手のひらに乗るほどの小さなプロジェクター、ミニプロジェクターが昨年秋以来、続々と登場している。連載「ミニプロジェクターって一体何者? レビューで見る画質と使い勝手」第2回では、その中で充電式バッテリーを搭載する3モデルの使い勝手をチェック。最終回となる今回は、電源にACアダプタを採用した2モデルをレビューする。

【連載】ミニプロジェクターって一体何者? レビューで見る画質と使い勝手
第1回 | 第2回 | 第3回

 使用したのは、海連の「KR-PRO920M」とキャストレードの「CV-MP01」。いずれも前編同様、画面サイズはA3で、iPod touchに保存した風景写真を部屋を暗くして出力した。なお、写真は、F値とシャッタースピード、ISOを統一し、ホワイトバランスはオートで撮影した。

画面の水平反転や音量調節など各種機能が充実――海連「KR-PRO920M」



 海連の「KR-PRO920M」は、使い勝手を高めるさまざまな機能を備える。たとえば、他のミニプロジェクターにはない、スクリーンの前面と背面どちらからでも投影できる画面の「水平反転機能」を搭載。向きを気にせず置けるので便利だ。画面は、本体上面の音量調節ボタン「+」「-」を同時に押せば切り替わる。動画を見ながら音量調節も可能。画面上に音量レベルがバーと数字で表示されて見やすい。

 大きさは目覚まし時計程度。ただ、カバンなどに入れて持ち運ぶことを考慮すると、もう少し小ぶりだとうれしい。カラーはブラック。

 D-sub15端子、電源端子、AV端子とファンは左側面にまとめられており、ホコリを防ぐゴム製のフタ付きのため、見た目もすっきりしている。前面はレンズの周囲に焦点調節ダイヤルを備え、レンズカバーが付属。上面にはタッチセンサー方式の電源ボタンと音量調節ボタン、スピーカーを搭載し、底面には三脚穴と滑り止めのゴム製の足が4つ付いている。パッケージ内容は、プロジェクター本体、ACアダプタ、AVケーブル、三脚など。


 スクリーンに投影した画面は、他のモデルと比べるとやや暗め。焦点調節ダイヤルは、操作時にレンズから投射される光を手で遮ってしまい、画面が確認しづらかった。また、タッチセンサー方式のボタンは見た目はよいが、押した感覚がないので使いにくい。駆動音は、試用したモデルの中でもっとも大きく気になった。


かわいいキューブ型の小さなボディ――キャストレード「CV-MP01」




 キャストレードの「CV-MP01」は、愛らしいスカイブルーとホワイトのツートンカラーがポイント。ボディはキューブ型でまるでおもちゃのよう。内部の熱を逃がすため、前面と左右の側面には格子を設けている。この格子が円や楕円の形をしているので模様に見えて、なんともキュート。


 前面のレンズ周囲には焦点調節ダイヤルを搭載。上面は電源ボタンとスピーカー、右側面は電源端子、AV端子に加え、音声調節ダイヤルを備える。三脚穴はないため、そのまま置くと本体を固定しにくい。別売りの滑り止めのシートを下に敷くか、クリップの付いた携帯電話用の三脚を使用するとよいだろう。パッケージ内容は、プロジェクター本体、ACアダプタ、AVケーブルなど。


 スクリーンに投影したところ、茶色がかったセピアっぽく映し出された。焦点調節ダイヤルは海連の「KR-PRO920M」と同様、レンズの周囲に装備されているため、同じ理由で使いにくかった。また、ダイヤルが固めなので、微調節はできるものの回しにくい。駆動音は海連の「KR-PRO920M」より小さめだった。

動画の視聴には音量調節機能が便利 “ミニ上映会”がオススメ



 2製品とも、音量を自由に調節できる点は評価できる。また、放熱処理がうまく施されており、本体がほとんど熱をもたないのもよい。ただ、前編でも指摘したが、焦点調節ダイヤルがレンズの周囲に配置されている点は不便と言わざるを得ない。次の製品では、改善を期待したい。画質は、明るさと色の鮮やかさが向上すればより見やすくなる。


 今回は、連載の前編と後編、あわせて計5製品を試用した。正直な感想を言うと、現時点では、画質面で、ビジネスシーンでの利用は厳しいかもしれない。試しに各モデルでテロップ付きの動画を出力したところ、文字部分が読みにくかったからだ。

 ただ、いずれも写真はそれなりに楽しめる画質だったので、プライベートでの“ミニ上映会”をオススメしたい。携帯電話や携帯オーディオと接続し、保存した静止画、動画を大画面で視聴できる。部屋を暗くして雰囲気ある演出をすれば、家族や友人もきっと楽しんでくれるはず。

 比較した5モデルの基本性能は、それほど違いがない点もあれば、大きく異なる点もある。各モデルの得意、不得意を見極めた上で最適な一台を選ぼう。(BCN・井上真希子)