ライブドア、経営陣刷新で会見、平松庚三新社長「まずコンプライアンス」

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2006/01/24 23:19



 ライブドアは1月24日夜、証券取引法違反の疑いで堀江貴文容疑者ほか3名が逮捕されたことを受け経営陣を刷新。東京都内のホテルで記者会見を開き陣容を発表した。

 新体制では、取締役を務めていた熊谷史人氏が代表取締役に就任。執行役員社長には05年3月からライブドアの執行役員上級副社長を務め、会計ソフト開発・販売会社、弥生の代表取締役社長も務めている平松庚三氏が就いた。そのほか、取締役に山崎徳之、羽田寛、岡本文人の各氏が就任した。また、取締役を務めていた宮内亮治容疑者は同日付けで取締役を辞任。堀江容疑者は代表取締役と社長を退いたものの、現段階では取締役にとどまっている。

 ほぼすべての業務を平松氏がトップとして行い、平松氏を含めた執行役の監視を熊谷氏が進める方針で、平松氏を委員長とした経営委員会も設置。具体的な経営戦略やアクションプランを立案していく。具体的な立て直し戦略について平松氏は、「任命されてからまだ24時間も経っていない。もう少し時間が欲しい」と明言を避けた。

 熊谷氏は今後について、「事業売却や身売り、社名変更は考えていない。現在のライブドアの資産を生かして株主価値の最大化に努める」と説明。一方、平松氏は、「具体的な戦略立案にはもう少し時間がかかるが、まずコンプライアンス、コーポレートガバナンスの強化が最優先。そのうえで成長戦略を立てる」と話した。

 平松氏を選んだ理由について、熊谷氏は「ライブドアが会社として欠けていた部分として、若い会社で社会経験の浅さがあったのは否めない。ライブドアグループの一員として弥生を成長させ、社会経営の経験が豊富な平松氏が最適だと判断した」と語った。

 なお、堀江氏が現段階で取締役にとどまっていることについては、「堀江と接見する機会がなく、意志が確認できない状況」(熊谷氏)と説明した。

 熊谷氏は、未来証券を経て01年1月にライブドアに入社。01年8月に経営企画監理本部担当執行役員副社長に就任し、04年から現職。平松氏は、ソニー、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルジャパン、IDGコミュニケーションズジャパン、AOLジャパンなどを経て、00年11月にインテュイット(現・弥生)代表取締役社長に就任した。04年12月には弥生の全株式をライブドアに譲渡し、ライブドアの完全子会社となった。05年3月からは、ライブドアの執行役員上級副社長を兼務している。