多彩な用途にも対応!最新携帯オーディオの楽しみ方・選び方

特集

2007/07/09 00:00

 携帯オーディオ売場には多彩なモデルが並んでいる。形や大きさもさまざまで、新しい機能を備えたモデルが登場している。ここでは、最新機種のトレンドを紹介しながら、多機能タイプのメリットと楽しみ方にクローズアップ。自分にマッチしたモデル選びのポイントを、いくつかご紹介する。

最新機種の大きなトレンドは「高音質」タイプ


 最新機種を見ていくと、その特徴に「高音質」なサウンド再生をあげるものが多い。もともと携帯オーディオは音楽CDなどの音源を圧縮して、データの容量を小さくして収録するので、原音そのままの音質で再生できるわけではない。各社がうたう「高音質」とは、圧縮するときに失われたサウンド情報を、独自のテクノロジーで補足・調整ながら再生し、より原音に近いサウンドを楽しめるというものだ。


 例えば、東芝の「gigabeat U」シリーズでは、デジタルからアナログに変換する再生時に、音の劣化を抑えるデジタルオーディオ用のプロセッサを搭載。低音域から高音域まで、原音に忠実な再生が可能だという。他のメーカーのモデルでも、同じような独自の回路やオーディオ技術を導入し、「高音質」なサウンド再生を実現している。


カナルタイプのヘッドフォンでさらに「高音質」を実現


 また、付属するヘッドフォン(イヤフォン)の高性能化も大きなポイントだ。数年前から発売されているハイエンドなカナルタイプのヘッドフォンが、標準で同梱されるモデルもいくつか登場してきた。これは、耳栓のように耳の中に挿し込んで装着するタイプで、サウンドをダイレクトに伝えられるのが大きな特徴。また、電車の中などで、他の人に耳障りな「音漏れ」も防ぐことができ、いまでは多くのユーザーが愛用している。


 ソニー「WALKMAN」の最新モデルでは、すべてのシリーズでこのカナルタイプのヘッドフォンを標準装備。松下の「D-snap」でも同様にカナルタイプをセットにするなど、広がりを見せている。さらに、周りの騒音を音の逆位相を利用してカット(軽減)するノイズキャンセル機能を搭載したモデルもある。各社それぞれに「高音質」を競っているのだ。

ムービーやワンセグも楽しめる多機能モデルも話題


 高音質化と平行して、いま話題を集めているのは多機能タイプの携帯オーディオだ。本体にカラー液晶モニタを備え、音楽はもちろんのこと、写真のスライドショーや動画、ワンセグ番組の受信やゲームなどが楽しめる。通勤中やアウトドアでも、さまざまな用途に対応できる1台だ。


 代表的なモデルとしては、やはり「iPod」(アップル)がメジャー。2.5型のQVGA半透過反射型カラー液晶を備えたHDDタイプで、音楽、ビデオ、写真、ゲームが楽しめる。また、ソニーの「WALKMAN Aシリーズ」は、2.0型のQVGAカラー液晶でビデオ映像を再生できるほか、iriverの「X20」も2.2型QVGA液晶を備え、動画再生に対応する。この他にもポータブルムービープレーヤーとして利用可能なモデルが続々と登場している。


 こうした動画対応モデルを選ぶ際のポイントは、対応する動画ファイルの種類をよく把握しておくこと。PCに保存したオリジナルビデオや録画番組の映像などを再生する場合、データのフォーマット変換が必要なケースもあるからだ。また、内蔵するメディアの容量やデータ転送の仕方や速度、連続再生時間も重要なポイントになるだろう。


 さらに、動画対応モデルのなかには、東芝の「gigabeat  Vシリーズ」のように、ワンセグ放送の受信チューナーを内蔵したものも登場している。FMラジオのチューナーを備え、ラジオ番組の録音もできたり、ICレコーダーとしても使える万能タイプもある。


 こうした多機能モデルは当然、価格も割高なので、自分が必要としている機能をどこまでカバーしているかを見極めることが大切だろう。そのうえで、価格と搭載する機能のバランスで、モデルを選ぶことがポイントだ。もちろん、「自分は音楽が聴ければ充分」という人にも、「iPod shuffle」(アップル)や、「WALKMAN Eシリーズ」のように、比較的に手頃な値段でシンプルな仕様のモデルがある。まず、自分の使い方を決めて、それにふさわしい機能を搭載したモデルを探してみよう。