産業技術総合研究所(産総研、吉川弘之理事長)の光技術研究部門は、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科・内山太郎研究室とバートン(木村秀尉代表取締役)と共同で、空中にドットアレイからなる「リアルな3次元(3D)映像」を表示する装置の試作に成功したと発表した。プラズマ発光を用いたもので、空気以外存在しない空間でのリアルな3D映像の表示は世界で初めて。

 レーザー光を空間中の1点に強く集光させ、焦点近傍の空気をプラズマ化して発光させる技術を用いたもの。慶応大とバートンは、同技術を使って、ドットアレイからなる空気中の2次元像表示にすでに成功しており、川崎市産学共同研究開発プロジェクト助成事業の支援のもと、3次元で表示できる立体広告灯の実現を目指して共同研究を進めてきた。

 今回、産総研、慶應大、バートンは共同で、従来の2次元描画装置を改良し、焦点位置を制御するリニアモーターシステムと、高品質・高輝度赤外パルスレーザーを組み合わせ、リアルな3D映像の空間表示に成功。発生するプラズマの輝度・コントラスト・生成距離を制御する技術を開発し、描画装置から描画ポイントまでの距離を数メーターと大幅に延ばすことにも成功した。

 開発した装置は、次世代の広告媒体として期待されており、早期の製品化を進める計画。また、今回の3次元画像描画は、レーザー装置の限界により100ドット/秒の表示にとどまっているが、さらにドット数を増やして滑らかな映像を描画させたいとしている。