iPhoneの影響もあってか、携帯電話の新たなトレンドとして、タッチパネルを搭載した端末(通称タッチケータイ)が注目を集めている。一口にタッチケータイといっても、センサー方式の違いによって、静電式と感圧式の2つに分けることができる。ソフトバンクモバイルの「iPhone 3G」は静電式、イー・モバイルの「Touch Diamond」は感圧式だ。今回は、その2つのタッチセンサー方式の特徴と、それぞれの最新モデルを紹介しよう。



静電式(静電容量方式)



タッチケータイの代表格「iPhone 3G」

 まずは静電式。iPhoneなども採用している静電式のタッチパネルは、指がパネルに触れることで生じる表面電荷の変化を捕らえて位置を検出しているという。静電式のメリットは、快適な操作性。液晶画面にさっと指を触れただけで感知するので、圧力不足による入力ミスが少ない。


 一部の端末では、2本の指を同時に認識できるマルチタッチにも対応する。2本の指でつまむような動作でズームイン、広げるような動作でズームアウトというような直感的な操作が可能だ。また、感圧式に比べ、パネルの透過率が高く、液晶画面が明るいのもポイント。


2本の指を同時に認識できるマルチタッチに対応した「iPhone 3G」では、
2本の指でつまむような動作でズームイン、
広げるような動作でズームアウトというような直感的な操作が可能

 デメリットは、爪やタッチペンでの操作に対応していない点だ。電気が流れにくい爪やプラスチックでは反応しないという。ウェブサイトの小さなアイコンをクリックするときや、タッチ操作で文字を入力するときなど、細かい操作には少し慣れが必要だ。しかし、iPhoneなど一部の端末向けに、静電式でも使える特殊加工を施した専用タッチペンも発売されているので、チェックしてみるといいだろう。


タッチケータイでは、画面上に表示されたソフトウェアキーボードで文字入力を行う

 静電式を採用した最新モデルで注目したいのは、ソフトバンクモバイルのシャープ製端末「931SH」と、NTTドコモの富士通製「F-01A」。

 「931SH」は、3.8インチの大画面タッチパネルを搭載。スライド式テンキーを使っても操作できるが、ソフトウェアキーボードを備え、メールやウェブなど、ほぼすべての操作を画面上で行うことができる。


ソフトバンクモバイルの「931SH」

 「F-01A」は、防水性能を備えた3.2インチのタッチパネルを搭載。そのため、濡れた手でもタッチ操作でき、液晶についた指紋などの汚れも水洗いしてキレイにできる。


NTTドコモの富士通製「F-01A」

 ドコモの08年秋冬モデルでは、「F-01A」のほか、富士通製「F-03A」、LG電子製「L-01A」、シャープ製「SH-03A」「SH-04A」、NEC製「N-01A」も、静電式のタッチパネルを採用しており、一つのトレンドとなっている。


(左)LG電子製「L-01A」、(中央上)NEC製「N-01A」、(中央下)シャープ製「SH-04A」、(右)シャープ製「SH-03A」

★続いて「Touch Diamond」などが採用する「感圧式」について
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感圧式(圧力感知式)



感圧式は、スタイラスペンなどのペン操作にも対応

 一方、イー・モバイルの「Touch Diamond」などが採用する感圧式は、画面に掛かる圧力の変化で接触を感知しているという。感圧式のメリットは、スタイラスペンなどのペン操作に対応している点だ。ペン先を使った細かい操作ができるため、静電式に比べ、すばやい入力を得意とする。


 スタイラスペン以外でも、ボールペンや爪などの先の尖った物であれば操作可能。万が一、専用ペンを紛失した場合でも、身近な物で代用することができる。また、手袋をした状態でもタッチ操作でき、手書きモード搭載モデルなら、紙に文字を書くような感覚でメモをとることができる。


手書きモードを搭載しているモデルなら、
紙に文字を書くような感覚でデジタルメモをとることができる

 デメリットは、ぐっと押し込むように強くタッチしないと接触を感知しない点。静電式のように軽いタッチでは反応しないので、押したまま画面を滑らせるスクロール操作などは慣れが必要。


 感圧式を採用した最新モデルは、ソフトバンクモバイルのサムスン電子製「930SC OMNIA」や、イー・モバイル、ソフトバンクモバイル、ドコモの3社が販売しているHTC製の「Touch Diamond」(型番 イー・モバイル:S21HT、ソフトバンクモバイル:X04HT、NTTドコモ:HT-02A)などが挙げられる。


 「930SC OMNIA」は、3.3インチのタッチパネルを搭載。テンキーやQWERTYキーの類は一切なく、すべての操作をタッチ操作で行う。タッチするたびに本体が振動する「バイブレーションフィードバック」機能を備え、操作を振動で確認することも可能。付属のタッチペンによる、手書き入力にも対応している。


ソフトバンクモバイルのサムスン電子製「930SC OMNIA」


 「Touch Diamond」は、OSにWindows Mobile 6.1 Professionalを搭載した、いわゆるスマートフォン。メインディスプレイ2.8インチ、薄さ11.35mmというコンパクトな形状は、片手でも簡単にタッチ操作できる大きさだ。タッチ操作とQWERTYキー、2つの操作を自由に使い分けられる「Touch Pro」にも注目。同じくHTC製で、こちらはソフトバンクモバイル(型番:X05HT)とNTTドコモ(HT-01A)から販売されている。

(左から)HTC製「Touch Diamond」、「Touch Pro」

 どちらのタッチセンサー方式であっても、まだテンキーやスライド式のQWERTYキーを搭載している端末が目立つ。ワンセグやカメラはタッチ操作、メールや文字入力はキー入力というように、自分にあったスタイルで使い分けるのもいいだろう。しかし、「iPhone 3G」や「930SC OMNIA」、「Touch Diamond」といったタッチ操作オンリーの端末の場合は、タッチパネルの操作性が使い勝手を左右する。「静電式」と「感圧式」、2通りの操作感を確かめてから、自分にあった端末を選ぶといいだろう。(BCN・津江昭宏)