松下電器産業の独壇場であるプラズマテレビ市場で、日立製作所が健闘している。「BCNランキング」の07年2月第2週(2月5-11日)に同社の37V型「W37P-H90」がシェア15.6%で初の第1位を獲得、以降2月第4週(2月19-25日)まで3週連続でトップを走っているからだ。普及モデルで、都内大手量販店での実勢価格が約16万円と、「価格が安いことで人気を集めている」(大手量販店店員)のが理由のようだ。

 松下電器産業の独壇場であるプラズマテレビ市場で、日立製作所が健闘している。「BCNランキング」の07年2月第2週(2月5-11日)に同社の37V型「W37P-H90」がシェア15.6%で初の第1位を獲得、以降2月第4週(2月19-25日)まで3週連続でトップを走っているからだ。普及モデルで、都内大手量販店での実勢価格が約16万円と、「価格が安いことで人気を集めている」(大手量販店店員)のが理由のようだ。


 「W37P-H90」は、普及モデルでありながら、ハイビジョンと同じ垂直方向で1080画素の解像度を持つプラズマパネル「1080ALISパネル」を採用。赤色の発色を大幅に改善することで、色の再現性を向上させた。


 左右のスピーカー部に独立したバスレス方式の低音用ウーハー1個と中高音用のミッドレンジスピーカーと高音用ツイータで構成するスピーカーシステムを装備し、総合36Wの迫力ある音声が再生できる。06年の12月第4週(12月18-24日)から1位を維持してきた、松下の37V型普及モデル「TH-37PX60」を追い抜いて1位に立った。

 日立の「W37P-H90」と松下の「TH-37PX60」のおもな違いは、表示画素数とコントラスト。表示画素数は、「W37P-H90」が水平1024×垂直1080画素なのに対し、「TH-37PX60」は水平1024×垂直720画素。コントラスト比は「W37P-H90」が3000:1で、「TH-37PX60」は4000:1となっている。価格は都内の大手量販店での実勢価格は「W37P-H90」が約16万円、「TH-37PX60」は約18万円で、その差は約2万円だ。

●価格が安い37、42V型が人気を集めるが、下落には歯止めの兆しも

 日立の「W37P-H90」が1位になった背景にあるのは価格下落だ。06年にはプラズマテレビも、売れ筋の37、42V型の価格が急速に下がった。「W37P-H90」もメーカーでは30万円を想定価格としていたが、現在は半分近くまで安くなった。06年の年末商戦では大型モデルが注目されたが、市場では依然として価格が安い37、42V型を消費者が支持しているようだ。

 実際、ランキングでもトップ10には日立の「W37P-HR9000」、松下の「TH-37PX600」といった37V型の上位モデルが2機種、松下の普及モデル「TH-42PX60」、上位モデル「TH-42PX600」、日立の上位モデル「W42P-HR9000」などの42V型が4機種入り、ランキングのほとんどを37、42V型が占めた。一方、50V型以上の大型モデルは松下の50V型「TH-50PZ600」とパイオニアの50V型「PDP-507HX」だけだ。

 しかし、ここにきて価格下落にも歯止めがかかってきたようだ。「BCNランキング」でプラズマテレビの37、42V型と、液晶テレビの32、37V型の税別平均単価推移を見ると、07年1月以降は一定の水準で落ち着いている。


 例えば、プラズマテレビの37V型は18万円前後で推移しており、液晶テレビも37V型は20万円前後、32V型は13万円前後で安定している。また、プラズマテレビの42V型も22万円前後で安定してきた。

 一方、液晶テレビの40、42V型については、まだ若干の下落傾向が続いている。40V型は1月には22万円前後だったが2月には20万円程度に下がった。42V型も1月の30万円程度から2月には28万円前後まで落ちてきている。06年の年末商戦で、メーカー各社が多く新製品を発売したのがこのクラスの液晶テレビであるため、価格競争が進んだものと考えられる。

 37V型では、プラズマテレビは液晶テレビより2万円ほど安い。しかし、液晶テレビでは、すぐ下のクラスに37V型プラズマテレビよりもさらに5万円も安い32V型の液晶テレビもある。

 そのため、量販店の店頭では、37V型のプラズマと32V型の液晶を比較検討する人も多いという。その結果、37V型プラズマテレビを購入するのは「スポーツ、映画なといった視聴するコンテンツにこだわりがある人」(同)が多く、プラズマの特徴である動画応答性能やコントラストの高さが選択のポイントになっているようだ。

●普及機の人気でシェア拡大の日立、松下は60%を割り込む

 メーカー別シェアに目を向けると、日立が普及機で躍進したことで、これまで松下の独占状態だった市場に動きが出てきた。日立は「W37P-H90」を発売した06年9月以降、20%台半ばだったシェアを徐々に伸ばし、07年1月には30%を越え、2月には35.1%まで伸ばした。


 一方、松下は06年10月には70%の圧倒的なシェアを誇っていたが、07年1月には60%を割り込み、2月には57.4%までシェアを落としている。松下は9月にフルハイビジョン(フルHD)で50V型以上のモデル4機種を発売。06年の年末商戦に向け、大型モデルに主軸を移したが、それよりも消費者は7月に発売した「TH-37PX60」や42V型の「TH-42PX60」といった普及機を支持したようだ。

 薄型テレビは買い替え需要が発生しており、メーカーでは大型モデルの売り込みに躍起だ。液晶テレビではメーカー各社は32、37V型からフルHDなどの付加価値を武器に40V型クラスへのシフトを働きかけている。しかし実際はこのところ伸びているのは20V型台前後の2台目需要に適したサイズ。40V型台へのシフトも一服といったところだ。

 プラズマテレビの売れ筋は依然として37V型クラス。しかし2月第4週では、40V型クラスの台数シェアも40%前後にまで拡大しており、徐々に大型にシフトしてきている。一方、50V型以上のクラスは、20%未満の15%前後で推移するに留まっている状況だ。

 店頭では「42V型が販売の中心となる流れが出てきているが、50V型以上はまだ本格化していない。また、37V型のニーズも依然として高い」(同)という声も聞かれた。プラズマテレビの得意の大型モデル、特に50V型以上の市場がいつ立ち上がってくるのかが、今後の注目ポイントの1つといえそうだ。(WebBCNランキング編集部・米山淳)


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