松下、大坪文雄氏が都内で会見、社長就任に「正直、驚いている」

中村氏は00年6月に社長に就任して以来、2万人以上の人員削減や事業部制の廃止などといった大胆な構造改革で、赤字だった業績を黒字に転換させる「V字回復」を達成させた。中村氏は、「構造改革は、常に行わなければならない。そういった点では、中途半端な段階で社長を交代するのは申し訳ない」と述べたものの、「松下電工を子会社化し、構造改革の兆しが見え始めた」と、成長路線のメドがついたのを機に社長を交代することを示唆した。
新社長となる大坪氏は、PDP(プラズマディスプレイパネル)テレビを中心に主力のAV(音響・映像)事業を担当し、競争が激しい薄型テレビ市場で同社の地位を確固たるものにした実績を持つ。大坪氏は、「(社長に就任することに)正直、驚いている。しかし、デジタル機器市場はグローバルで変化が激しいということを、AV事業を担当して掴んできたつもり」と、これまで培ってきたノウハウで全社経営に取り組む姿勢を示した。また、「中立性かつ透明性がある中村のマネジメントスタイルを継承したい」と話した。