ドコモ山田社長「iモード機も充実図る」、端末・サービス・通信の“かけ算”で攻勢

サービス

2010/11/09 14:29

 NTTドコモは、11月8日、2010年冬/2011年春モデルの新製品発表会を開催し、スマートフォン4機種、携帯電話19機種、そのほか通信端末5機種を発表した。山田隆持社長は、スマートフォンを拡充しながらも、iモードに対応する携帯電話に継続して注力する姿勢を強調。新製品を通信端末の「ネクストステージ」と位置付け、端末と独自サービス、さらに新しい通信規格「Xi(クロッシィ)」の三つをかけあわせながら、攻勢をかける。

 発表会の冒頭、山田社長は「発売済みのスマートフォン『GALAXY』は、おかげさまで大変好評を博している。本日発表する4機種を加えた計7機種のスマートフォンで、ドコモはユーザーの幅広いニーズに応え、すぐれた使い方を提案していく」とスマートフォンに注力する方針を語った。さらに、今回発表する2010年冬/2011年春モデルを「ネクストステージ」と位置付けた。

NTTドコモの山田隆持社長

 スマートフォンの製品戦略について、山田社長は「ドコモはキャリアとして、ドコモならではのサービスを端末に搭載していきたい。Android端末は最適だ」とした。さらに、「今後、iモードのコンテンツをスマートフォンに移行する機能を考えていきたい」と、独自サービスの強みを生かしていくと強調した。

 一方で、iモードを使うことができる携帯電話について、「現在、市場には約5000万台が出回っている。こちらもブラッシュアップしてきたい。スマートフォンには力を入れるが、iモード機もしっかり提供していく。まだユーザーに使っていただける環境はある」として、継続して既存の携帯電話に力を注ぐ姿勢を示した。さらに、「端末、コンテンツを含むサービス、ネットワークの三つの掛算」がドコモの強みであると述べた。

 続いて丸山誠治プロダクト部長が、携帯電話の製品戦略として「選べるデザイン」「選べるカメラ」「iコンシェルの進化」「使いやすさの向上」の4点を提示した。

NTTドコモの丸山誠治プロダクト部長

 「選べるデザイン」とは、「一人ひとりにシンクロするデザイン」(丸山部長)を目指したもの。一例として、SHIBUYA109のブランドと協力して製品化した「F-04C」を紹介した。ターゲットは女子中学生・高校生で、デザインの異なる3つのブランドバリエーションを揃えた。今回、コラボレーションは5機種7ブランドに上っている。

 「選べるカメラ」では、「これまでの画素数競争は終息に向かっている」と説明し、ユーザーが求める個々のカメラ機能に応じて機種が選べるようラインアップを揃えた。例えば、130万画素のインカメラを備えた「F-04C」は、キレイな自分撮りができ、また沈胴式光学3倍ズームレンズを搭載した「L-03C」は、コンパクトデジタルカメラのような本格的な撮影が楽しめる。

 「iコンシェルの進化」では、メモを作成するとそれに関連する情報やスケジュールを知らせるサービスを追加した。「使いやすさの向上」では、声でさまざまな機能を呼び出すことができる「音声クイック起動」や、端末を一定の時間操作しないと自動的にロックがかかる「自動キーロック」などを紹介した。

米エバーノートのフィル・リービンCEO

 さらに、新しい通信規格LTEを利用したサービス「Xi(クロッシィ)」を12月24日から提供すると発表。「Xi」はFOMAの通信速度の10倍、受信時最大75Mbpsの高速通信を実現する。「端末に加えて、通信もネクストステージに入る」と山田社長は自信をみせた。

 また、メモした情報を整理できるクラウドサービス「Evernote」を提供する米エバーノートと提携することを明らかにした。エバーノートは、ドコモのAndroid端末に「Evernote Android版2.0」を提供する。エバーノートのフィル・リービンCEOは、「ドコモはEvernoteが目指すことが実現できる最高のパートナーだ」と喜び語った。山田社長は「スマートフォンに新しいサービスを追加し、ユーザーにワクワク感を提供していく」と述べた。

(左から)渡辺謙さん、山田社長、堀北真希さん、ダース・ベイダー

 会場にはゲストとして、CMでおなじみの渡辺謙さんと堀北真希さん、ダース・ベイダーが登場。渡辺さんはスマートフォン「REGZA Phone T-01C」について、「ワンセグでときどきゴルフを見るので、大画面で見やすいのがいいですね。防水だから、手が濡れていても使えるので便利です」と実用性を語った。

 また、堀北さんは「F-02C」のエレガントピンクを手に、「パネルの下にある『フィーリングピース』を交換して、好みのデザインに変更できるんですよ」と女性らしいひと言。今回発表した新しいスマートフォンについては「興味があるので、機種変更を考えています」と笑顔をみせた。

 裸眼で3D映像を見ることができる「LYNX 3D SH-03C」を持つのは山田社長。映画「スターウォーズ」が3Dで見られる日が来るかもしれない、と司会者がダース・ベーダーに投げかけると、「シューッ」と返事。それを渡辺さんが「来る」と間髪入れず通訳し、会場は和やかな笑いに包まれた。