北京オリンピック開幕を機に、BDやDVDなどのレコーダーを購入しようと検討している方も多いのではないだろうか。なかなかレコーダーの購入に踏み切れなかった人も、次世代ディスクの決着やダビング10解禁など、レコーダーを取り巻く環境が改善してきている「いま」が買い時。今回は、フルHD画質を存分に楽しめるBDレコーダーと、買いやすくなった従来型のDVDレコーダーに分け、最新ランキングから売れ筋製品をみていこう。

●フルHD画質を存分に堪能できるBDレコーダー
 
 「ブルーレイじゃなきゃ……」と、CMでもよく耳にするようになり、ブルーレイディスク(BD)に対する認知度が徐々に高まってきている。BDレコーダーなら、1920×1080画素のフルHD画質の映像を、そのままの画質でディスクに保存することが可能だ。もちろん、BDの再生やDVDの録画・再生、HDDを搭載しているモデルであれば、HDDへの録画にも対応する。


 BDは、現行のDVDの5倍以上の記録容量を持つ光ディスク。現在、1層式ディスク(25GB)と、2層式ディスク(50GB)が販売されている。50GBの2層式ディスクなら、ハイビジョン画質の地上デジタル放送を約6時間、フルHD画質のBSデジタル放送の番組も約4時間録画することができる。最新モデルでは、圧縮効率の高い方式「MPEG-4 AVC/H.264」エンコーダを搭載するモデルが増え、3倍や5倍など長時間録画モードで録画することもできる。

 では、いま実際に売れているBDレコーダーはどういう製品なのか。7月最終週(7月28日-8月3日)の「BCNランキング」でみていこう。


 1位は、シャープの「BD-HDW22」。08年7月発売の「AQUOS ブルーレイ(BD-HDW)」3モデルのなかで、250GBのHDDを搭載したエントリーモデルだ。「MPEG-4 AVC/H.264」エンコーダを採用し、ハイビジョン番組をフルHD画質のまま、約5倍録画できる長時間録画モードを搭載する。2層式(50GB)のBDへのダビングなら、フルHD画質のままでも約21時間の録画が可能だ。地上・BS・110度CSデジタルチューナー各2基、地上アナログチューナー1基の7チューナーを備え、デジタル放送番組同士の2番組同時録画に対応する。

 なお、同時発売の500GB搭載モデル「BD-HDW25」は5位に、1TB(約1000GB)のHDDを搭載した「BD-HDW30」は16位につけている。

 2位、3位ともに、北京オリンピック公式スポンサー、松下電器産業の「ディーガ」シリーズがつけた。2位が「DMR-BR500」、3位が「DMR-BW800」。いずれも「MPEG-4 AVC/H.264」エンコーダを搭載し、4倍の長時間録画モードとDVDへのハイビジョン録画に対応する。「DMR-BR500」は、250GBの内蔵HDDと地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各1基ずつ搭載するシングルチューナーモデル。「DMR-BW800」は、500GBのHDDと地上・BS・110度CSデジタルチューナー各2基、地上アナログチューナー1基を搭載するモデルだ。


 ソニーは、トップ10中5製品がランクイン。「T・L・A・X」の4つのシリーズを展開する。4位「BDZ-T70」と6位「BDZ-T50」、7位「BDZ-T90」に入った「T」シリーズは、録画機能に特化したスタンダードなシリーズ。HDDに録画した1時間の番組を、約3分でダビングする「高速ハイビジョンダビング」機能や、登録したキーワードに関連した番組を自動で録画してくれる「x-おまかせ・まる録」機能など、便利な録画機能を豊富に備える。HDD容量は「BDZ-T70」が320GB、「BDZ-T50」が250GB、「BDZ-T90」が500GB。


 3社の製品が仲良くランクインしているように見えるが、BDレコーダーの競争は激しさを増している。7月最終週のメーカー別販売台数シェアは、シャープ、ソニー、松下の3社が拮抗。34.8%で1位を獲得したのはシャープ。5月第1週では14.7%に留まっていた同社だが、7月上旬の新製品発売後に急激にシェア伸ばし、ソニーと松下を一気に追い抜いた。しかしその差はわずかで、2位ソニーは32.7%、3位松下は30.5%と、三つ巴の状況になっている。

 レコーダーはイベント開催期間中でも、売り上げが伸びる可能性が高いといわれる製品で、日本人選手の活躍次第では、これから販売が大きく伸びることも考えられる。オリンピックのメダル争い同様、メーカー間のシェア争いも白熱しそうだ。


●従来型でもハイビジョンは楽しめる! VHS搭載モデルも人気

 従来型のDVDレコーダーでも、HDDに保存すれば、フルHD画質の番組を録画・視聴することはできる。BDに対応していないため、ハイビジョンの番組をそのままの画質で光ディスクに保存できないというだけだ。最近では、搭載するHDDの容量が250GB-1TBと大容量化が進む一方で、価格も徐々に値下がり傾向にある。シンプルにデジタル放送の番組を録画して視聴するならDVDレコーダーで十分といえる。

 また、松下や東芝の一部機種では、DVDレコーダーにも「MPEG-4 AVC」エンコーダを搭載したモデルを発売している。「MPEG-4 AVC」方式で圧縮することで、デジタル放送をハイビジョン画質で圧縮してDVDに録画することができる。DVDの記録容量が少ないため、BDのように長時間のコンテンツを記録することはできないが、1-2時間のハイビジョン番組ならDVD1枚に保存することは可能だ。なお、この方式で記録したDVDは、基本的には録画した機種でないと再生できないので注意したい。

