも迷わず利用できるだろう。テレビリモコンだけで操作できるのも簡単でいい。

気になる番組はどんどん録画

 「TS2TSJ35T」は冷却ファンを搭載していないので、動作音がほとんどしない。テレビ視聴の邪魔にならないのはうれしいところだ。また、アイドル状態が10分間続くと、自動的にスリープモードに切り替わるので、電気代を節約できるだけでなく、HDDの寿命も延ばすことができる。

 今回は「TS2TSJ35T」をテレビにつないで録画機能を試したが、通常の使い方としてPCに接続して利用するときには、TurboHDD USBモードによる高速データ転送やフォルダ暗号化機能を利用できる。なお、テレビに接続してフォーマットした「TS2TSJ35T」は、PCでは認識しないので注意が必要だ。

東芝「dynabook T551/58B」にUSB3.0対応の「TS2TSJ35T3」を接続



 「StoreJet 35T」シリーズには、最新の高速転送のUSB規格であるUSB3.0に対応しているモデル「StoreJet 35T3」もあるので、紹介しておこう。USB2.0の最大データ転送速度が480Mbpsなのに対し、USB3.0は5Gbpsと10倍以上も高速。USB3.0対応の外付けHDDとPCを接続すれば、内蔵HDDと同等以上の速度でデータをやりとりできるようになる。

USB3.0対応の「StoreJet 35T3」シリーズ

 今回は、USB3.0ポート搭載の東芝の15.6型ノートPC「dynabook T551/58B」に接続した。CPUにはCore i7-2630QM(2GHz)を採用し、負荷がかかる作業や、複数のアプリケーションを同時に起動する際の処理能力が向上するハイスタンダードモデルだ。750GBのHDD、BDドライブ、約30万画素のウェブカメラなどを備えている。

USB3.0ケーブルで東芝「dynabook T551/58B」と「TS2TSJ35T3」を接続
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 外付けHDD「TS2TSJ35T3」はあらかじめフォーマットされているので、すぐに使い始めることができる。ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0」(ひよひよ氏作、http://crystalmark.info/)で計測してみると、USB2.0接続の連続読込みが31.3MB/秒、連続書き込みが25.57MB/秒、USB3.0接続の連続読み込みが110.7MB/秒、連続書き込みが109.3MB/秒と、3-4倍も違いが出た。1MB/秒は8Mbpsなので、最大885.6Mbpsものデータ転送速度を実現している。1GBのデータでも10秒ほどで転送できるのは頼もしい限り。大容量データのバックアップ先に最適だ。

USB2.0端子につないだときの速度

USB3.0端子につないだときの速度

 「TS2TSJ35T3」には、データ管理ソフト「StoreJet elite」が付属している。メインで使っているPCと同じメールやお気に入り、ログオン情報などを、他のPCでも利用できるソフトで、マイドキュメントをはじめとするファイルやフォルダを同期するなど、簡単操作でPCのデータがバックアップできる。一度設定を行ってしまえば、あとは本体のボタンを押すだけで同期が始まる。「StoreJet elite」の対応OSは、Windows 7のほか、XP/Vistaもサポートしているので、古いPCでも利用できて便利だ。

データ管理ソフト「StoreJet elite」

HDD本体の「One Touch Sync」ボタンを押すと同期が始まる

 USB3.0対応の「TS2TSJ35T3」は、USB2.0対応の「TS2TSJ35T」と同じくファンレスなので、動作音が静か。気になる実売価格は1万5900円と、USB2.0対応モデルに比べるとやや高いものの、USB3.0対応のライバル製品に比べると、3000円前後安い価格だ。最新のPCにはUSB3.0端子を備えたモデルが増えてきている状況なので、これから外付けHDDを購入するなら、有力候補となるだろう。(ITライター・柳谷智宣)


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