NTTドコモは4月4日、ドコモの携帯電話を使ったクレジットサービス「DCMX(ディーシーエムエックス)」を4月28日から順次開始すると発表。これに合わせ東京・表参道や新宿に「DCMX」カフェなどをオープンするなどして、サービス開始3年で1000万人の加入者を見込む。

 「DCMX」は、携帯電話を使ったドコモの決済プラットフォーム「iD」を利用する決済サービス。小額決済の「DCMX mini」と、従来のクレジットカードと同様の機能をもつ「DCMX」「DCMX GOLD」の3種類を提供する。ドコモの契約者を対象とし、決済機能付き携帯電話「おサイフケータイ」対応のFOMA端末で利用できる。

 「DCMX mini」はiモードで申し込み、専用ソフトをダウンロードし暗証番号を入力すれば、すぐに携帯電話で決済できるようになる。利用限度額は月1万円まで。利用時には携帯電話をかざすだけで支払いができ、暗証番号を入力する必要はない。支払いの請求は携帯電話料金と一緒にしてドコモが行う。年会費は無料で、サービス開始は4月28日から。

 一方「DCMX」は月の利用限度額が20万円以上。クレッジトカードを発行するため分割払いやリボ払いにも対応するが、1件1万円以上の決済の際には利用ごとに暗証番号入力する必要がある。支払いの請求は携帯電話料金とは別。カードは提携するVISA、マスターカードが発行する。利用受け付けは5月下旬からで、書類を郵送して申し込む。さらに「DCMX GOLD」も予定しているが、サービス内容、開始時期は未定。

 いずれのサービスも「iD」を導入しているカード会社の店舗であれば利用できる。また、利用店舗の開拓と携帯電話端末のリーダ/ライタの設置は、「iD」を利用するクレジットカード会社が担当。iDのリーダ/ライタ端末の導入を決定している店舗は、4月3日時点で全国に32万件で、06年内にはさらに10万台の設置を予定している。

 NTTドコモの夏野剛・執行役員は、「クレジットカード事業は成長余地が大きい。中でも国内の小額決済の市場規模は57兆円あり、取り扱いはまだその9%に過ぎない。携帯電話でその市場を本気でやる人がいなかったから我われが始めた」とサービスに乗り出した理由について述べた。

 既存のクレジットカード会社やJR東日本の電子マネー「Suica(スイカ)」やビットワレットの電子マネー「Edy(エディ)」との競合については「クレジットカード市場はポテンシャルが大きく、カード会社と食い合いになることはない。SuicaもEdyもプリペイド(前払い)でDCMXはポストペイ(後払い)と別の決済手段で競合しない」と断言した。



 携帯電話市場は加入者数が9000万人と飽和状態。ドコモでもFOMA、movaを併せた総合ARPU(顧客1人当たり月間利用料金)では05年3月期の7200円から06年3月期では6850円と減少を見込んでおり、金融サービスを新たな収益にしたい考え。また、11月には同じ電話番号で携帯会社を変更できる「番号ポータビリティー」導入も控えているが、夏野執行役員は「新サービスは音声・データ以外の収益を得ることができるし、番号ポータビリティーでは既存のドコモ利用者の確保や新規加入者獲得の切り札になる」と自信を見せた。