 いくつか制約はあるものの、DVDレコーダーでもまだまだ十分楽しむことができる。では、実際にどういった製品が売れているのか、7月最終週の「BCNランキング」で売れ筋をみていこう。
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 この期間もっとも売れたDVDレコーダーは、シャープの「DV-AC82」。08年3月発売のモデルで、250GBの内蔵HDDと地上アナログ、地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各1基ずつ搭載する。シングルチューナーモデルだが、液晶テレビ「AQUOS」と連携した2番組同時録画が可能だ。

 2位は、松下の「DMR-XP12」。250GBの内蔵HDDと地上アナログ、地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各1基ずつ搭載したモデル。「MPEG-4 AVC」エンコーダを搭載し、DVDにフルHD画質の番組を録画できる。DVD-RAM/DVD-Rなら約1時間40分、DVD-R DL(片面2層)なら約3時間の記録が可能。


 今回のランキングで注目したいのは、3・6・9位にランクインしたVHS搭載モデルだ。通常のDVDレコーダー機能と、VHSビデオデッキの機能を合わせもった2in1タイプとHDDを搭載した3in1モデルがある。

 これらのタイプは、VHSテープに録画してある番組を、DVDにダビングすることが可能だ。なかには、HDD→VHS、DVD→VHSなど、双方向のダビングに対応したモデルもある。「昔から大事にしているビデオ(VHS)テープの番組を、DVDにダビングして残したいという相談が多く、年配者を中心に売れている」と、大手量販店の店員が話すように、使い慣れたビデオテープに対するニーズは依然高いようだ。

 3位に入ったシャープの「DV-ACV52」は、HDD・VHS・DVD3つの機能を搭載した3in1タイプで、HDD容量は250GB。地上・BS・110度CS対応のシングルチューナーモデルだが、液晶テレビ「AQUOS」と連携して2番組同時録画が可能。また、3in1タイプながら、VHSビデオデッキとほぼサイズの省スペース設計を実現した。


 6位の松下「DMR-XP22V」は、250GBのHDDを搭載した3in1タイプで、08年2月に発売した最新モデル。「MPEG-4 AVC」エンコーダを搭載し、DVDへのフルHD録画に対応する。「ジャンル別番組表」や「新番組おまかせ録画」など、最新の予約録画機能も備えている。

 9位は、ディエックスアンテナの「DVR-120V」で、DVDとVHS機能を搭載した2in1モデル。本体のダビングボタンひとつで、VHS→DVD、DVD→VHSのダビングが可能。なお、同モデルは、デジタルチューナーを搭載していないため注意したい。

 また、東芝の製品は3モデルがランクイン。7位の「RD-S302」は、HDD容量300GBと「MPEG4 AVC」エンコーダを搭載したモデル。CPRM対応のDVD-R/RW/RAMにハイビジョン画質での記録が可能だ。

 7月時点でのDVDレコーダーの平均単価は5万4000円と、かなりお手頃な価格になってきた。なかには2万円台のモデルも存在するが、安価なモデルは、アナログチューナーのみのモデルや再生DVDの種類が限られているモデルが多い。購入の際には、価格だけに惑わされるのでなく、HDD容量や録画機能、チューナーの数などもしっかりとチェックしてから、製品を決めるといいだろう。

●BDレコーダーとDVDレコーダーはどっちが買いか

 BDレコーダーとDVDレコーダーの7月時点の販売構成比をみてみると、BDレコーダーが台数では43.2%を占め、半数に手が届くまでになった。さらに金額では60.4%と過半数を占め6割台に到達しているのがわかる。少なからずオリンピック効果もあるものの、ここにきてBDレコーダーのラインアップが揃ってきたことから、商戦が本格化していると見られる。とはいえ、現時点では、BDとDVDがほぼ互角といえる状況だ。いま買うなら、どちらを選べばいいのだろうか?


 BDレコーダーは、まず、BDソフトを視聴できる、という点で有利だ。自宅の薄型テレビで、映画やアニメなどのパッケージソフトをフルHD画質のまま堪能することができるのは大きい。バンダイビジュアルや、20世紀フォックスホームエンターテイメント、ワーナー・ホーム・ビデオ、ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメントなどの映像大手も、次々にBDタイトルをリリース。レンタル会社「TSUTAYA」は、7月19日から全国1393店舗でBDソフトのレンタルを開始するなど、BDソフトのラインアップが今後拡大していくことは確実だ。

 また、BDのディスク自体も、6層200GBや4層100GBの記録容量を持つ次世代BDの開発が進められており、さらなる大容量化が期待できる。7月時点でのBDレコーダーの平均単価は11万2000円と、DVDレコーダーの約2倍と高価ではあるが、高画質・大容量時代を見据えた場合、決して高い買い物ではないといえる。

 一方、DVDレコーダーは「時代遅れ」かというとそうでもない。先に述べたとおり、HDDへのフルHD番組の録画という点において、BDとDVDレコーダーの違いはない。デジタル放送番組は1時間あたり約7.5GB(HD画質)と、容量が大きいため、多くの番組をHDDに残しておくことはできないが、「観たら消す」という使い方なら、DVDレコーダーでも十分だ。

 今年は、次世代光ディスクの規格争いが決着したのに加え、レコーダーの用途を狭めていたコピー制限についても「ダビング10」により緩和された。そして、8月8日に開幕した北京オリンピックと、レコーダーを購入するタイミングとしては申し分ない。高画質・大容量モデルならBDレコーダー、価格重視・多機能モデルを求めるならDVDレコーダーと、自分に合ったレコーダーを選んでみてはどうだろうか。(BCN・津江昭宏)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。