ノートPC08年の年間1位は、ミニノートブームの火付け役の「Eee PC」

特集

2009/01/09 21:50

 08年のノートPC市場は例年にない盛り上がりを見せた。その理由は小型で軽くて、何といっても安い「ミニノートPC」の登場だ。去年の初めにASUSTeK Computer(ASUS)が発売した「Eee PC」が大ヒット。その後、多くのメーカーが製品を投入し、モデルチェンジも頻繁に行われた。専門コーナーを設ける量販店も少なくない。

 とくに秋口以降はミニノートばかりが話題を集めたが、実際には普通のノートPCも売れている。では、08年で一番売れたノートPCは何だったのか? 「BCNランキング」をもとに、08年の年間ランキングを見ていこう。集計期間は08年1月1日から12月31日まで。なお、同じスペックを持つモデルのカラーバリエーションは合算して集計している。

ノートPC 年間ランキング 2008
順位 メーカー名 品名 シリーズ名・型番 販売台数
シェア(%)
1 ASUS Eee PC EEEPC4G 2.8
2 日本エイサー Aspire one AOA150-B 2.6
3 富士通 FMV-BIBLO NF FMVNFB70 2.6
4 富士通 FMV-BIBLO NF FMVNF70Y 2.3
5 東芝 dynabook TX PATX66GLP 2.3
6 ASUS Eee PC EEEPC901-X 2.2
7 NEC LaVie L LL750/RG 2.2
8 NEC LaVie L LL550/MG 2.2
9 NEC LaVie L LL750/MG 1.9
10 NEC LaVie L LL750/LG 1.9
11 東芝 dynabook TX PATX66FLP 1.8
12 NEC LaVie L LL550/LG 1.7
13 富士通 FMV-BIBLO NF FMVNFA50 1.7
14 富士通 FMV-BIBLO NF FMVNFA70 1.5
15 NEC LaVie L LL550/RG 1.5
16 ソニー VAIO type N VGN-NR72B 1.5
17 富士通 FMV-BIBLO NF FMVNF40Y 1.3
18 富士通 FMV-BIBLO NF FMVNFA40 1.3
19 東芝 dynabook TX PATX66ELP 1.2
20 ソニー VAIO type N VGN-NS50B 1.2

 ※カラーバリエーションは合算して集計
「BCNランキング」 集計期間:08/1/1-08/12/31 <最大パネル>



 ランキング上位は、わずか0.2ポイント差で3製品がひしめく大激戦だった。20位までを見てもわずか1.6ポイント差の僅差。ここから抜け出したのは、やはりというべきか、低価格ミニノートPCブームの火付け役、ASUSの「Eee PC 4G-X」だった。シェアは2.8%。ASUSからは6位にも、1位の後継モデル「EEEPC901-X」がランクインしており、躍進の一年だったといえるだろう。

08年のシリーズ別販売台数シェア1位を獲得した「Eee PC 4G-X」

 2位は、「Eee PC」と並んでミニノートPC市場をけん引したエイサーの「Aspire one」だった。記憶装置にSSDを採用した初期の「Eee PC」とは異なり、一般的なHDDを採用することで、低価格化と大容量化を実現したのが特徴。また、豊富なカラーとデザインが、女性からも好評だという。(関連記事:ノートPC市場を席巻したミニノートPC、08年を振り返ってみると……

僅差で2位に甘んじたエイサーの「Aspire one」

 上位20製品の中で、画面サイズが10.2インチ以下で、お手頃価格のミニノートPCはここまでに紹介した3製品のみ。それ以外は、A4程度の大きさの一般的なノートPCが占めた。注目度の高さを考えると、少々意外な気もするが、それだけに、これら3製品のインパクトが大きかったといえるだろう。

 一般的なノートPCで最も売れたのは、富士通の「FMVNFB70」だった。15.4型ワイド液晶を搭載したスタンダードなモデルだが、3色のカラーバリエーションを用意。08年8月発売ながら、年間3位に食い込む人気を見せた。

3位の「FMVNFB70」は3色のカラーを展開

 メーカー別に見ると、上位20製品のうち、富士通が6製品、NECが同じく6製品、東芝が3製品、そしてソニーがASUSと同じ2製品という結果となった。ミニノートPCを除くと、いずれも、メーカーがスタンダードモデルと位置づけているモデル。とはいえ、デュアルコアCPUを搭載し、実用には十分なスペックを備えている。裏を返せば、どのメーカーを選んでも性能面での大きな差はなく、違いがますます見えなくなっている。

 すでに各メーカーから発表されている、09年春モデルでは、東芝の縦横比16:9の16型ワイド液晶搭載モデル、富士通のタッチ操作に対応したサブ液晶搭載モデルなど、これまでなかった新しい特徴を打ち出したモデルが目立つ。ミニノートPCも、参入メーカーが増え、選択肢が豊富になってくると、「安さ」だけがウリでは生き残れないだろう。デザイン、機能、価格…。各メーカーとも差別化に躍起になるに違いない。ノートPC市場は、08年以上に目が離せなくなりそうだ。(BCN・山田五大)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで123品目を対象としています。