2010年1月のメモリカード市場で販売数量構成比83.6%を占めるSD/SDHCカード、microSD/microSDHCカードなどのSDカード系。中でも4GBから32GBまでの大容量化カードSDHC規格の製品は35.0%を占め、前年同月比でも23.3%増と拡大傾向にある。「BCNランキング」でSDHC規格のメモリカードの最新動向をまとめた。

大容量を求める声が大、需要高まるSDHCカード



 2010年1月のメモリカード規格別の販売数量構成比をみると、主流はSD/SDHCカードで43.9%、続いて携帯電話などで使えるmicroSD/microSDHCカードが39.7%と、SDカード系が市場の83.6%を占める。次に、メモリースティック系が13.2%で続く。

 中でも注目したいのは、主流のSDカード系に占めるSDHC規格製品の販売数量の割合。2009年1月の時点では24.7%だったが、2010年1月には35.0%まで拡大している。SDHCは、SDの上位規格。SDが最大2GBまでという容量制限を持っていたのに対し、SDHCは4GB以上、最大32GBまでという大容量だ。


 最近では、動画撮影機能を搭載する一眼レフが増え、コンパクトデジタルカメラでは、フルハイビジョン動画を撮影できるモデルも登場した。持ち歩いて手軽に撮影できるポケットサイズのビデオカメラも拡大している。また、カメラだけでなく、携帯電話でもワンセグ番組などファイルの大きなデータを保存する機会が増えたことで、容量の大きなSDHC規格のメモリカードの需要が高まっている。 

フルハイビジョン動画を撮影できるソニーの「TX7」はSDHCカードに対応する

 メモリカードを選ぶときには、容量だけでなく、データを読み書きするスピードの確認が大切。SDHCなら、「SDスピードクラス」の表示が義務付けられているので、選びやすい。「SDスピードクラス」とは、業界団体「SDアソシエーション」が定めるデータ転送速度の基準で、「CLASS2」なら2MB/秒、「CLASS4」なら4MB/秒、「CLASS6」なら6MB/秒、「CLASS10」なら10MB/秒の最低転送速度が保証されている。書き込み速度の速いカードを使うことで、デジタルカメラでストレスなく高速連写できるし、動画もコマ落ちすることなく確実に記録できる。特に動画の記録用には「CLASS6」以上のものを使うことをおすすめしたい。

 各クラスの速度でデータ転送するには、機器側も同じスピードクラスに対応している必要がある。また、SDHC規格に対応する機器でSD規格のカードを使用することはできるが、SD規格のみに対応する従来製品では、SDHC規格のカードを使用できないので、注意が必要だ。
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高速カードでサンディスクが市場をリード、高い信頼性が支持を集める



 では、SDHC規格のメモリカードは、どのメーカーの製品が売れているのか、メーカー別の販売数量シェアをチェックすると、2010年1月は、20.6%でサンディスクがぶっちぎり。13.5%で2位のKINGMAX Digitalを大きく突き放している。続いて3位はトランセンドジャパンで12.0%、4位はパナソニックで11.7%という結果だった。 


 実は、1位のサンディスクは、SDカード、マルチメディアカード、メモリースティック、コンパクトフラッシュカードなど、主要なメモリカードすべてに規格の開発段階から携わっている。「SDスピードクラス」を定める「SDアソシエーション」も、サンディスク、パナソニック、東芝の3社によって設立された団体だ。そのため、他社に先駆けて、大容量で速い製品を投入できるという強みがある。

 例えば、2009年7月には、新規格「CLASS10」に対応し、最高で毎秒30MBのデータ読取り・書込みができるSDHCカード「サンディスク エクストリーム SDHCカード」を発売。その結果、7月以降に同社のシェアはぐっと伸びた。 

サンディスク エクストリーム SDHCカード

 さらに、メモリカードメーカーの大手として、ワールドワイドに展開するサンディスク。事実上、メモリカードの標準になっていることから、世界の主要なデジタル機器メーカーは、必然的に、同社のメモリカードを使って互換性のテストを行うことになる。そのため、機器との互換性は非常に高く、安心感も大きい。メモリカードは、写真や映像など、取り直しが効かない大切なデータを保存することが多い。ユーザーは「信頼」を選択基準に選んでいる。

 また、メモリカードで、ハードの性能を最大限に生かしたい。せっかく高機能な機器を購入したのに、メモリカードのせいで性能が発揮できないのはもったいない。二度とない大切な瞬間を確実に残すためにも、メモリカードは容量や価格だけでなく、スピード、信頼性で選びたい。

 大容量SDHC規格のカードが拡大する中、2010年1月7日には、「SDアソシエーション」から最大容量を2TBまで拡大する次世代規格「SDXC」が発表された。すでにパナソニックが48GBと64GBの製品を2月19日に、東芝が64GBの製品を春に発売することを発表している。本命のサンディスクの発表が待たれるところだ。対応するハードも増えてきており、SDXCが広まれば、さらにメモリカードの大容量化は進むだろう。(BCN・武井美野里)


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