世界各地から最先端のフラットパネルディスプレイ(FPD)が集まる展示会「FPD International 2007」が10月24日、神奈川県・パシフィコ横浜で開幕した。液晶やプラズマ、有機ELを初め、部品・材料、製造装置、検査装置など、FPD関連企業や団体が出展。出展社数は世界10か国、330企業・団体に達した。

 今年のキーワードは、なんといっても「薄さ」。各社とも、液晶パネルや有機ELなど、0.1mm単位で薄さを競い合っている。一番目立っていたのは、セイコーエプソンが参考出展した「究極の黒」を表現する8型の有機ELディスプレイ。先日、ソニーが発表した有機ELテレビ「XEL-1」の厚さ3mmよりもさらに薄い2.8mmを実現した。


  展示した有機ELは、画素数が幅800×高さ480、輝度が200cd/m2、コントラスト比が100000:1以上。画像の質を左右する「黒」の表現を追求したほか、実用化に向けた技術課題として残されていた、寿命の問題を改善し、実用化レベルである寿命5万時間以上を達成したという。

   同社担当者は、世界最薄の有機ELを生み出したことについて、「薄さで各社と競い合うつもりはない。それよりも画質の良さ、有機ELの良さをアピールしていきたい」とコメントした。

  また、モバイル機器用の液晶ディスプレイでも、「薄さ」争いがし烈になっている。シャープのブースでは、モバイル機器用としては業界最薄の「新モバイルASV液晶」パネルが展示してあった。その厚さはわずか0.68mm。



  薄さだけではなく、ディスプレイとしての性能も高めた。パネルサイズは2.2型と小さいが、コントラスト比はモバイル機器用液晶ディスプレイとして業界トップクラスの2000:1を実現。画素数は240×320(QVGA)で、視野角は上下左右とも176度、応答速度は8ms。

   モバイル機器用ディスプレイの薄さでは、日立ディスプレイズや東芝松下ディスプレイテクノロジーも負けていない。両社とも、0.99mmの薄さを実現した液晶パネルを展示している。日立は、画素数240×320(QVGA)、輝度250cd/m2の2.4型パネルを展示。東芝松下は、2.4型(240×320)、2.6型(240×400)、2.8型(240×400)の3モデルを参考出品した。



  このほか、NEC液晶テクノロジーは2D/3D混在表示対応の液晶パネルを展示。このパネルは、特殊メガネなしに3D映像を楽しめるだけではなく、例えばテキスト部分は2Dで、動画部分は3Dで、というように1つの映像の中で2Dと3Dを同時に表示することができる。また、スイッチ1つで2Dと3Dを切り替えが可能。ブースでは9.0型だけではなく、2.7型、3.0型サイズも展示。担当者は「3D対応の携帯電話向けコンテンツなどが増えれば、携帯電話への搭載も検討している」と話し、3Dコンテンツの増加に期待を寄せていた。



「FPD International 2007」=http://techon.nikkeibp.co.jp/fpd/2007/


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