このところ、カバンにすっぽりと収まるB5サイズ程度のモバイルPCが注目されている。普段から持ち歩くノートPCといえば「マニアやビジネスマンが使うもの」というイメージが強かった。しかし最近ではユーザー層が女性にも広がっているようだ。その理由は「小さいこと」と「価格が安いこと」。そこで、人気急上昇のノートPCを「ミニPC」と分類、動向をまとめた。


●10インチ以下、10万円以下の「ミニPC」


 現在、ノートPCで特に注目されているのは、小型ながらも低価格の製品。7-8インチの液晶を搭載し、5-6万円から購入できるモデルが人気だ。ここでは、こうした「10インチ以下」の液晶を搭載し、税別平均価格が「10万円以下」のモバイルPCを「ミニPC」とし、さまざまな視点から特徴を紹介したい。

 ミニPCの火付け役は、ASUSTeK Computer(ASUS)が1月25日に発売した「Eee PC」だ。7型ワイド液晶を搭載して5万円を切る価格ということで、発売からわずか3日で1万台を完売するほどの人気を集めた。その後、5月にはカラーバリエーションを3色増やして5色とし、7月には8.9型ワイド液晶を搭載する5万円台の上位モデル「Eee PC 901-X」も発売するなどもあり、好調な売れ行きが続いている。


 こうした状況の中、ASUSに続いてミニPCを市場に投入するメーカーが続出している。日本HPは8.9型ワイド液晶で5万円台の「HP 2133 Mini-Note PC」を6月に発売。初回入庫分を大幅に上回る受注となったため、現在、販売を一時停止している状態だ。エイサーも8.9インチ液晶で5万円台の「Aspire one」を8月23日に発売する。また、デルも小型低価格PCを発売する予定だという。この勢いに乗り、国内メーカーもミニPC市場に参戦するようになれば、さらに市場は盛り上がるだろう。



●充実した通信機能がポイント いつでもどこでもネットに繋がるミニPC


 こうしたミニPCには特徴がいくつかある。まず共通して搭載しているのが通信機能。外出先で使用することを想定しており、ほとんどのモデルで無線LANが利用できる。しかし、iPhone 3Gのように単体で携帯電話網を使ったネット接続はできない。そこで、いろんな場所でインターネットに接続するため、データカードを併用したほうが、より実力を発揮する。店頭ではミニPCとデータカードをセットにして販売する光景もよく目にするようになってきた。

 特に、イー・モバイルの新料金プランに2年間加入するという条件付きでの「Eee PC」を100円で販売するキャンペーンが好評だという。ビックカメラ有楽町店本館の長島輝明主任はこれまでモバイルPCにあまり興味のなかった女性客が「来店したついでに購入している」と話しており、思わぬ層まで人気が広がっているようだ。


 しかし、ミニPCはその「安さ」のため、ある程度機能やスペックを抑えているモデルがほとんどだ。処理性能など、全ての点で満足できる製品はなかなかないかもしれない。購入する際には、記憶媒体の容量や駆動時間、液晶の画質などを十分に吟味する必要がある。なんでもできる「パソコン」と思うより、通信に特化した「インターネットデバイス」と考えたほうがいいようだ。

 長島主任は「(機能やスペック面は)割り切っている人がほとんど。外出先や通勤時にちょっとメールをしたい、インターネットに接続したい、という人が購入している」という。新たな客層を取り込んでいるミニPC市場。今後の成長が期待できそうだ。(BCN・岩渕恵)