USBメモリ、安価な台湾メーカーが3位に浮上 国内と海外で競争激化

特集

2009/12/04 18:16

 2009年11月16日-22日のUSBメモリのメーカー別・販売数量シェアで、台湾メーカーのKINGMAX Digitalが3位に浮上した。これは、同社のUSBメモリが07年10月に「BCNランキング」に登場して以来初めて。「BCNランキング」データを元に、要因を探った。

 KINGMAX Digitalは、台湾のメモリカードメーカー。05年にUSBメモリで日本に参入した。09年後半になって急激にシェアを伸ばし、09年11月16日-22日のUSBメモリのメーカー別・販売数量シェアで、07年10月に「BCNランキング」に登場して以来最高の3位を記録した。


 その理由について、同社の日本での販売代理店である磁気研究所の担当者は「安く、広範囲に提供することに注力している。KINGMAX Digitalの製品は日本メーカーの製品に比べて単価が安いからではないか」と語る。

U-Drive UD-01 4GB

 「BCNランキング」のデータをみると、確かにKINGMAX Digitalの製品の税別平均単価(以下、平均単価)は低い。USBメモリの売れ筋である4GB製品の09年11月の平均単価は1397円なのに対し、同社の4GB製品の平均単価は942円。さらに11月16日-22日のメーカー別シェアで1位のバッファロー製品は1309円、2位のソニー製品は1647円だから、その差は歴然としている。

 現在USBメモリ市場は、安価な製品を提供する海外メーカーが勢力を伸ばしてきている。4GB製品で平均単価が1000円未満のものは、08年11月では4GB製品全体の3.4%だったが、09年11月は28.1%と急激に増えた。その内訳をみると、KINGMAX Digitalに代表される海外メーカーの製品が目立つ。ユーザーのニーズは高価でも信頼性の高いブランド製品と安価な製品とで二極化しているようだ。(BCN・武井美野里)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。