ソニーは10月、<a href="http://bcnranking.jp/news/0909/090916_15294.html">ウォークマンの新製品</a>を発売した。7.2mmと薄型の高機能モデルAシリーズとカラフルな売れ筋のSシリーズで計12モデル。いずれも歌詞を表示できる「歌詞ピタ」機能を新搭載したのが大きな特徴だ。そこで、Sシリーズの8GBモデルで、専用スピーカー付きの「NW-S644K」を使って、歌詞機能を中心に使い勝手を確かめた。

ウォークマン S640Kシリーズ
 

曲の進行に合わせて歌詞を表示する「歌詞ピタ」機能



 音楽に合わせてその歌詞が画面に表示されるという「歌詞ピタ」。カラオケで自分のレパートリーに加えたい曲を憶えるにはうってつけの機能だ。耳で聴いただけでは、意外に歌詞を間違って憶えていることが多い。「カラオケで気分よく歌っているのに、実は歌詞が違っていた」という経験をした人は多いはずだ。歌詞ピタを使うと、曲の進行に合わせてその歌詞がモニターに順次表示されていくので、自然と歌詞が憶えられるしくみだ。

 歌詞ピタはシンクパワー社のサービスと連動して、音楽CDから取り込んだ曲はもちろん、音楽配信サイトからダウンロードした歌詞カードのない曲にも、再生時に歌詞を表示できる。利用は有料で、月々10曲158円から。さまざまなジャンルの歌詞データをダウンロードできる。
 

PCの「x-アプリ」から歌詞データのダウンロードを実行し、ウォークマンに転送する

 まず、本体に同梱されているコンテンツの統合アプリケーション「x-アプリ」と「歌詞ピタ」アプリをPCにインストールし、歌詞データをダウンロードする。「x-アプリ」で歌詞データを取得したい曲を右クリックし、メニューから「歌詞ピタ(データ)のダウンロード」を選択。初回は「歌詞ピタ」の会員登録画面が表示され、指示に従って会員登録を実行する。次回の操作からはログイン画面が表示され、歌詞データを手軽に入手することができる。なお、利用料金はクレジットカードか携帯電話払いで決済する。
 

カラオケモードによる再生やテレビ出力もできる



 歌詞データを追加した曲は、ウォークマンへの転送時にリンクされる。そして、曲を再生すると、モニターの下に3行ぶんの歌詞が表示され、曲の進行に合わせて自動的に1行ずつスクロールしていく。便利なのは、すべての歌詞の表示が、曲の早送りや巻き戻しにもキッチリ対応している点。これなら憶えにくい歌詞のパートなどを、リピートしながらマスターできる。
 

「歌詞ピタ」で歌詞データを加えた曲は、モニタの下に歌詞が3行表示され、曲に合わせて自動的にスクロールする

 また、カラオケの練習用に、再生のオプションとして「カラオケ」モードがあり、これを選択するとボーカル部分だけがボリュームを抑えて再生される。さすがに、カラオケBOXでの本格的なセットには及ばないが、ウォークマンがをカラオケマシン代わりにも使うことができるわけだ。

 さらに、別売りの出力ケーブル(WMC-NWV10)を購入すると、本体を直接テレビに接続して、大画面で同様のカラオケモードを再生することもできる。家族や友だちと一緒に、ウォークマンで手軽にカラオケを楽しむことが可能なのだ。ちなみに、「歌詞ピタ」の歌詞データは、J-POPを中心に7万5000曲以上あり、今後も毎月500曲程度のペースで新曲を追加していく予定だという。来年の3月31日までは、20曲ぶんが無料の「お試しキャンペーン」も実施されている。
 

ドック型スピーカーとのセットで楽しみ方が広がる



 「NW-S644K」は標準で、ドック型のスリムなスピーカーが同梱されている。中央のスロットにウォークマン本体をストンと落としてセットするだけで、スピーカーによる曲の再生ができるうえ、本体の充電も同時にできる。

 再生操作は本体のボタンで行う。スピーカー側にも音量ボタンが用意されているので、ボリュームの調整が簡単にできるのが便利だ。また、スピーカーにセットした状態で、ACアダプターを外しても音楽の再生が可能。この場合、ちょっと音量出力が下がってしまうが、部屋を移動して持ち歩いたり、ガーデニング中に庭へ持ち出して曲を楽しむといった使い方もできるのがうれしい。

 気になるサウンドだが、コンパクトサイズのわりに音質が良く仕上がっていて、近くで聴いているぶんには、快適に楽しめそうだ。例えば、仕事中に机の片隅に置いて再生したり、就寝前にベッドのサイドテーブルで音楽を流すといった用途に最適。ウォークマン本体には「スピーカー出力最適化」という設定項目があり、これをオンにしておくと、さらに音質を向上させることができる。
 

「スピーカー出力最適化」設定によって、さらに音質を上げて楽しむことができる

 「NW-S644K」は音楽以外にも、動画や写真、ポッドキャストやFMラジオも楽しむことができる。ただし、FMラジオについては、イヤフォンコードをアンテナとして利用しているため、本体をスピーカーにセットした状態では受信ができない。今後の改良点として検討してほしい。

 そのほか、対応するauケータイであれば、ダウンロードしたEZ「着うたフル」、EZ「着うたフルプラス」をPC経由で本体に転送して再生できるなど、豊富な機能を搭載した「NW-S644K」。ポッドキャストによる語学レッスンも含め、いろいろなシチュエーションや用途で使えるように進化している点は、ユーザーとしても好感が持てるポイントだ。

 新しいSシリーズでは、スピーカーが付属している「NW-S640K」シリーズと、ノイズキャンセリングを搭載した「NW-S740K」シリーズがある。容量8GBと16GBのラインアップ。10月末には、約7.2mmと薄型で高音質と画質にこだわったフラッグシップモデルの新Aシリーズ(NW-A840シリーズ)も登場した。「歌詞ピタ」機能はもちろん、ノイズキャンセリングなどのフル装備で、64GBの大容量モデルもある。進化したウォークマンは、なかなか魅力的な製品に仕上がったといえるだろう。(フリーライター・石川貢士)