07年のケータイ冬モデル、トレンドとおすすめ機種はコレだ!

特集

2007/12/17 12:40

 新しい販売方式の導入などで、昨年の番号ポータビリティ導入以来の盛り上がりを見せている今年の携帯電話冬商戦。07年の冬モデルではNTTドコモが春商戦モデルを含む23機種、au(KDDI)が9機種、ソフトバンクモバイルが10機種の合計42機種の新製品を発表。順次発売され、店頭も大にぎわいだ。一方、これだけ機種数が多いと、「どのケータイを選べばよいか分からない」と迷っている人も少なくないだろう。そこで、07年冬のケータイの最新トレンドと各社のおすすめ端末を紹介していこう。

●07年冬のケータイは「高速通信」「ワンセグ」「デザイン・コラボ」がキーワード

 07年冬のケータイのトレンドで1つ目として挙げられるのが、「高速通信」への対応だ。冬モデルでは、「HSDPA」や「CDMA2000 1X EV-DO Rev.A」という高速通信規格に対応した端末が非常に多い。「HSDPA」は、ドコモとソフトバンク、「CDMA2000 1X EV-DO Rev.A」はauが採用している。



 両方の規格ともにデータ容量が小さなケータイのコンテンツを閲覧する場合でも、スピードが従来よりも段違いに速い。そのため、コンテンツを閲覧する快適度が大幅に向上する。だから、自分が購入しようとしている端末が高速通信に対応しているかは、必ずチェックしておこう。

 2つ目がワンセグの受信機能だ。ワンセグとはケータイなどの携帯機器向け地上デジタル放送のこと。ユーザーに人気が高いため、多くの端末が標準機能として搭載するようになってきた。ワンセグの受信だけでは横並びになってしまうため、携帯電話会社では高画質技術や便利機能を盛り込むことで、他社との差異化を図っている。だから、今やワンセグは当たり前と考え、画質や機能まで注目しよう。


 3つ目は「デザイン」と「コラボレーション」。ケータイはネット接続やワンセグ受信などの搭載する一方で、機能面での違いを出すことが難しくなっている。そこで、携帯各社は形状や薄さ、プレミアム感といった付加価値に注目。冬モデルでは有名ブランドやデザイナー、アニメキャラクターなどとコラボレーションしたケータイを投入している。


 では、07年冬モデルの傾向がわかったところで、次からは携帯電話3社のおすすめ機種を紹介していこう。

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■NTTドコモ

●P905i(VIERA<ビエラ>ケータイ、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)

 縦横両方に開けるWオープンスタイルを採用し、ワンセグやフルブラウザを、横スタイルでも快適に利用できる。松下電器産業の薄型テレビ「VIERA(ビエラ)」の技術を応用し、高画質なワンセグ映像を表示する。「905i」シリーズで標準機能のHSDPAの高速通信「FOMAハイスピード」や、3GとGSM方式の国際ローミングに対応。カメラは有効510万画素で、現行のケータイでは最高峰の性能を誇る。

●N905iμ(NEC製)

 デザイン重視で選ぶユーザーにおすすめなのが、厚さ12.9mmを実現したこのモデルだ。ワンセグ機能は搭載していないが、iモードブラウザのタブ表示や、5つのサイトを一斉に開くことができるワンタッチマルチウィンドウなど、高速通信を活かす機能が充実。「FOMAハイスピード」や3G/GSMの国際ローミングにも対応する。

●D905i(三菱電機製)

 ワンセグのスポーツ番組で一番盛り上がったシーン、音楽番組でトーク場面などをカットして、楽曲場面だけを自動的に抽出する「ハイライト再生」を搭載。ワンセグ視聴の新しい形を提案している。また、前モデル「D904i」から引き続き、「モーションコントロール」機能を搭載。端末の向きを変えるだけで、ワンセグやフルブラウザが縦横に自動的に切り替わる。もちろん、「FOMAハイスピード」や3G/GSMの国際ローミングにも対応している。


■au(KDDI)

●W54SA(三洋電機製)

 auの携帯電話の新プラットフォーム「KCP+」を採用。待ち受け画面にブログの更新情報や検索窓を設置できる「au one ガジェット」、複数の機能を同時に起動可能な「マルチプレイウィンドウ」を利用できる。ワンセグや高速通信にも対応。auの冬モデルでは、唯一、ワイドVGAディスプレイを搭載。液晶パネルは3.0インチの高精細なIPS(横電界)方式で、ワンセグやサイトもクリアに見ることができる。

