DVDレコーダーに比べ地味な印象があるDVDプレーヤーだが、06年3月の販売台数は前年同月比で10%増と売れ行きは逆に堅調だ。-11.8%と前年割れしているDVDレコーダーに比べると好対照。なかでも注目はポータブルタイプのDVDプレーヤー。話題のワンセグ対応機も発売されるなど新しい動きもあり、ポータブルタイプの比率も今年に入って2割を超えてきた。さらに販売台数も対前年比で53.5%増と勢いがある。そこで、「BCNランキング」4月第1週(4月3日-4月9日)のデータをもとに最近のポータブルDVDプレーヤー

 DVDレコーダーに比べ地味な印象があるDVDプレーヤーだが、06年3月の販売台数は前年同月比で10%増と売れ行きは逆に堅調だ。-11.8%と前年割れしているDVDレコーダーに比べると好対照。なかでも注目はポータブルタイプのDVDプレーヤー。話題のワンセグ対応機も発売されるなど新しい動きもあり、ポータブルタイプの比率も今年に入って2割を超えてきた。さらに販売台数も対前年比で53.5%増と勢いがある。そこで、「BCNランキング」4月第1週(4月3日-4月9日)のデータをもとに最近のポータブルDVDプレーヤーの売れ筋動向についてまとめた。

●高くても売れるチューナー内蔵のポータブルタイプ

 DVDプレーヤー全体の平均単価は3月現在で1万円台前半と、かなり低価格化が進んでいる。一方ポータブルタイプに限ってみると平均単価は2万円台後半の水準。しかし、05年6月の販売台数を1とする販売台数推移をみても、DVDプレーヤー全体は上下しながらも横ばいベースなのに比べ、ポータブルタイプは今年に入って売れ行きが伸び始め、右肩上がりになってきた。こうして単価が高めなポータブルタイプのほうが売り上げを伸ばしている要因としては、テレビチューナー内蔵タイプなど高機能機が人気を集めているからだ。現に平均価格は4万円前後とさらに高価なチューナー内蔵型がポータブル型の55.2%と過半数を占め、主流になりつつある。



 それではポータブルDVDプレーヤーの売れ筋ランキングをみていこう。まず販売台数シェア12.2%で1位を獲得したのはセントレードM.E.の「JPT-700W」。7型のTFT液晶パネルを搭載し、充電式の付属バッテリーパックで最大2.5時間の連続再生に対応するため、映画などの長時間コンテンツの視聴にも利用できる。1万円台中ごろと価格が安いことが人気の秘密だろう。

 2位は長瀬産業の「AXN4709TN-WH」で販売台数シェア11.7%。7型のTFT液晶パネルを搭載し、2万円台中ごろでテレビチューナーを内蔵したモデル。付属充電式バッテリーで3時間の連続再生ができるほか、MP3/JPEGファーマットに対応しており、音楽を楽しんだり、JPEGで保存したデジカメ画像なども楽しめる。

 3位にランクインしたのはポラロイドの「PDJ-0722」。販売台数シェアは7.4%。セントレードM.E.の「JPT-700W」と同様の7型TFT液晶パネルを搭載しながらも重量は850gと軽く、鞄の中に入れても苦にならない。さらにスクリーンを180度回転可能なので、ベストポジションを調整することができる。バッテリーで連続3時間の再生ができるのが特徴だ。

 このほか目立つのは、シェア4.7%で7位となったカシオの「DV-900W-SR」。「お風呂テレビ」にDVDプレーヤーがついたモデルで、9型と大きな液晶モニタとステレオスピーカーを搭載している。シャワーが直接かかっても大丈夫な防水仕様が最大の特徴だ。付属のリモコンも防水加工が施されており、キッチンなど、水がかかる場所でも安心して使用できる。

 トップ10の機種をながめてみると、実に7機種がテレビチューナー内蔵タイプ。DVDが再生できるポータブルテレビとしてのニーズはかなり大きいようだ。



●早くもワンセグ対応機がランクイン、今後標準となるか?

 テレビといえば、この4月にサービスが始まったばかりのワンセグ。携帯電話で視聴できるデジタル放送のため、移動中でも画面の乱れが少なく、大きなアンテナを建てなくてもきれいな画像が楽しめるとあって注目を集めている。

 ポータブルDVDプレーヤーにもこのワンセグ放送が受信できるものが早くも登場した。松下の「DVD-LX97-S」だ。3月発売されたばかりの新機種で、初めてワンセグチューナーを内蔵。売れ行きも好調で、発売して1か月もたたない時点ですでに4.6%のシェアを獲得し、8位にランクインしているが、今のところワンセグ対応のポータブルDVDプレーヤーはこの機種だけ。7万円-8万円台と高価ながらも売れているのは、競合機種がないからともいえそうだ。同じような使い方ができるという点では、かろうじてソニーのノートPC「VAIO typeT」が対抗馬といえるぐらいだろう。


 「DVD-LX97-S」はワンセグ対応に加え、ポータブルDVDプレーヤーとしての機能も充実している。9型と大ぶりな画面を採用しながら、テレビでは連続9時間、DVDでは連続6時間と長時間ゆったり再生できるバッテリーを付属した。ノートパソコンのようにディスプレイを開けて視聴するだけでなく、タブレットPC風に画面を上に向けて折りたたみ、コンパクトに視聴することもできる。

 いいとこばかりの「DVD-LX97S」だが、画面が大きいということが裏目にでている部分もあるという。ある量販店の店員は、「ワンセグの番組を見る場合、どうしても画像の荒さが気になる。ワンセグ放送は携帯電話での視聴を目的にしているため、配信される画像の解像度が低い。そのため細部が荒くなってしまう」と話してくれた。

 ワンセグ自体の仕様なのだが、確かにドラマなどを見ると、細部の線がちょっと「ガタガタ」した感じがする。またデータ容量が少ないため、コマ数も通常のテレビの半分ほどしかなく、動きがややぎこちない。とはいえ、携帯電話の小さな画面で見るよりは、顔の表情もよくわかって楽しめるのではないだろうか。ことさら高画質に拘らなければ問題はないだろう。ワンセグ対応機はまだ1機種だけだが、テレビチューナー搭載機の人気が高いことを考えると、これからワンセグ搭載機種の広がりも期待できそうだ。それにつれて価格も、もう少しこなれてくることだろう。

 ポータブルDVDプレーヤーの購買者層について都内の大型量販店の店員は、「新幹線の中などで利用する人が多いようだ。また旅行に出かける時、子どもが退屈しないようにアニメなどを見せるために買っていく親も多い」と、やはり旅行で楽しむ用途が目立つと話してくれた。天気予報や速報ニュースなどリアルタイムの情報はワンセグで、映画やドラマはDVDで、という風に使い分ければ遠方への出張や旅行もいっそう楽しいものになりそうだ。


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