PCパーツで知られる米Antecがスピーカーシステム「soundscience rockus 3D/2.1(rockus)」を開発し、日本での販売に踏み切った。代理店のリンクスインターナショナルを通じて、12月末までには店頭に並ぶ予定だ。“疑似”とはいえ、スピーカーシステムはAntecにとって未知の世界。どのような展開になるのかが気になるところだ。Antecでシニアバイスプレジデントを務めるスコット・リチャード氏に、日本での販売戦略などを聞いた。

 Antecは、現在PCケースでは国内トップシェアで、PC電源やPCクーラーなど、PCパーツの世界でその名を馳せるメーカーだ。そのAntecがサラウンドシステムを投入した理由を、リチャード氏は「高性能PCの価値を、さらに高めていくため」と説明する。音楽・映画鑑賞、ゲームなどをPCの迫力ある音で楽しんでもらい、それをきっかけにPCケースなどPCパーツの購入につなげていくというのが基本戦略だ。

 「rockus」は、スピーカーとウーファーからなる2.1スピーカーシステムで、独自の3Dテクノロジー「3Dsst」によって、疑似的に3Dサウンドを表現する。PCやDVD/BDプレーヤー、携帯オーディオ、ゲーム機などと接続できる。サイズは、スピーカーが幅119×高さ145×奥行き160mm、ウーファーが幅196×高さ350×奥行き269mmと小型。リモートコントロールで、簡単な音量調整、モードの切替えなども可能だ。

Antecが初投入した「soundscience rockus 3D/2.1」

 振動と歪みを抑えてクリアな音を追求。コンテンツに適した音を再生する2種類のモードを搭載し、「3Dモード」では映画やゲームでの爆発音のインパクト、スポーツゲームの臨場感などをリアルに再現。「ミュージックモード」では、深いサブベース、広がりと切れのあるミッド、すっきりとした明るいハイサウンドを奏でる。

 米国では、11月からオンラインショップや家電量販店などで販売。リチャード氏は、「とくにネットで高い評価を得ており、購入が相次いでいる」と手応えを語る。日本でも、家電量販店やオンラインなどで販売する。「日本での販売を決めたのは、省スペースで場所を取らないことと、音にこだわる人が多いから。」という。

日本での売れ行きに自信をみせるスコット・リチャード氏

 米国では250ドル(約2万1000円)で売られており、「日本でも、同程度の価格で販売する」という。スピーカーシステムで知られるBOSEの製品と比べると、1万円以上安い。「競合と十分に勝負できる。しかも、ネットゲームを楽しんでいるボリュームゾーンの18~25歳の若者が購入する可能性が高く、新しいユーザー層を開拓できる」と、リチャード氏は自信をみせている。

 デジタル機器を取り巻く環境は、地上デジタル放送対応と家電エコポイント改正の相乗効果で、11月に薄型テレビの需要が急増した。しかし、改正後の12月は激減。地デジ対応では、パーソナル機器として地デジ搭載PCが「ポストエコポイント」商材として注目を集めている。PCで映像や音楽を楽しむとき、音質を重視する人も多く、付加価値のあるスピーカーを購入するケースが出てきている。(BCN・佐相彰彦)