ヤマハ、歌声合成ソフト「VOCALOID」が進化、今度はしゃべりも表情豊か

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2010/02/25 18:19

 ヤマハは2月25日、歌声合成ソフト「VOCALOID(ヴォーカロイド)」の合成エンジンソフトに表現豊かにしゃべる機能を追加した「VOCALOID- flex(ヴォーカロイド フレックス)」の提供を開始した。

 「VOCALOID」は、歌詞とメロディを入力するだけで、楽曲のボーカルパートを制作できる歌声合成ソフト。同社からのライセンス提供で製品化したクリプトン・フューチャー・メディアの「初音ミク」やインターネットの「がくっぽいど」は、バーチャルシンガーにオリジナル曲を歌わせることができ、人気を集めている。

「初音ミク」と「がくっぽいど」

 これまでの「VOCALOID」は歌唱主体で、「しゃべり」特有の表現には限界があった。今回開発した「VOCALOID-flex」は、歌声に比べて音の微細な変化が要求される「しゃべり」を可能にするために、音韻(音素などの音の構成や長さ)や韻律(音の高さ、強さ)の細かな編集に対応した。

「VOCALOID-flex」概要図

 具体的には、北[ki ta]の[i]など、母音の無声化や、~です[de su]の[u]など、母音を発音しない表現に対応し、子音の長さや音の高さ、強さも細かく編集できる。その結果、話し声の細かいニュアンスや、表情豊かな方言などのアクセントやイントネーションをつけることができ、より人間の発話に近づいた。

 すでに音声合成ビジネスを展開している企業をはじめ、エンターテインメント関連など、業種を問わず幅広く「VOCALOID-flex」の提供を行う予定。第1弾は、コナミデジタルエンタテインメントが4月29日に発売する予定の人気ゲーム「METAL GEAR」シリーズの最新作「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER(メタルギア ソリッドピースウォーカー)」のキャラクター音声制作ツールとしての使用が決定している。