ビッグローブ、Android端末を利用した「クラウドデバイス」事業を開始へ

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2009/12/17 16:44

 NECビッグローブは12月17日、7型液晶を搭載した端末と、ネット接続や各種サービスを組み合わせて提供する「クラウドデバイス&サービス事業」への取り組みを開始すると発表した。

2010年2月からモニター試験を開始する端末「WebStation」

 「クラウドデバイス&サービス事業」は、Android OSを採用した携行型端末を介して、通信サービスや各種コンテンツ、アプリケーションなど、屋内外を問わず利便性の高いサービスを提供するサービス。インターネットへの通信には、屋内では各ユーザーの家庭LAN回線、屋外では公衆無線LANや3Gネットワーク、WiMAXなどを想定している。

「クラウドデバイス&サービス事業」の狙い

 2010年2月上旬から、BIGLOBE会員を対象に100名のモニター試験を実施。端末への要望や受容性などを検証し、10年内の本格展開を目指す。モニター募集は1月中旬から開始し、応募者多数の場合は抽選となる。

 モニター試験で使用する端末は、台湾Camangi製のAndroid OS採用端末「WebStation」。タッチ操作ができる解像度800×480ピクセルの7型液晶を搭載し、無線LANと3Gネットワークに対応する。駆動時間は4-5時間。本体サイズは幅200×高さ120×厚さ14.5mmで、重さ380g。

据え置き使用時には背面にスタンドを取り付けられる

 端末の電源を入れるとホーム画面が立ち上がり、ネット検索や天気予報などのサービスやダウンロードしたアプリなどを表示する。発表会では、料理レシピ、同社のツイッター用アプリ「ツイっぷる」などに加え、現在開発中のカレンダー、コミック・雑誌、動画サービスなどの画面が公開された。

「andronavi」のイメージ

 アプリケーションは、2010年1月7日に情報サービスを開始するAndroid向けアプリ・コンテンツマーケット「andronavi」で展開する予定。1月下旬から無料アプリ、3月末から有料アプリの提供を開始し、秋にはグローバル対応も開始する。

飯塚久夫社長

 飯塚久夫社長は「いまやネット利用者の7割がPCと携帯を併用し、さまざまなシーンでの利用が増加している。一方、サービスとしてみても、生活シーンに浸透する多様なサービスが重要になってきている。しかし、ネット接続端末に関しては、持ち運びにくい、設定が面倒といった制約が多い」と語り、「(昨今の)クラウドコンピューティングという流れと、ユーザーのニーズに応えるデバイス(の開発)に取り組み、ビッグローブならではの新端末を提供する」と事業の狙いを語った。

 これまでに同社が培ってきたISP事業とポータル事業のノウハウを活かした「パーソナルクラウド」の実現を目指すという。2012年度末で端末利用者20万人、アプリ・コンテンツ10万本、年間売り上げ100億円を目標とする。