三菱、業界で初の倍速補間機能、滑らかな動画が楽しめる23型液晶ディスプレイ

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2010/05/19 12:03

 三菱電機は、液晶ディスプレイ「Diamondcrysta WIDE(ダイヤモンドクリスタ ワイド)」の新製品として、動画を滑らかに表示する倍速補間機能を業界で初めて搭載した23型ワイドの「RDT232WM-Z」を、6月11日に発売する。価格はオープンで、実勢価格は5万5000円前後の見込み。

RDT232WM-Z

 液晶の駆動方式にTN(Twisted Nematic)方式を採用したフルハイビジョン(フルHD)対応液晶ディスプレイ。毎秒120コマ(120Hz駆動)の倍速補間機能「倍速クリアピクチャー」を業界で初めて採用し、動画を滑らかにくっきりと映し出す。

 倍速補間では、通常の毎秒60コマの映像から、各コマの間に中間の動きを予測したイメージを生成して挿入することで、コマ数を2倍の毎秒120コマまで増やし、1コマあたりの画のホールド時間を短くする。すると、次のコマまでの表示時間が短くなり、残像感が減って動きが滑らかに見える。

 業界団体VESA(Video Electronics Standards Association)の動画応答時間規格「MPRT(Motion Picture Response Time)」で、8msを実現した。

倍速補間オン(左)とオフ

 また、超解像度技術や高画質技術を組み込んだ画像処理回路「ギガクリア・エンジン」を搭載。コントラストや階調などをリアルタイムに処理し、表示の遅延を抑える。超解像度の効果は10段階に調節できる。

 小画面を表示する「ピクチャーインピクチャー(PinP)」機能で、テレビを見ながらインターネットをする、といった「ながら見」ができる。従来モデルはアナログとデジタルの出力だったが、新製品はデジタル2画面の表示ができる。小画面のサイズ変更や、表示位置を画面の四隅から選ぶことができる。なお、HDMI端子同士とD5端子×D-sub15ピンの組み合わせは、2画面にできない。

ピクチャーインピクチャー

 全画面に超解像度を実行すると、強度によっては文字が読みにくくなることがある。そんなときは、超解像度の適用範囲を指定する「ギガクリア・ウィンドウ」機能で、PinPで表示した小画面だけを選べばいい。範囲の指定はマウスで行う。OSがWindows 7/Vistaのときのみ動作する。

 このほか、既存の機能として、毎秒24コマのフィルム映画を滑らかに表示する「シネマモード」、写真やテキストなどコンテンツに合った画質を簡単設定する「DV MODE」、入力信号の表示遅延を抑える「スルーモード」など、映像の見え方や画質を調節する豊富な機能をもつ。

抜き差しの多いコネクタ類は側面に配置

 主なコネクタは、背面の下部にDVI-D端子とD-sub15ピン、背面の右側面には、抜き差しの頻度を考えてD5端子とHDMI端子2基、音声端子としてRCAピンジャックを揃えた。35mmのステレオミニジャックも備える。主な仕様は、輝度が300cd/m2、コントラスト比5000対1、応答速度が3ms。スピーカーは3Wが2基。

 電源ランプには高級感のある青色LEDを採用。カラーはブラック。従来モデルに付属リモコンは簡易タイプだったが、新製品にはほとんどの設定が操作できるリモコンが付属する。

電源ランプは青色のLEDが光る

 三菱電機は、現在、液晶ディスプレイのラインアップとして、法人向けの「グラフィックス」「スタンダード」、業務向けの「パブリック」、個人向けの「マルチメディア」という四つのカテゴリをもつ。さらに、「マルチメディア」は、上級者向けの「VISEO(ヴィセオ)」、中級者向けの「WMシリーズ」「WXシリーズ」、初心者向け「WLMシリーズ」を揃える。今回発売する「RDT232WM-Z」は、マルチメディアの中級者向け「WMシリーズ」のモデル。

さまざまな機能の設定ができるリモコン

 同社のユーザー調査によると、「WMシリーズ」は、BD・DVD鑑賞やテレビ視聴、ゲームなど、動画を楽しむ使い方が多いという。また、現在、個室で使う液晶ディスプレイと同等サイズの小型テレビには、画質を追求しているモデルが少ない。こうした状況を受けて、個室でより高品質な映像が楽しめるよう、フルHDや倍速補間、超解像度技術を備える「RDT232WM-Z」を投入した。