ベスト電器、さくらやの清算を発表 浜田孝社長は退任へ

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2010/01/12 19:43

 ベスト電器は1月12日、同日開催した取締役会で、経営状況の悪化から、連結子会社である家電量販店「さくらや」を2010年2月期中に清算すると発表した。

 同社は2010年2月期の連結業績予想の純損失を、当初予想していた13億円から、301億円に悪化する見込みに修正。理由として、同社単体では第4四半期に営業黒字を達成する見込みで、業績は回復基調にあるとしながらも、顧客単価の低下、営業戦略、競合戦略等の構造的課題への取り組みが遅れたことで、上期と第3四半期の営業赤字の補填に失敗したことなどを挙げた。

 今後の事業再構築計画として、「不採算店舗の閉鎖」「人事組織の見直し」などとともに、業績回復のめどが立たないことから「さくらや」の全面的な事業撤退・清算を決断した。

 また、業績不振の責任をとるかたちで、代表取締役会長の有薗憲一氏と代表取締役社長の浜田孝氏が退任。有薗氏は代表権のない非常勤取締役相談役、浜田氏は代表権のない非常勤取締役に就任し、5月開催予定の定時株主総会終結をもって取締役を退任する。

 同日付けの後任人事として、代表取締役副会長を務めていた深澤政和氏が、今後の事業再構築の指揮を執ることで経営責任を果たすために、取締役に留任するとともに、代表取締役社長へ就任する。

 同社では、「すべての負の遺産を今期中に一掃することで、平成23年2月期以降の業績のV字回復達成を目指す」としている。

 なお、ベスト電器の株式15.08%を保有し、同社を持分法適用会社としているビックカメラは、今回の発表について「一時的には痛みを伴うものではありますが、同社の将来にとってプラスになるもの」と評価し、「さくらや」の店舗のうち、売上および利益の増大が見込める一部店舗については、ビックカメラが承継を申し入れる予定であると発表した。