独立行政法人情報通信研究機構(NICT、長尾真理事長)とKDDI研究所(秋葉重幸代表取締役所長)は3月22日、共同で次世代の大容量のモバイル通信に対応したIPネットワーク「モバイルリング」を開発、実証実験に成功したと発表した。

 「モバイルリング」は都市部など、携帯電話の利用が100万台以上とユーザーが密集する地域を対象に、エリア内で端末間同士が大量のトラフィック交換を行えるようにするネットワーク。端末の位置管理とパケット転送の制御する「LMA」と呼ばれる装置を使い、ギガビットの高速光回線へリング状に装置を複数接続。それぞれの装置に無線基地局を収容してネットワークを構築する。

 NICTとKDDI研究所では、今回、NICTの研究用ギガビットネットワークを利用し、NICT横須賀無線通信研究センター、KDDI研究所(埼玉県)、KDDI研究所YRPリサーチセンター(神奈川県横須賀市)間と「モバイルリング」を接続した。LMAにはネットワーク用プロセッサを搭載し、実証実験を行った。

 実験では多数の端末の同時アクセスが可能になったほか、端末が制御装置間を移動する時にパケットデータの欠落がまったく起きないことを確認した。また、今回の実験での物理回線速度である毎秒1ギガビットのパケット転送も行うことができた。

 NICTとKDDI研究所は、今後システムの信頼性向上を図ると同時に技術の標準化も検討する。さらに、IPネットワークとモバイル端末との接続技術や携帯電話、PHS、無線LANなど異なる無線システム間でも切り替えて通信できる技術の研究も進めていく方針。