印刷スピードの速さと印字品質の高さから、オフィスでは大活躍のページプリンタ。しかし個人ユースでは、インクジェットプリンタが大多数だ。そのためか、レーザーやLEDを用いるページプリンタは「値が張るもの」という印象は強い。しかし現在では低価格化が進み、実売1万円台の製品まで登場しはじめた。そこで「BCNランキング」9月のデータから、ページプリンタの売れ筋傾向と今後の動向を探ってみた。

 印刷スピードの速さと印字品質の高さから、オフィスでは大活躍のページプリンタ。しかし個人ユースでは、インクジェットプリンタが大多数だ。そのためか、レーザーやLEDを用いるページプリンタは「値が張るもの」という印象は強い。しかし現在では低価格化が進み、実売1万円台の製品まで登場しはじめた。そこで「BCNランキング」9月のデータから、ページプリンタの売れ筋傾向と今後の動向を探ってみた。

●とにかく「安いA4モノクロ機」が売れている


 今や個人ユースでは、プリンタといえばインクジェットプリンタ。美しい写真が自宅で「印刷」できるとなれば、広く普及するのもうなづける。しかし、ワープロの出力や、ちょっとした書類の印刷が多いなら、実はインクジェットプリンタはあまりオススメできない。思いのほかインク代が高いうえ、印字スピードもゆっくり。そのうえ、紙を間違えるとにじんでしまうこともあるからだ。しかし、モノクロのページプリンタは、なにより印刷スピードが速い。そしてランニングコストが比較的安く、字もクッキリ。モノクロで文字中心の出力が多いならイチオシだ。この実力なら、SOHOに象徴されるような小規模オフィスでも充分活躍できる。ということで、「BCNランキング」9月の月次集計による、ページプリンタの販売台数シェアトップ10を見てみよう。



 ランキング1位はキヤノンの「Satera LBP3000」、2位がブラザーの「HL-2040」。双方とも廉価なモデルで、実勢価格はなんと1万円台。インクジェットプリンタと価格で比較しても、何ら遜色ないところまで安くなってきている。

 ページプリンタの大きな特徴は、にじみないクリアな印字と、印刷スピードの速さだ。特にスピードの速さは、インクジェットプリンタではとても真似できない部分。ランクインした製品の印刷速度を眺めると、A4モノクロ片面印刷でおよそ毎分20枚程度が平均値。ちなみに上位機種の「Offirio LP-7000C」は毎分40枚。これは数年前の大型プリンタとほぼ同じスピードだ。よほど大量の文書をプリントしない限り、ストレスはほとんど感じないといってもいいだろう。また、キヤノンの「Satera」シリーズはスタンバイ時ならウォームアップ0秒のクイックスタートができるモデルもある。1枚だけすぐ欲しい、といったときにはストレスなく出力できるのが嬉しい。

 現在主流のサイズは、やはりA4機。トップ10中A3サイズ対応機は、わずかに3台。あとはすべてA4機だ。全体の数字を見ても、A4が72.2%、A3が26.5%、A3ノビが1.2%となっている。要因はなんと言っても、値段の安さ。そして大きさだ。A3機ともなれば、それなりにスペースを必要とする。企業では「大は小を兼ねる」の感覚でA3対応のプリンタというを買うことが多かったが、最近では割り切ってA4機で済ませてしまうところも増えているようだ。



 A3、カラー出力を頻繁に行うデザイン会社などの特殊な業種ならいざしらず、一般企業は実際にプリントアウトするとなれば、ほぼモノクロでこと足りる。もちろん、一般家庭でA3を出力する場面などほとんどないと言ってもいいだろう。

●買う前に、ココはチェックしておきたい

 よしわかった。ウチはA4モノクロが主流だから、ページプリンタの安いやついってみよう! と決め、買いに出かけたとする。そこで、実機で是非チェックしておきたいのは、メンテナンス面。

 紙詰まりの処理やトナー交換などがやりやすいかどうかは、見落としがちな部分だ。気が付くと家中トナーで真っ黒けという悲惨な目に遭わないためにも、事前に店頭でチェックしておきたい。トラブル時の操作法など自分にとっては難しい「相性の悪い」機種があったりするから要注意だ。ランキング入りした機種では、さまざまなメンテナンスをフロント面から行うことができるタイプがほとんど。背面に回りこんでアレコレいじる必要がなく、置ける場所もこれまでよりも自由に選択できる。

 もう一点、考えておきたいのはトラブル対応だ。一般家庭ならメーカーに送って修理を依頼することになる。しかし、SOHOなどの業務ユースでは、メーカーのサービスパックなどを導入しておいたほうが無難だろう。キヤノンやエプソンでは、訪問メンテナンスを請け負うサービスパックをあわせて用意している。「手に負えないトラブル」が発生した場合、そのまま業務の停滞につながってしまう。そんなリスクは回避しておいたほうがいい。

●カラーの低価格ページプリンタは、家庭に入り込むタイミング待ち?

 90年代の後半から急激に値が下がり始めたカラーのページプリンタは、今もなお性能の向上と反比例して、どんどん安くなっている。2000年頃、A4サイズ対応のカラーページプリンタで20万円台が登場したときは誰しも驚いた。しかし今は、10万円台を切る製品もザラだ。

 今回トップテン入りを果たしたキヤノンの「LBP5200」は6万円台、エプソンの「LP-7000C」はA3対応でありながら9万円前後で入手することが可能だ。「LP-7000C」のサイズは、従来のカラーレーザープリンタ「LP-7800C」に比べて約半分。「LBP5200」も、性能を維持しつつ部品点数を大幅に減少。いずれもデスクにおいて使用することができるため、SOHOや小規模のデザイン事務所にとっては心強い。

 最大用紙サイズ別にカラー化率を見ると、一般の用途が多いと思われるA4機では15%弱なのに対し、デザイン用途もかなりありそうなA3機で31%、ほとんどがデザイン用途と思われるA3ノビ機は80%だった。現状では画像のプロユースではカラー化が進み、その波が一般の用途にまで及ぶのを待つばかり、といった状況のようだ。



 今後いっそう低価格化、省スペース化が進めば、カラーページプリンタを利用する個人ユーザーも増えていくことだろう。写真出力の品質という点では、神業とも言える現在のインクジェットプリンタに比べると、廉価なカラーページプリンタはまだまだ。しかしインクジェットプリンタの遅さに痺れを切らして、デジカメ画像などを「もっと素早く大量に」カラー印刷できないのか? というニーズは確実にありそう。そうした人たちをつかまえるには、写真出力に耐える高品質機をどこまで安くできるかが大きなポイントになりそうだ。


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