NEC、折り畳んで持ち運びもできる広帯域ウェアラブルアンテナ試作機を開発

ニュース

2007/10/17 10:06

 NECは10月15日、広帯域ウェアラブルアンテナ(WWA、Wideband Wearable Antenna)試作機の開発に成功したと発表した。

 開発したWWAは、導電性の布を用いた携帯型の高性能アンテナで、洋服などさまざまなものに付けたり、折り畳んで持ち運ぶこともできるため、電波状態が悪いエリアの補助アンテナとして活用することができる。

 一般に、アンテナは自由空間中で動作させることを前提としており、人体などの近くで用いると電力の抵抗を表すインピーダンス特性が劣化し、抵抗が増加し十分な性能が発揮できない。これに対しWWAは、衣服に装着するような人体のそばでも自由空間でも、インピーダンス特性が劣化しないように設計した。

 また、導電性の布を用いた場合、これまではハンダ付けができないことが問題となっていたが、今回小さなフレキシブルプリント基板に同軸ケーブルで給電(ハンダ付け)し、その基板を容量結合させることにで、給電が行えるようにした。

 NECでは、まず470MHz?770MHz帯で地上デジタル放送の受信検証を実施。その後、WiMAXなど将来的な端末の外部アンテナとしての可能性を検証し、将来の実用化を検討しながら開発を進める。

NEC=http://www.nec.co.jp/