「デジタルホーム」主役はPC?、つながる・モバイル・高画質処理がポイント

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2007/10/11 10:43

<strong>――CEATECパネルディスカッション、主要PCメーカーのキーパーソンが集結</strong><br />
 このところデジタル家電の勢いに押されぎみのPC。携帯電話が高機能化しテレビでもWebサイトが閲覧できるようにもなるなど、PCの存在感は日増しに薄らいでいる。デジタル化する家庭のなかで、今後PCはどんな存在に変化するのか――。この問いに応えるべく、日本の主要PCメーカーが集結して、「PCの未来」を題材にしたパネルディスカッションが「CEATEC JAPAN 2007」で開かれた。

●主要PCメーカーにマイクロソフトも参加しての大激論

 10月2日から6日まで開催された「CEATEC JAPAN」は今年で8回目。薄型テレビの技術革新や、新世代DVDの登場で過去最高の盛り上がりを見せた。出展は、過去最多の895社・団体で、6日間の合計来場者数は初めて20万人を突破。「アジア最大のIT・家電イベント」の地位を確立したといえるだろう。

 「CEATEC JAPAN」は、各メーカーの展示だけでなくシャープなど大手企業幹部の基調講演やプレゼンテーションが豊富なのも特徴。特別セッションの1つとして、10月5日の午後に開催されたのが、主要PCメーカーが集まった特別討論会だ。顔ぶれは「豪華」のひと言で、NECパーソナルプロダクツ、ソニー東芝富士通の主要国内PCメーカー4社に加え、インテル、マイクロソフトが参加。パソコン雑誌編集長が仕切り役となり、「PCの未来」について議論した。


 テーマは、「パソコンが拓くデジタルホームの未来」。デジタル化した家庭「デジタルホーム」のなかで、「パソコンはどんな役割を果たすのか」をメインに各社持論を展開した。登壇者は、NECパーソナルプロダクツの高須英世社長、ソニーの石田佳久・業務執行役員SVPVAIO事業本部本部長、東芝の下光秀二郎・執行役上席常務PC&ネットワーク社社長、富士通の五十嵐一浩・経営執行役パーソナルビジネス本部長に加え、インテルの吉田和正共同社長とマイクロソフトの眞柄泰利・執行役専務デジタルライフスタイル推進・OEM担当が参加。各メーカーともに今のPC業界を背負って立つキーパーソンだ。


 それぞれ持ち前の技術や機能をPRし合ったが、各社でほぼ共通して口にしたキーワードが3つ浮かび上がってきた。それが「つながる」「モバイル」そして「高画質処理」。「つながる」は、インターネットにつながる家電が増え、PCのデータを他の機器でも楽しむための「連携」機能を指し、「モバイル」は外出先でも家庭と同じネットワークサービスとコンピューティングパワーを受けられる環境整備と技術を意味する。「高画質処理」は、ハイビジョン化が進めば進むほどデータが重くなり、高い画像処理能力が今以上に求められる。そのためのテクノロジーのことだ。


 NECパーソナルプロダクツは、PCやホームサーバーの遠隔操作を実現するための「リモートスクリーンテクノロジ」など3つの技術を研究中であることを明らかにした。またソニーは、撮影した映像を簡単に編集できる自社開発ソフト「VAIO Movie Story」を紹介。東芝は、容量の大きい映像データの録画・圧縮プロセッサ「SpursEngine」の優位性を説明し、富士通は約580gの超軽量モバイルPC「FMV LOOX U」で実現するモバイルライフを提案した。

 一方、CPUメーカーのインテルは、モバイルネットワーク環境の向上を狙う次世代ネットワーム技術「モバイルWiMAX」の重要性を強調し、マイクロソフトは、Windows Vistaのガジェットのメリットを説明した。6社の具体的な取り組みはすべて「つながる」「モバイル」「高画質処理」につながっていることが分かるだろう。

 これらの次世代技術を披露した後に、「デジタルホームの中心はPCか?」の議論で、ソニーの石田氏は「PCだけでデジタルホームが実現できるわけでない。他の家電と連携してこそ、理想のデジタルホームが作られる」と説明。ただ、「テレビやレコーダーなどさまざまな家電を販売しているソニーの立場でいってよいか分からないが、ソフトもハードもPCがリードしていくのは間違いないだろう」と主張した。また、「個人的な意見だが、私はPCが中心にあり、大画面モニタとスピーカーがあれば十分」とデジタルホームの中心はPCであることを強調した。

 インテルの吉田氏とNECパーソナルプロダクツの高須氏は、PC化する携帯電話と比べた場合のPCの優位性を主張。「若い人は、ケータイしか使わない人が多いが満足していない。外出先でもPCを使えるモバイルテクノロジー、ノートPCの技術進歩でPC市場を活性化できる」と吉田氏は話し、NECパーソナルプロダクツの高須氏は「利用用途の幅広さとコンピューティングパワーはPCが勝っている」と説明した。富士通の五十嵐氏も、「ケータイとPCは今後も棲み分けそれぞれが技術進展していく」とした。

 東芝の下光氏は、画像加工・編集分野でPCの役割は大きくなると持論を披露。「ハイビジョン化が進めば撮影した映像の加工・圧縮保存が求められ、PCの存在感は高まる」と自信を示した。

 マイクロソフトは、実は今年が「CEATEC JAPAN」初参加。眞柄氏は「家電とITの垣根は日増しになくなっている。マイクロソフトが『CEATEC JAPAN』に参加したのがその証」と話した。さらにPCメーカーやソフトメーカーだけでなく放送業界なども巻き込み、次世代PCの在り方を議論する場所が必要とし、各メーカーが賛同して討論会を締めくくった。

 デジタルホームの中心にPCがいるかどうかは不透明。PCの世界を一挙に広げたWindows 95が登場して10年以上経ったが、家電のような馴染みやすさや簡単操作を実現しているとはいいがたい。ただPCは、利用用途の広さという他の家電にない強みをもっている。「PCのポテンシャルを提案しきれていない」(NECパーソナルプロダクツの高須氏)現実を乗り越えることができれば、デジタルホームの中心にPCがいる可能性もある。

 今回の討論会、1週間前に編集部が参加申し込みページをみた時は「受付中」の文字が表示されていた。豪華な面々が揃っているにも拘わらず、「1週間前なのに受付中」の現実に「PCへの興味はやはり薄らいでしまったのか」と感じたが、フタを開ければ長蛇の列。正確な数字は把握できなかったが、約400人は集まっていただろう。PCへの関心・興味は依然高いようだ。

「CEATEC JAPAN 2007」=http://www.ceatec.com/


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