地デジPC急速拡大中! デスクトップPCの半数が地デジチューナー内蔵

特集

2010/08/05 11:55

 PCに地デジ視聴や録画ができるモデルがあることをご存じだろうか。今や、デスクトップPCの販売台数の半数が、地デジチューナー内蔵の「地デジPC」になっている。最近では、PC売り場に「PCも地デジカ」のキャッチを掲げ、専用コーナーを設けている家電量販店もある。ネットやメール、写真や音楽データの管理などに使っているメインPCを買い替えるなら、PC+テレビ+レコーダーの一台三役をこなすすぐれもの、地デジPCをチェックしよう。実際にどんなモデルが売れているのか、BCNランキングで売れ筋を紹介する。なお、集計はカラーバリエーションを合算した「シリーズ」で行い、価格はすべて税別平均価格。

10万円程度から手に入る地デジPC



 まずは、2010年7月の実売データによるデスクトップの地デジチューナー内蔵モデルの売れ筋トップ5をみていこう。販売台数シェア1位は、20型液晶と本体が一体になったNEC「VALUESTAR VN370/BS6」で、シェアは9.9%だった。CPUにCeleron P4500(1.86GHz)、4GBメモリ、500GBの内蔵HDD、DVDドライブを搭載。OSは、Windows 7 Home Premium 64ビット版を採用している。地デジチューナーは1基で、液晶の解像度は1600×900画素のハイビジョンに対応する。VNシリーズのエントリーモデルで、価格は12万2000円強。デスクトップPC市場全体でのシリーズ別シェアでも1位だった。

地デジチューナー内蔵デスクトップPC シリーズ別 販売台数シェア トップ10
順位 メーカー名 品名 型番・シリーズ名 画面サイズ チューナー種類 販売台数
シェア
(%)
1 NEC VALUESTAR VN370/BS6 20.0 地上デジタル 9.9
2 ソニー VAIO J VPCJ118FJ 21.5 地上・BS・CSデジタル 6.3
3 NEC VALUESTAR VW770/BS6 23.0 地上・BS・CSデジタル 5.6
4 富士通 ESPRIMO FMVF531AT 20.0 地上デジタル 5.2
5 NEC VALUESTAR VN370/AS6 20.0 地上デジタル 4.6
6 NEC VALUESTAR VN770/BS6 20.0 地上デジタル 4.5
7 富士通 ESPRIMO FMVF705AT 23.0 地上デジタル 4.1
8 ソニー VAIO J VPCJ117FJ 21.5 地上デジタル 3.6
9 NEC VALUESTAR VN770/BS6B 20.0 地上デジタル 3.5
10 ソニー VAIO J VGC-JS74FB/W 20.1 地上デジタル 2.9
「BCNランキング」 2010年7月 月次<最大パネル>

 Windows 7搭載の地デジPCは、デスクトップ、ノートともに、ほとんどがハイビジョン対応。XPやVistaのときのテレビパソコンの画質とは格段の差で、また最新のOSであるWindows 7、そしてCPUやグラフィック性能の向上などによって、負荷のかかる映像処理作業もサクサク進む。

NEC「VALUESTAR VN370/BS6」

 2位はソニーの「VAIO J VPCJ118FJ」で、6.3%のシェア。21.5型フルハイビジョン(HD)液晶の一体型で、地上・BS・CSデジタルの3波チューナーをそれぞれ2基ずつ搭載し、ダブル録画ができる。CPUはCore i5-450M(2.40GHz)、メモリは4GBを備え、大容量1TBのHDD、BDドライブを内蔵した充実モデルだ。OSはWindows 7 Home Premium 64ビット版。価格は16万円で、小型テレビ、BDレコーダー、PCを別々に揃えることを考えるとお得だ。

ソニー「VAIO J VPCJ118FJ/WI」

 3位には、23型フルHD液晶の一体型、NEC「VALUESTAR VW770/BS6」がシェア5.6%で入った。液晶に視野角が広いIPSパネルを、スピーカーにYAMAHAサウンドシステムを採用していることなどが特徴。CPUはCore i5-650(3.20GHz)、メモリは4GBで、1TBのHDDとBDドライブを備える。チューナーは3波のダブルチューナーで、ダブル録画ができる。価格は18万2000円。こちらも、フル装備といえる機種だ。

NEC「VALUESTAR VW770/BS6」

 4位はシェア5.2%の富士通「ESPRIMO FMVF531AT」。6月発売の新モデルで、従来の「DESKPOWER」から「ESPRIMO」にブランドを一新した製品だ。1600×900画素の20型液晶を搭載した一体型で、チューナーは地デジ×1基、CPUはCeleron T3300(2.00GHz)で、500GBのHDD、DVDドライブなどを備えるエントリーモデルである。富士通の一体型デスクトップPCの夏モデルは、5シリーズのうち3シリーズが液晶のタッチ操作に対応しているが、「FMVF531AT」は非対応。価格は11万9000円強。

富士通 「ESPRIMO FMVF531AT」

 5位は4月発売のNEC「VALUESTAR VN370/AS6」で、シェアは4.6%。1位のNEC「VN370/BS6」とほぼ同じスペックで、オフィスソフトが旧バージョンの「Office 2007」だ。価格は10万1000円強なので、最新のオフィスにこだわらなければ、お得感がある。なお、上位5機種中4位までは、すべて最新のオフィスソフト「Office 2010」を搭載している。
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ノートPCは上位3機種が東芝



