期間も重要な「機能」、サポート長期化の流れ携帯電話ソフトにも

特集

2007/07/09 21:15

 「携帯電話ソフト」の市場が活気づいている。新端末は続々と登場しているが携帯電話だが、いざ新端末に買い替えるとなると、必要になるのがアドレス帳や写真などのデータなどの引っ越し。こうした作業はショップに頼めば代行してくれることが多いが、必要最低限のデータ移行のみ、という場合がほとんど。そこで活躍するのが携帯電話ソフトだ。最新動向を「BCNランキング」で探った。

●ここでも人気「ZEROシリーズ」

 07年7月の第1週(7月2日‐7月8日)の販売本数シェアでは、シェア20.1%でソースネクストが6月29日に発売した「携快電話ZERO 全キャリア用」が1位を獲得。2位もシェア16.4%で同社の「携快電話ZERO FOMA/SoftBank 3G用」で、発売からわずか10日で、1位・2位を「ZEROシリーズ」が独占した。3位にはシェア12.6%でジャングル「携帯マスターNX2 NTTドコモ FOMA」(6月14日発売)が入った。



 1位のソースネクスト「携快電話ZERO 全キャリア用」は、NTTドコモのほかauやSoftBank、WILLCOMにも対応する携帯電話ソフト。初心者にも携帯電話のデータを簡単に移し替えることができる「簡単!ナビ」機能を搭載した。デジタルカメラの写真やムービーのデータはバックアップするだけでなく、加工や編集することもできるのが特徴。



 また、メールのバックアップ機能ではFOMA機種の「デコメール」のバックアップにも対応。メモリカードからデータを読み込むこともできる。

●ジャングル急拡大、長期サポートと価格に注目

 過去6か月の携帯電話ソフトの市場を見てみると、4月までは50%前後のシェアを握っていたソースネクストの独壇場。しかし、5月に入るとシェアが下がリ始め、5月で44.2%、6月で33.5%と、と大きく後退した。一方、これまで2位に甘んじていたジャングルは、5月が24.7%、6月で37.1%とシェアが急拡大しトップに躍り出た。





 原動力は「携帯マスターNX2」。ソースネクストの「携快電話ZERO」より発売時期が早く、NTTドコモの夏モデル発売にいち早く対応したことは大きい。さらに、これまでの6か月から2年へとサポート期間を大幅に延長したこともポイントだ。そして価格。携帯電話会社ごとに専用のソフトにすることで、例えば「携帯マスターNX2 NTTドコモ FOMA」なら1980円と2000円を切る価格を実現したことも、シェア拡大を後押しした。


 サポート期間を2年にした理由についてジャングルでは「携帯電話の技術進歩は早く、(あまり長い期間サポートしても、その間)接続ケーブルが変わってしまう可能性が高い。また5年、10年といった長期間のサポートよりもユーザーのニーズに合う安くてよい製品を開発できるため」(広報グループ)としている。

●ソースネクストは「更新料無料」で迎え撃つ

 一方、ソースネクストの「携快電話ZERO」は、OSのWindows公式サポート期間中はサポートを無料で継続し新機種に対応し続ける。例えばWindows Vista Home Premium/Basicなら2015年まで無料でバージョンアップできる。旧バージョンでは、携帯電話会社ごとに専用のソフトがあったが、今回の製品では「FOMA版」と「全キャリア対応版」のみに絞った。

 価格は、「携快電話ZERO 全キャリア用」では旧バージョンよりも2000円近く高い3970円に設定した。ソースネクストでは「新しい携帯電話が発売されるたびに、新バージョンのソフトを購入しなければならないのは経済的な負担が大きい。これを解消するために『更新料無料』を導入した。接続ケーブルが変わった場合には対応ケーブルのみを販売することで対応したい」(広報チーム)としている。

 「携帯電話ソフト」は、新旧両方の端末に対応しなければ、使い物にならない、という宿命がある。そのため、サポート期間が長いほど、柔軟に機種変更に対応できて有利だ。今回トップ10に登場する製品では、実に8製品が長期のサポートのソフトだった。

 サポート期間が長いソフトを手に入れれば、古い機種用に買ったソフトは最新機種に対応できず、最新機種用のソフトは、古い機種がサポート外、などという漫画のような事態も避けられるというものだ。将来の機種変更も見越した、サポート期間という要素は、「携帯電話ソフト」選びの大きなポイントになっているといえるだろう。(WebBCNランキング編集部・岡本浩一)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。


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