【CEATEC JAPAN 2010】近接伝送TransferJet、SDカードで普及にテコ入れ

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2010/10/08 18:46

 国内最大の電機/ITの総合見本市「CEATEC JAPAN 2010」。高速無線転送技術「TransferJet(トランスファージェット)」の普及を推進する業界団体TransferJetコンソーシアムのブースでは、ソニーコンパクトデジタルカメラなど、対応製品でのデモンストレーションで、テレビやPC、プリンタにすばやく、簡単に写真を転送できるメリットをアピールしている。

 「TransferJet」は、対応端末同士の距離数cmで写真や動画などのコンテンツを伝送する近接無線転送技術。ブースでは、TransferJetに対応するコンパクトデジタルカメラからPCやテレビ、プリンタ、デジタルフォトフレームにデータを伝送する操作を体感できる。PC以外のTransferJet非対応の機器には、専用の読み取り端末を接続する必要がある。 

TransferJetコンソーシアムのブース

 試しに自分をカメラで撮ってもらってPCに転送したところ、専用センサにカメラを置くだけですぐに端末を認識し、ほんの数秒でPCに写真を送ることができた。メモリカードやケーブルを抜き差しすることなくデータを伝送できて、なかなか快適だ。 

コンパクトデジカメをセンサにかざしてPCに写真を転送(PCはソニーの「VAIO VPCF11AF」)

 現在、TransferJetに対応する機器はまだ少ない。コンパクトデジタルカメラはソニーの「Cyber-shot(サイバーショット)」6モデル、PCがソニーの「VAIO VPCF11AF」1モデル。このほか、テレビやプリンタなど専用センサをもたない機器につないで使用するUSB接続の読み取り端末が、ソニーの「TJS-1」とアイ・オー・データ機器の「USB2-TJC」だけだ。 

TransferJet対応のコンパクトデジタルカメラ、ソニーのCyber-shot 「DSC-HX5V」と「DSC-TX9」

 今後、TransferJetの普及の一助になると期待されているのが、今回参考出品している東芝が開発中のSDカード。端末自体にTransferJetのLSI(集積回路)を組み込まなくても、SDカードを挿入すれば端末で近接伝送ができるようになる。製品化は2011年10月以降の予定で、容量は未定。ブースの担当者は、「SDカードの価格が500円以下になれば普及する」と、意外に冷静だ。 

アイ・オー・データ機器の「USB2-TJC」(手前)

 TransferJetの課題は、何といっても認知度の低さにある。担当者は「まずはユーザーにTransferJetという技術があることを知ってもらいたい。そして、コンパクトデジタルカメラなどの対応端末を増やしていくことが不可欠」と語る。こうした課題を乗り越えつつ、将来は著作権をもつ有料コンテンツを伝送するなど、課金システムの展開も視野に入れている。 

東芝製のTransferJet対応SDカード(試作品)

 TransferJetは、ソニーが2008年に開発した技術で、同年にコンソーシアムを設立。コンソーシアム会員は、プロモーターとアダプターの2種類で、プロモーターは技術仕様を決定でき、アダプターはTransferJet規格に準拠した製品を開発・製造・販売できる。前者はキヤノンカシオ計算機ニコンパナソニックなど18社、後者は富士フイルムやHOYA、リコーなど34社が加入している。

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