BCN(奥田喜久男社長)は1月18日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」を使ったパソコンやデジタル家電の06年の年末商戦と年間動向の概況を発表した。薄型テレビは依然として堅調。12月にはワールドカップ需要と同程度の伸びを示し、大型化も進んでいる。デジタルカメラも8月以降は一眼レフ・コンパクトタイプ共に前年の水準を上回った。一方「Windows Vista」発売を目前に控えるPC市場は水面下での推移に終始したが、07年春までには回復が見込めそうだ。

 BCN(奥田喜久男社長)は1月18日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」を使ったパソコンやデジタル家電の06年の年末商戦と年間動向の概況を発表した。薄型テレビは依然として堅調。12月にはワールドカップ需要と同程度の伸びを示し、大型化も進んでいる。デジタルカメラも8月以降は一眼レフ・コンパクトタイプ共に前年の水準を上回った。一方「Windows Vista」発売を目前に控えるPC市場は水面下での推移に終始したが、07年春までには回復が見込めそうだ。

●大画面化、フルハイビジョン化が進む薄型テレビ市場

 薄型テレビの年末商戦は06年11-12月にピークを迎え、06年11月の販売台数は前年同月比で146.1%。同年12月は140.6%だった。06年12月のタイプ別の販売台数では、液晶テレビが同137.1%、家電量販店の売り場を拡大するなどして拡販に努めたプラズマテレビは同175.3%に達した。これはワールドカップ需要で盛り上がりを見せた6月の液晶テレビ同141.1%、プラズマテレビ同170.6%に並ぶ水準。


 年末商戦では、薄型テレビメーカー各社が大画面モデルに注力したが、液晶テレビのインチ別台数では、40-50型未満モデルが前年同月比220.0%に達したほか、プラズマテレビでも40-50型未満モデルが同199.4%に、50型以上は同163.1%と大きく伸びた。液晶テレビ、プラズマテレビとも40型以上の大画面モデルへの移行は順調に進んでおり、その結果、販売金額の低下に一定の歯止めがかかっている。

 さらにフルハイビジョン(フルHD)化も進んでいる。液晶テレビ、プラズマテレビを合算した薄型テレビ市場全体で、フルHDモデルが占める台数シェアは06年12月で06年6月の約3倍の18.5%にのぼる。また、フルHD化がより進んでいるのは液晶テレビ。タイプ別のHD化率は液晶テレビが19.8%、プラズマテレビは8.3%だった。


●リンク機能搭載モデルが3割を占めるHDD-DVDレコーダー市場

 一方HDD-DVDレコーダーでは、薄型テレビなどと連携できるリンク機能搭載モデルの人気が高まった。06年ピークの11月でも前年同月比94.8%、12月も同84.8%と前年割れの水準。販売金額でも11月が同100.6%、12月が同84.6%にとどまった。


 06年の年間販売台数シェアは、1位が松下電器産業、2位がシャープという結果になった。05年は1位ソニー、2位松下、3位に東芝という構図でシャープは4位。ソニー、東芝を振り切って松下、シャープがランクアップした要因は、「リンク機能」と考えられる。

 薄型テレビとHDD-DVDレコーダーを1本のケーブルで接続し、テレビのリモコンでHDD-DVDレコーダーを操作することができるリンク機能は現在、松下、シャープ製のHDD-DVDレコーダーのみに搭載されている。このため、薄型テレビに強いこの2社がテレビとレコーダーをセット販売することに成功し、販売台数を伸ばしたといえそうだ。

 リンク機能搭載モデルが全体に占める割合と、メーカーシェアの推移を四半期ごとにみてみると、まだリンク機能搭載モデルなかった06年第1四半期では、ソニーと東芝がランキングの上位を占めていた。しかし、リンク機能搭載モデルの構成比が大きくなるにしたがって松下、シャープのシェアが拡大。リンク機能搭載モデルの構成比が32.3%に達した第4四半期では、松下のシェアは26.5%、シャープは25.3%まで伸びた。


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●コンパクト、一眼レフともキヤノンが制したデジタルカメラ市場

 デジタルカメラ市場は、06年8月を境に前年同月比プラスで推移している。年末商戦期の9-12月の販売台数は平均して前年同月比で107%。なかでも一眼レフカメラは大きく伸び、06年12月には同189.1%と、06年最大の伸び率をマークした。また06年夏まで前年実績を下回っていたコンパクトカメラも、一眼レフカメラにつられる形で健闘。06年12月には同103.5%と前年並みの水準に回復した。


 06年の年間シェアでは、コンパクトカメラ市場、デジタル一眼レフカメラ市場ともキヤノンが首位を獲得。また、松下、ソニーの2社が新たに参戦し、競争が激化するデジタル一眼レフカメラ市場では、ニコンがシェアを拡大。05年では販売台数シェアで20%以上あったキヤノンとの差を06年では11%までに縮めた。

●「Vista」効果に期待ふくらむPC市場 商戦のピークは3-4月あたりか!?

 07年は間もなく発売される新OS「Windows Vista」をきっかけとする需要の拡大で市場の回復に期待が寄せられている。

 サッカーワールドカップをはじめとしてスポーツイベントの多かった06年。テレビを中心とするAV家電にパイを奪われてしまったのがPC市場だ。年間を通じて前年実績を超えることができない水面下の展開が続いた。特に9-12月の販売台数は平均して前年同月比80%前後で2ケタ減のまま推移。06年12月のタイプ別販売台数では、ノートPCがかろうじて同90.6%と1ケタ台の減にまで戻してきたが、デスクトップPCの伸び率は同66.0%と低水準だった。


 06年の年間シェアではノートPC市場に大きな動きがあった。05年のNECに変わり、06年は東芝が年間首位を奪取。これまでノートPC市場では00-02年はソニー、03-05年はNECが年間トップを獲得しており、東芝がナンバー1になったのは今年が初めて。06年発売のノートPC全モデルにDVDタイトルの視聴に適したワイド液晶を搭載したり、新たな活用シーンを提案しながら、コストパフォーマンスの高さをアピールしてきた。また、軽量・低価格の「dynabook」シリーズから、デジタルTVも視聴できるAVノートPC「Qosmio」シリーズまで、幅広いラインアップを展開しており、広いバリエーションがユーザー層の拡大につながったとみられる。

 また市場活性化の起爆剤として、大きな期待が寄せられるのが「Windows Vista」。「Vista」搭載PCはメモリ容量が大きいなど高スペックで若干割高になる。そのため価格がこなれるまでに多少のタイムラグはありそうだが、3-4月ぐらいにはPC市場の本格的な回復が見込めそうだ。

 なお、06年1年間で販売数量シェア1位を獲得したトップメーカーには「BCN AWARD 2007」が贈られる。「HDD・DVDレコーダー部門」では前述の松下が、また「ノートPC部門」では東芝がそれぞれ初めて受賞した。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。