●W56T(東芝製)

 auの新プラットフォーム「KCP+」に対応し、「au one ガジェット」や「マルチプレイウィンドウ」などを利用できる。ディスプレイは2.8インチの有機ELを搭載。縦方向に360度回転させる「リバーシブルスタイル」を採用した。横画面でも視聴しやすい。ワンセグの起動もスムーズだ。 

●INFOBAR 2(三洋電機製)

 デザイン重視派におすすめなのが、プロダクトデザイナーの深澤直人氏が手がけた「INFOBAR 2」。溶けかけた飴をモチーフにした、丸みを帯びたボディが特徴だ。有機ELディスプレイを採用。内蔵アンテナを採用したワンセグ受信やおサイフケータイなど機能を搭載。優れたデザインだけでなく、機能で選んでも、きっと満足できる端末に仕上がっている。


■ソフトバンクモバイル

●920SH(AQUOS<アクオス>ケータイ、シャープ製)

 ディスプレイを90度回転させる「サイクロイドスタイル」が特徴のAQUOS(アクオス)ケータイの第4弾。ディスプレイには「NewモバイルASV液晶」を採用、映像調整機能「SVエンジン+」を搭載し、定評のあるワンセグの表示画質機能に磨きをかけた。名刺リーダー機能、3G/GSMによる国際ローミング対応を新たに搭載。WMAファイルの転送・再生が可能な「S!ミュージックコネクト」にも対応する。

●913SH G TYPE-CHAR(シャア専用ケータイ、シャープ製)

 根強い人気を持つアニメ「機動戦士ガンダム」の登場人物、シャア・アズナブルをモチーフにした、コラボレーションケータイ。07年夏モデルの端末「913SH」をベースに、細部に渡るマーキングをはじめ、内蔵コンテンツなど、シャア専用の仕様が満載で、ファンが喜ぶような端末に仕上げた。12分の1スケールでシャア専用ザクの頭部をかたどった充電台が付属。充電中に端末本体がザクのモノアイになるという仕掛けも用意されている。

●920T(東芝製)

 高速通信やワンセグなど冬モデルで主流の機能をすべて搭載したハイエンド端末。スライドタイプで、端末を閉じたままでもワンセグが見ることができる。太陽光の乱反射を抑えるクリアスクリーン液晶や、輪郭強調などの画質調整機能を搭載しており、クリアな映像を楽しめる。また、ソフトバンクの冬モデルでは、唯一、GPSに対応している。



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●新しい販売方法の導入で、2年の使用を考えた機種選びが重要に

 今回紹介した機種はハイエンド端末を中心にピックアップしているが、これには訳がある。それは携帯各社が新しい販売方法を導入したからだ。

 ドコモ、auは補助金を出して端末を安く購入できるコース「ベーシックコース」(ドコモ)「フルサポートコース」(au)と、補助金が出ない代わりに月の基本使用料が安くなるコース「バリューコース」(ドコモ)「シンプルコース」(au)を11月から開始した。

 補助金が出るコースは2年の継続利用契約を結ぶことが条件。ドコモ、auともに補助金分を差し引いた端末の代金は一括払い。もし、2年以内で機種変更すると解除料が発生する。

 補助金が出ないコースは従来よりも端末の価格が高くなるが代わりに月額の基本料が安くなる。支払いはドコモは割賦が可能。支払い回数は一括、12回、と24回から選択できる。ソフトバンクも昨年から割賦販売「新スーパーボーナス」を開始しており、端末の代金を一括、12回、24回で支払う。auの場合は割賦はなく、一括払いになる。

 補助金が出るコースでは2年間の利用という縛りがある。解除料などを気にしないという人は別だが、2年以内に機種変更した場合には端末の価格が実質的には割高になってしまう。

 一方、割賦の場合、支払う金額から支払い回数を12回(約1年)や24回(約2年)にする人は多いだろう。さらに月々の支払い金額のことを想定して24回を選ぶユーザーは少なくないはずだ。支払い期間中に機種変更もできるが、ただし、前の機種の残金や新しい機種の代金で負担は重くなる。一括払いの場合は関係ない。

 こうした点を考えると、新しい販売方法では、一度端末を購入したら、2年間は機種変更をしないほうがよいだろう。そのため、2年間使っても最新端末に負けないような性能の「ハイエンド端末」を購入時に選んだほうが、失敗する可能性は少なくなる。

 もちろん、今回紹介した端末や購入の機種の考え方はあくまでも目安にすぎない。一番大切なのは、実際に店頭でじっくり比較することだ。そして、自分にピッタリの端末を見つけよう。