東芝(西田厚聰社長)は3月31日、世界初となるHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を同日発売したと発表した。すでに一部の家電量販店では店頭に並んでいる。価格はオープンで、実勢価格は11万円前後の見込み。また、4月27日出荷分までは、HD DVDソフト「バイオハザード」「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」を同梱する。

 DVDフォーラムが承認した次世代DVD規格「HD DVD」に準拠した世界初の再生専用プレーヤー。ハイビジョン画質のHD DVDの再生に加え、DVD-Video、録画済みのDVD-R/RW/RAMなど従来のDVDにも対応し、1080i/720Pにアップコンバートして出力することもできる。オーディオ機能は、次世代サラウンドフォーマット「ドルビーデジタルプラス」「ドルビーTrue HD」「DTS-HD」に対応。オーディオ機器と組み合わせて使用することで、高音質なサラウンド音響が楽しめる。

 機能面では、ソフトの再生中にメニュー表示などが行える「ポップアップ・メニュー」、出演者の解説などをサブ画面に同時に表示できる「PinP動画機能」といった、現行DVDでは不可能な「アドバンス機能」を搭載。また、HDMI端子をはじめ、D1/D2/D3/D4出力端子、S1出力端子、コンポーネント端子、LAN端子などを装備した。

 対応するHD DVDソフトは、ポニーキャニオンがオリジナルソフト「夜桜」を世界で初めて4月7日に発売。このほか、「ネバーランド」「SHINOBI」「地球の大自然」「さくら」を第1弾として発売する。さらに、音楽、アニメなど合計23タイトルが順次発売され、年末までには200タイトルが揃う見通し。

 なお米国では、当初3月の発売を予定していたが、著作権保護機能の手続きの遅れなどがあり、4月18日に発売する。米国での価格は799ドル(約9万6000円)。また、同日にはワーナー・ブラザースが対応ソフトを発売する。

 東芝では月産2000台を見込み、米国での販売もあわせ、06年度で世界で60-70万台の販売を見込む。

 発表会見で、東芝の藤井美英・執行役上席常務デジタルメディアネットワーク社社長は「HD DVDは過去4億台販売されたDVDとの互換性や特性を踏襲しており、ユーザーから必ず支持される。42、50インチのプラズマ、液晶テレビのユーザーでは、DVDでもハイビジョン映像を見たい人が多い。われわれは、DVDからHD DVDへの事業シフトを急速に実現する」と意気込みを語った。

 また、レコーダーの発売については、「間違いなくワールドカップ前に間に合わせたい」とコメント。また4-6月期にはHD DVDドライブを内蔵したパソコンの発売を計画していることも明らかにした。

 次世代DVD規格では、ソニー、松下などが開発を進めているブルーレイディスク(BD)もある。容量では1層でBDが25GB、HD DVDは15GBとBDが大きい一方、生産コストでは現行のDVD製造ラインが利用できるHD DVDが有利と見られている。

 この点について藤井常務は「HD DVDは安いだけではなく、大容量も可能。2層で容量を30GBにすることもできるし、要求があれば45-60GBまで対応できる。(データを記録する層が)0.1mmのBDではムリだ」と強調した。

 ユーザーの利便性のためにHD DVDとBDで規格統一することについては「BDが録画機をあきらめれば可能」と前置きしたうえで、「HD DVDが市場で先行し、年末(商戦)で売れれば来年6月までに趨勢(すうせい)は決まる。ただ、(HD DVD以上に)すばらしいBD製品が出れば土下座して謝る」との見方を示した。