ソニー、スロバキア工場の90%を台湾EMSに売却へ

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2010/04/01 13:00

 ソニー(ハワード・ストリンガー会長兼社長CEO)は、3月31日、欧州向けの液晶テレビを生産するスロバキア工場の持ち分の一部を、台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)会社である鴻海精密工業に売却すると発表した。

 対象となるのはスロバキアにあるニトラ工場で、持ち分の90%を鴻海に譲渡する。残り10%はソニーが保持する。ソニーは同工場で欧州向け液晶テレビの製造は続けるが、組み立てなどの資産を売却することで製造コストを削減する。譲渡後は、鴻海に液晶テレビの生産を委託する。

 従業員2500人の雇用は継続する。譲渡は9月末までに実行する計画。また、子会社のソニーサプライチェーンソリューション・ヨーロッパ社が、工場の一部施設を借り受け、ソニー製品の物流拠点として活用する。

 ソニーは「トランスフォーメーション」を掲げた構造改革で、グループの資源を開発や設計に集中する経営戦略を打ち出しており、今回の売却もその一環。