 次に、7月のノートPCのシリーズ別販売台数シェアのトップ5をみていこう。ノートPCの地デジチューナー搭載率は全体の5%弱。デスクトップPCと比べると少ないが、国内メーカーを中心に増加傾向にある。10万円前後で買える手頃なモデルから、15-20万円前後のハイスペックモデルまで、選択肢は増えている。

地デジチューナー内蔵ノートPC シリーズ別 販売台数シェア トップ10
※集計期間:2010年7月
順位 メーカー名 品名 型番・シリーズ名 画面サイズ チューナー種類 販売台数
シェア
(%)
1 東芝 dynabook Qosmio V65 PQV6586LRT 15.6 地上デジタル 22.2
2 東芝 dynabook Qosmio V65 PQV6587MRF 15.6 地上デジタル 16.2
3 東芝 dynabook TV PATV64LLT 16.0 地上デジタル 14.4
4 ソニー VAIO F VPCF128FJ 16.4 地上デジタル 6.8
5 NEC LaVie LM370/AS6 13.3 地上・BS・CSデジタル 5.1
6 NEC LaVie LL870/BS 16.0 地上・BS・CSデジタル 4.7
7 オンキヨー R511A5B 15.6 地上デジタル 4.6
8 東芝 dynabook TV PATV74MLT 16.0 地上デジタル 4.3
9 東芝 Qosmio G50 PQG5098JLR 18.4 地上デジタル 2.3
10 ソニー VAIO F VPCF129FJ 16.4 地上デジタル 2.3
「BCNランキング」 2010年7月 月次<最大パネル>

 トップ3は、東芝が占拠した。1位はAVノートの「dynabook Qosmio V65 PQV6586LRT」が22.2%と圧倒的な人気。1366×768画素の15.6型液晶を備えた1月発売の春モデルで、CPUにCore i3-330M(2.13GHz)を採用し、BDドライブを搭載しながらも、価格は12万円程度とかなりお手頃だ。地デジチューナー×1基、メモリは4GB、500GBのHDDを備える。OSは、Windows 7 Home Premium 32ビットか64ビットを選べるようになっており、これは東芝の上位3機種に共通する。

東芝「dynabook Qosmio V65 PQV6587MRF」

 2位は、6月発売の「dynabook Qosmio V65 PQV6587MRF」で、シェアは16.2%。CPUにCore i5-450M(2.40GHz)を採用し、1位になった旧モデルよりパフォーマンスは高い。1366×768画素の15.6型液晶、BDドライブを備え、オフィスソフトは最新の「Office 2010」を積んでいる。価格は14万円強。ちなみに1位と3位は春モデルなので、オフィスソフトは旧バージョンだ。

東芝 「dynabook TV PATV64LLT」

 3位は、1366×768画素の16.0型液晶を搭載する「dynabook TV PATV64LLT」で14.4%。CPUは、Celeron T3100(1.90GHz)。1月発売の春モデルで、光学ドライブはDVDマルチだが、8万3000円弱とかなりこなれた価格だ。1位の「PQV6586LRT」と同じく、チューナーは地デジ×1基、メモリは4GB、500GBのHDDを備えている。

ソニー VAIO F「VPCF128FJ」

 4位は、6月発売のソニー「VAIO F VPCF128FJ」で6.8%。16.4型のフルHD液晶、地デジ×2基のダブルチューナーを備える。CPUは、Core i5-450M(2.40GHz)、メモリは4GB、500GBのHDD、BDドライブを備える。OSはWindows 7 Home Premium 64ビット版。Bluetoothも備えているので、対応のマウスなどをアダプタなしでワイヤレス接続できる。価格は16万円強。

NEC「LaVie LM370/AS6」

 5位には5.1%で、13.3型液晶を搭載したNEC「LaVie LM370/AS6」が入った。付属の「ワイヤレスTVデジタル」ユニットを使って、アンテナをワイヤレス化できることが大きな特徴だ。これは、現時点ではNECのノートPCの一部機種だけの機能。別の部屋でテレビを視聴する際に、その都度アンテナケーブルをつなぐ必要がない。チューナーは3波対応。CPUはCeleron SU2300(1.20GHz)、メモリは2GB、OSはWindows 7 Home Premium 64ビット版、HDDは320GBを搭載している。光学ドライブは非搭載。価格は7万円強と低価格。4月発売の春モデルなので、オフィスソフトが旧バージョンになる。

家庭で活躍する便利アイテム



 地デジPCのメリットは、PCとしての基本スペックを十分備えたうえで、テレビ視聴や録画が一台でできること。省スペースなので、マイルームにぴったりだ。PCなので、ネットとの連携は抜群。例えば、「テレビNaviガジェット」というソフトは、放送中の番組情報を随時知らせてくれる機能を備えていて、あらかじめ視聴予約をしておけば、放送開始時刻にアラートで知らせる機能がある。他の作業に集中していても、番組を見逃すことがない。こうした機能は、PCならではの便利機能だ。「テレビNaviガジェット」は、今回ランキングに登場した6月以降発売の夏モデルにプリインストールしている。

一部の家電量販店は、地デジPCコーナーを設けている。
ソフマップ秋葉原本館(左上)、ビックカメラ有楽町店本館(右上)、ヤマダ電機 LABI新宿東口館(左下)、ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba(右下)

 すでにリビングのテレビは地デジ対応済みという家庭でも、寝室や子ども部屋などの2台目・3台目のテレビの地デジ対策はこれからと……いう人が多いだろう。それなら、ぜひ地デジPCを選択肢に入れてほしい。ふだんはPCをメインに使っていても、見たい番組や録画予約が家族とバッティングしてしまったときなどに、必ず活躍すること請け合いだ。(BCN・田沢理恵)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。