ロボット界のアイドル、一輪車ロボット「ムラタセイコちゃん」に会ってきた

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2008/10/03 19:59

 9月30日-10月4日の5日間、幕張メッセで開催されている最先端のIT技術の総合展「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)2008」。今日は、村田製作所の一輪車を操る女の子ロボット「ムラタセイコちゃん」と、先輩ロボット「ムラタセイサク君」に会ってきた。


 「ムラタセイコちゃん(セイコちゃん)」は、世界的にも有名な自転車に乗るロボット「ムラタセイサク君(セイサク君)」のいとこ。つねに一輪車に乗っており、素晴らしいバランス感覚で前進走行やバック走行などを行う。いとこという関係ながら、「セイサク君」が大好きという情報を受け、二人のツーショットをぜひこの目で見たいと、村田製作所のブースへ向かった。

●セイサク君のあっち向いてホイショー、セイサク君全敗!?

 ブースに着くと、ショー開催20分前にもかかわらず沢山の人々が集まっている。さすがロボット界のアイドル「セイコちゃん」だ。スタート60秒前のカウントダウンが始まり、ついに「セイコちゃん」登場か! と思いきや、最初に登場したのは「セイサク君」だった。しかしさすが先輩ロボット。安定した自転車走行を見せてくれた。

 続いて「セイサク君」のあっち向いてホイショーが行われた。村田製作所のお姉さんが「マジックスティック」なるものを取り出し、スティックの先端を「セイサク君」に向ける。お姉さんが先端を右に向けると、「セイサク君」も合わせて右を向く。その姿に関心したが、よく考えてみるとスティックの先端と同じ方向を向いているのだから、「セイサク君」は負けである。

 あっち向いてホイの仕組みは、「セイサク君」に内蔵している「ジャイロセンサ」にある。「ジャイロセンサ」とは、カメラの手ブレ補正にも使われている、傾きや角度を検知する電子部品。この「ジャイロセンサ」が「マジックスティック」の先端の角度を読み取り、「セイサク君」が顔を動かすのだ。

●ついにセイコちゃん登場、緊張してバランスを崩してしまう場面も

 そしてついに「セイコちゃん」がお姉さんに抱えられて登場した。幼稚園の女の子がモデルになっているとあって、スカートを履いて帽子をかぶった姿がなんとも可愛らしい。まず一輪車走行に挑戦する「セイコちゃん」。お姉さんが手を離すと、1回目はバランスを崩してしまった。どうやらたくさんのお客さんを前に、緊張してしまったらしい。

 お姉さんが「セイコちゃん」を落ち着かせ、もう1度手を離すと、「セイコちゃん」はうまくバランスをとって立った。次に、お姉さんが前に手をかざして先導するとゆっくり前進し、後ろに押すようにするとバック走行を披露してくれた。成功する姿を見てホッとする気持ちは、さながらわが子の運動会を見ている時のようだ。

 ところで、「セイコちゃん」は何故一輪車でバランスを崩さずに立っていられるのだろうか。それは、「ジャイロセンサ」を二つ内蔵しているためだ。「ジャイロセンサ」が揺れから傾きを検知すると、胸の円盤が回転して左右の揺れを打ち消し、車輪を小刻みに動かして前後のバランスをとる。こうして「セイコちゃん」は一輪車を操っているのだ。

 ショーの最後は二人のツーショットが披露された。大好きな「セイサク君」の隣で嬉しいのか、顔を赤くする「セイコちゃん」。10分間ほどのショーだったが、確かに二人の感情を感じることができた。