知財高裁は5月30日、セイコーエプソン(エプソン、花岡清二社長)とエコリカ(宗廣宗三代表取締役)が争っていたインクカートリッジの特許をめぐる訴訟で、エプソンの請求を棄却する判決を言い渡した。

 この訴訟は04年12月、エコリカが製造・販売するリサイクルインクがエプソンのインクタンクに関する特許を侵害するとして、エプソンがエコリカ製品の販売差し止めと損害賠償を求めて提訴。06年10に東京地裁が下したエコリカ勝訴の1審判決を受け、エプソンが控訴し知財高裁で争っていたもの。

 今回の判決についてエコリカは、リサイクルインクがグリーン購入法の特定調達品目の認定を受けるなど身近になってきていることしながらも「単に環境に良いからとの理由でメーカーの保有する特許を無視しても良いと言っている訳ではありません」とした上で、「知財高裁判決は、純正品メーカーがリサイクルインクを封じ込めるために、特許の権利範囲を不当に拡大して権利行使を行ったことに対して特許自体を無効とすべきと判断したものであり、環境保護とリサイクル促進の法律が整備され、官民あげてリサイクル品の調達の必要性が叫ばれている社会情勢とも合致した極めて妥当な判断」とのコメントを発表。

 一方エプソンでは、「知的財産保護の活動は、あくまでも法令や企業倫理に違反することなく経営を行う"遵法経営"に則り、他社の権利を尊重すると共に、自社の権利も尊重していただきたいとの考えに基づくもので、非純正品を否定するものではありません」としながらも、今回の判決については、「判決は特許法の誤った法令解釈に基づく不当なもの」として「最高裁への上告受理の申立てをする方向で検討中」としている。